決済方法が多様化している現代では、キャッシュレス決済も珍しいものではなく、店舗経営においてもキャッシュレスの需要に応えるべく導入が進んでいます。
そのため、業務効率の実現やデータ収集に優れているPOSレジの導入時に、キャッシュレス決済の導入も検討するべきです。
そこで本記事では、セルフレジにキャッシュレス決済を導入するメリットや注意点について詳しく解説します。
この記事でわかること
近年キャッシュレス決済が急速に普及していますが、キャッシュレス決済といってもさまざまな種類があります。
現在、日本国内で利用されている主なキャッシュレス決済には次のようなものがあります。
それぞれで決済の方法や支払いタイミングが異なりますが、いずれも現金を使用しない決済手段となります。
経済産業省が行ったキャッシュレス決済の動向調査では、日本でのキャッシュレス決済比率は2020年時点で29.7%となっています。
5年前の2015年に比べて10%も増加しているため、今後も徐々に比率が大きくなっていくでしょう。(参考:経済産業省「中間整理を踏まえ、令和3年度検討会で議論いただきたい点」2020年度第1回キャッシュレス決済の中小店舗への更なる普及促進に向けた環境整備検討会資料4(2021年8月27日))
このように、キャッシュレス決済は近年急速に普及しているため、店舗でのキャッシュレス対応がより一層求められるようになっているのです。
多くの店舗で導入が進んでいるセルフレジは、消費者自身で決済を行えるレジのことを指します。
キャッシュレス決済はこのようなセルフレジでも導入が進んでいますが、セルフレジにキャッシュレス決済を導入することでどのようなメリットを得られるのでしょうか?
キャッシュレス決済を導入することで、商品の精算をスムーズに行うことができるようになり、レジ待ちを解消できるというメリットがあります。
現金を使用しないキャッシュレス決済では、財布から現金を取り出す必要がないため、紙幣や硬貨を数えることなく精算を行うことができます。また、お釣りも出ないため財布にお金をしまうという手間も発生しません。
特にセルフレジでは、現金を機械に投入しお釣りを受け取るという一連の流れを消費者自身で行うため、操作になれない場合にはかえって時間がかかってしまう場合があります。
しかし、キャッシュレス決済では決済における一連の流れを簡易化できるため、スムーズな会計が可能になりレジ待ちを減らすことができるのです。
セルフレジでは、スタッフと消費者が現金を直接手渡しをするということがなくなるため、衛生面の向上が期待できますが、それでも現金での決済手段を選択すれば現金に触れる必要があります。
しかし、キャッシュレス決済は自身のカードや携帯などで決済を行うため、より衛生面が向上するのです。
特に、新型コロナウイルスの感染流行により、現金の使用に抵抗を感じる人も多くなっています。衛生面の強化が重視されているため、現金を使用しないキャッシュレス決済がより重要となっているのです。
キャッシュレス決済にはさまざまな種類があるため、消費者の決済方法の選択肢が増えるというメリットがあります。さまざまな決済方法に対応することで、幅広いユーザーに利用してもらえる可能性が高くなるでしょう。
キャッシュレス決済のひとつであるクレジットカードにも、多くのカード会社があるように、スマホ決済やバーコード決済サービスを提供する会社にも数多くの種類があります。
豊富な決済ブランドを扱うことで、消費者の利便性も高められるのです。
セルフレジでは、商品をスキャンする機械や現金を投入する精算機など複数の機械が必要となるため、設置スペースを要するというデメリットがあります。
しかし、キャッシュレス決済のみのセルフレジの場合は、現金を扱わないため釣り銭を管理する機器の設置が不要です。
そのため、壁掛けなどにも対応でき、省スペース化に大きく貢献します。レジスペースを最小限に抑えることで、商品の陳列を増やすたりするなど、より店舗の売上につながるような空間活用が可能となります。
キャッシュレス決済を導入すると、客単価の向上も期待できます。支払額が目視できる現金に比べ、金額の大きさが気になりにくい点が理由のひとつとして挙げられます
さらに、多くのキャッシュレス決済サービスでは、キャンペーンやポイント付与を行っています。このようなポイント還元キャンペーンが豊富であることも、客単価アップにつながっているのです。
セルフレジでは機械が会計業務を行うため、言語選択機能を搭載しているものであれば、多言語対応が可能となります。
これまで、日本語や日本円の扱いに慣れていない外国人従業員にとって、現金での決済は難しさがあったでしょう。操作がスムーズに行えずレジが混んでしまう原因のひとつになっていたかもしれません。
一方、キャッシュレス決済では多言語選択機能に加え、現金の扱いがないため、決済を簡単に行うことができます。そのため、インバウンド需要にも応えられるというメリットがあるのです。
このように、キャッシュレス決済をセルフレジに導入することで、消費者だけでなく店舗側にもさまざまなメリットをもたらすため、積極的に導入を検討するべきだといえます。
キャッシュレス決済の導入によって多くのメリットを得ることができますが、いくつかの注意点も把握しておく必要があります。これから導入を考えている方は、事前にしっかりと理解しておきましょう。
キャッシュレス決済を利用する場合、決済手数料がかかることがあります。決済サービスを提供する事業者によって異なりますが、平均3%の決済手数料は平均で3%ほどです。
多くの決済手段に対応できる環境を整えることは重要ですが、消費者の利用が少ない決済手段にランニングコストを払うべきかどうかは考慮すべきでしょう。
そのため、事前に利用するサービスやその料金形態をしっかりと確認しておくことが大切です。
キャッシュレス決済の場合、後日事業者から代金が振り込まれる仕組みとなっているため、すぐに現金化されないことがあります。
多くの場合は入金日が決まっており、月に2〜3回に設定されているため、決済が合ったタイミングですぐに入金されるわけではありません。
そのため、仕入れなどで現金が必要になる際に現金がないという状況にならないためにも、あらかじめ資金を準備しておくことも大切です。
年々需要が高まっているキャッシュレス決済をセルフレジに導入することで、消費者側にだけではなく店舗側にもさまざまなメリットをもたらします。
今後さらにキャッシュレス化が進むと、店舗でのキャッシュレス決済対応もより一層求められるようになるのでしょう。
しかし、キャッシュレス決済の導入には注意すべき点もあるため、事前に内容を理解し対策しておくことが重要です。