
店舗DX 券売機の導入方法は「購入」「リース」「レンタル」の3つがあり、それぞれ費用・メリット・デメリットが大きく異なります。本記事では、各導入方法の仕組みと費用相場、自社に最適な選び方を詳しく解説します。
【今回のコラムをざっくりまとめると…】
・リース:月額割安・初期費用ゼロ・長期利用向け。原則中途解約不可 ・レンタル:短期間・即解約可能・試用向け。月額はリースより割高 ・購入:長期利用なら最もコスト効率が高い。メンテナンスは自社負担 ・リースの契約期間は3年・5年・7年が一般的で、期間が長いほど月額は安くなる ・タッチパネル型券売機のリース相場は月額3.4万円前後
券売機とは、レジ業務を行うスタッフを配置することなく、オーダー・会計が可能になる機器です。券売機での会計の場合、セルフレジと異なり、商品・サービスを受ける前に料金を支払う前払い制となります。 ここではリース契約について解説します。
リース契約とは契約を交わしたメーカーから、長期的に券売機を借り受けることです。 リース契約の特徴を以下にまとめました。
リース契約は、ユーザー・券売機提供メーカー・リース会社の3社が関わる契約システムです。ユーザーはリース会社から券売機を借り受け、月々の利用料をリース会社に支払います。リース会社はメーカーに代金を一括払いするという仕組みです。
| 項目 | 内容 |
| 契約期間 | 中期〜長期(3〜7年程度が一般的) |
| 借りる機種 | ユーザーが希望する機種をリース会社が購入 |
| 中途解約 | 原則できない |
| 保守・修繕 | 基本的にユーザー負担 |
| 契約終了後 | 返却・再リース・買取のいずれかを選択 |
リース契約は3年・5年・7年といった契約になることが一般的です。
それぞれのメリット・デメリットは以下をご覧ください。
・3年契約のメリット・デメリット
券売機を3年契約でリースする場合は、早めに新機種へ切替できることが大きなメリットです。3年スパンで再度契約することで、その都度最新機種を利用することができます。
ただし、短期間での契約はリース料が割高になりやすいデメリットがあるため注意が必要です。
・5年契約のメリット・デメリット
5年契約で券売機をリースする場合、月額リース料と契約年数のバランスが取りやすい点がメリットです。長すぎず短すぎない契約期間のため、投資回収と最新機種の切替のタイミングを調整しやすい特徴があります。
その反面、3年契約よりも長期の契約になるため、中途解約のリスクがあることや、7年契約と比較するとリース料が割高になることはデメリットです。
・7年契約のメリット・デメリット
7年契約で券売機をリースする最大のメリットは、3年や5年契約よりも月額リース料が安いことです。コストが安いため資金的にも安定した計画が立てやすく、長期間同じ機種を利用したい方に適しています。
しかし、長期での契約は故障リスクや中途解約リスク、最新機種を使用できなくなるリスクなどもあるため、契約前にこうしたデメリットについても把握しておくことが大切です。
リース契約時の必要書類は、個人事業主と法人で異なります。
法人
個人事業主
法人の場合、登記簿謄本(履歴事項全部証明書)や印鑑証明書、会社概要、直近2~3期分の決算書などが必要とされます。
一方、個人事業主の場合は、本人確認書類として運転免許証(顔写真が記載された書類)などが求められ、加えて税務署に提出した開業届の控え、そして過去2~3年分の所得税の確定申告書を用意する必要があります。
審査において重視されるのは、まず業歴であり、事業の継続年数が長いほど信用力は高く評価されます。また、決算内容や申告書に基づく財務状況や企業の信用情報も確認対象であり、過去の返済遅延や金融事故があると審査通過が難しくなることがあります。

仕組みが複雑そうに思えるリース契約ですが、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、リース契約のメリットをご紹介します。
リース契約の多くは初期費用ゼロです。券売機を購入する場合、一台につき50万円〜数百万円かかります。開店前に多くの費用がかかる中、リース契約で初期費用を抑えて店舗運営に資金を回すことが可能です。
リース料は毎月「賃借料」として経費計上できるため、会計処理がシンプルです。所有権がないため減価償却や固定資産税の処理も不要です。
リース契約ではユーザーが導入したい券売機を新品で導入できます。ボタン式からタッチパネル型・キャッシュレス決済対応まで、幅広い機種から選べます。
銀行借入と異なり金融情勢の変動に影響されません。毎月一定金額を支払うため、ランニングコストを把握しやすいメリットがあります。
リースの場合は年間リース料全額を経費として計上できます。購入した場合は耐用年数に基づく減価償却が必要で、年間経費計上額が少なくなります。リースのほうが節税効果が高いケースがあります。
具体的には、以下のように税制上の処理の違いがあります。
【券売機をリースした場合】
・券売機のリース料:月額5万円
・契約期間:5年(60か月)
→ 毎月「賃借料」として 5万円 × 12か月 = 年間60万円 を経費計上が可能
【券売機を購入した場合】
・券売機購入価格:180万円
・耐用年数(券売機の法定耐用年数):8年
・減価償却方法:定額法と仮定
→ 毎年の経費は、180万円 ÷ 8年 = 年間22.5万円
(※定率法などは処理が異なります)
このように、リースの方が経費として計上しやすく、税制面で優遇されることが分かります。
また、券売機はリース会社が購入しているため、契約した券売機は自社の資産とならないことから、減価償却が不要であることもメリットです。
月額支出を固定化することでキャッシュフローを安定させられます。購入に比べて初期費用が大幅に少なく、手元資金を有効活用できます。
例えば、本体価格180万円の券売機を5年リースした場合と購入した場合を比較すると以下のようになります。
| 購入 | リース | |
| 本体価格 | 180万円 | 180万円 |
| 月額のリース料 | 0円 | 月額3万円 |
| 保守費用 | 月1万円程度 | 月1万円と想定 (※リース料に含まれる場合もあります) |
| 初期費用合計 | 181万円 | 4万円 |
このように、リースした場合は初期費用がほとんど掛かりません。また、リース契約は毎月一定金額を固定で支払う形式になるため、支出の管理が行いやすくなるのも大きなメリットです。
リース契約の満了時は以下の3つから選択できます。
再リースはリース期間満了後に券売機を再度リースする契約を表します。一般的には、1年契約で、年額基本リース料の12分の1程度の再リース料を支払うケースが多いです。
リース料を安くできるメリットがある反面、既存の券売機を利用するため、最新機種が利用できないデメリットもあります。
券売機のリース契約終了後、買取ができるプランが用意されているケースもあります。買取のメリットは自社所有になるため、自由に使えることやカスタマイズが可能になることが挙げられるでしょう。
その反面、故障やトラブルの修理費用が全額自己負担になることや保守契約が終了するケースもあることがデメリットとなります。
リース契約満了後に返却する場合、それ以降のリース料を支払う必要がないことや、新規で契約する際に最新機種を利用できることがメリットです。
その反面、別の券売機が必要な場合は新たな初期投資が発生するのがデメリットと言えます。

券売機はレンタル契約も可能です。そこで、レンタル契約の特徴も以下にまとめました。リース契約との違いを知る参考にしてください。
| 比較項目 | リース | レンタル | 購入 |
| ランニングコスト | 月額割安 | 月額割高(短期向け) | 月額なし(保守費のみ) |
| 初期費用 | ほぼゼロ | ほぼゼロ | 50〜200万円 |
| 中途解約 | 原則不可 | 随時可能 | 該当なし |
| 機種選択 | ユーザーが選択(新品) | メーカーが用意した機種から選択 | ユーザーが自由に選択 |
| 契約期間 | 3〜7年程度 | 1日〜長期 | 永続(耐用年数まで) |
| 審査 | 必要 | 不要 | 該当なし |
| 保守 | ユーザー負担(基本) | メーカーにより異なる | ユーザー負担 |
| 向いているケース | 長期利用・節税効果重視 | 短期試用・解約可能性あり | 長期利用・コスト効率最優先 |
※関連記事:レンタルで券売機を導入するメリットとは?費用相場や導入事例を解説
リース契約・レンタル契約は、どちらも初期費用は無料であることが一般的です。しかし、月額料金に関しては基本的にリース契約の方が割安に設定されています。 そのため、より費用を抑えたいという企業には、基本的にはリース契約の方がお得といえるでしょう。検討している使用期間によっては、リース契約よりも購入した方が割安になる可能性もあるため、メーカーに相談することがおすすめです。
リース契約は中途解約・キャンセルができないのに対し、レンタル契約は途中解約がいつでも可能です。リース契約の場合、メーカーが倒産したとしても基本的にはリース会社に月額料金を支払わないといけない点に注意が必要です。
そのため、手軽に契約できるのはレンタル契約の方になります。リース契約を結ぶ際には、契約内容をよく確認したうえで締結することが大切です。
リース契約では、基本的に希望の機種を選んで導入することが可能です。その一方、レンタル契約では提供メーカーが選んだ機種の中から選ぶことが一般的です。
そのため自社の課題解決に適した機種がない場合には、ムリにレンタル契約することはおすすめできません。事前にラインナップを確認しましょう。
レンタル契約は、1日からレンタル可能な場合が多いため、気軽に契約できます。一方、リース契約は半年~10年程度と長い契約期間になることが一般的です。
はじめて券売機を試したいという場合や比較的短期間の出店の場合にはレンタル契約が適しています。一方で、店舗を長く運営したい場合にはリース契約も適しています。
リース契約は、契約前にリース会社による審査を受ける必要があります。そのため、券売機の導入時期が遅くなります。一方、レンタル契約はメーカーとの契約になるため、審査がありません。
なるべく早く券売機を導入したい場合には、レンタル契約がおすすめです。
リース契約の場合、保守・修繕の対応はユーザーがしなければなりません。そのため、メンテナンス費用は自社で別途受けもつ必要があります。レンタル契約の場合には、メーカーによって対応サービスの範囲が異なります。事前に無料サービスと有料サービスの範囲を確認しておきましょう。

券売機を導入するにあたり、購入・レンタル・リースのどの導入方法が得かについて解説します。
券売機タイプ | 月額リース料目安 |
卓上型(ボタン式) | 約1.2万円 |
縦置型(低額紙幣対応) | 約1.7万円 |
縦置型(高額紙幣対応) | 約2.5万円 |
タッチパネル型 | 約3.4万円 |
券売機タイプ | 月額レンタル料目安 |
卓上型(ボタン式) | 約2.5万円 |
縦置型(低額紙幣対応) | 約1.5〜2.5万円 |
タッチパネル型 | 約3.5万円 |
1年以上の契約であれば購入コストとの比較が重要です。例えばキャッシュレス専用券売機であれば50万円程度で購入できることを考えると、1年以上の長期運用では購入のほうが有利になる可能性があります。
券売機のレンタル料金には通常、定期点検・故障時の出張修理・電話サポートなどの保守サービスが含まれます。タッチパネル型ではソフトウェア更新やキャッシュレス設定支援も対象となるケースもあります。