ホテル・宿泊業界といえば、新型コロナウイルスによって大きな打撃を受けた業界の一つです。そのような中、再起を図る方法として注目を集めているのが、キャッシュレス決済です。
今回は、ホテルにキャッシュレス決済を導入する方法やそのメリット・デメリットを解説します。ゲストの利便性を高めるための施策をご検討の際は、ぜひ参考にしてください。
【今回のコラムをざっくりまとめると…】
この記事では、ホテルにおけるキャッシュレス決済の導入について説明されています。顧客はスムーズなチェックインやチェックアウトが可能になり、利便性が向上します。また、スタッフの業務負担も軽減され、顧客満足度の向上に繋がります。データ管理が簡素化され、経営分析やマーケティング戦略の向上にも寄与することが期待されています。
キャッシュレス決済の利便性は理解しているものの、どのような流れで導入すれば良いのかわからないケースも多いでしょう。ここでは、ホテル運営にキャッシュレス決済を導入する方法を解説します。
そもそも、ホテルの利用客の決済方法は、現地決済と事前カード決済の2つがあります。キャッシュレス決済を導入している場合は、現地でも現金と各種キャッシュレスを選ぶことが可能です。
また、近年では現地での現金決済に対応しておらず、完全キャッシュレス化を実現しているホテルもあります。
ホテルへのキャッシュレス決済の導入方法は、主に2種類あります。1つ目はキャッシュレス会社と直接契約する方法です。設置するキャッシュレス決済の種類ごとに事業者と連絡を取り、加盟申請を行います。
仲介会社を利用しない分、手数料を抑えやすいものの、ブランドごとに入金日が異なる点がネックです。
2つ目は決済代行業者と契約する方法です。複数のキャッシュレス決済サービスを一括して導入したい場合に適しており、売上金は指定の日時にまとめて入金されます。
なお、どちらの方法で導入する場合も、契約前に審査を受ける必要があり、十分な支払い能力や信用があると認められると決済端末を設置できます。
ホテルに導入できるキャッシュレス決済手段は、主に以下の3つに分類されます。
クレジットカード決済
QRコード決済(スマホ決済)
電子マネー決済
すべての決済方法に対応するのが理想ですが、種類が増えるとその分手数料などもかかりやすくなります。駅から近いホテルの場合は交通系電子マネーに対応するなど、立地や顧客層を踏まえて最適なキャッシュレス決済システムを選ぶのがおすすめです。
キャッシュレス決済は、宿泊施設にこそ導入すべき設備といえます。ここでは、ホテルにキャッシュレス決済を導入するメリットを解説します。
ホテルにキャッシュレス決済を導入する最大のメリットは、インバウンド需要を獲得しやすくなる点です。
海外では、日本よりキャッシュレス決済が普及しています。そのため、キャッシュレス決済に対応しておくことで、観光などで来日する外国人客に選ばれやすくなるでしょう。また、事前のカード決済に対応すれば、海外からの宿泊予約もしやすくなり、集客力のアップが期待できます。
ホテルのフロントは、チェックイン・チェックアウトなどさまざまな業務が発生します。キャッシュレス決済に対応することで現金のやり取りを減らせるため、フロント業務を効率化できるのがメリットです。
キャッシュレス決済対応済みのホテルでは、セルフチェックインやチェックアウトも導入しやすくなります。受付や支払いをスムーズに完了できるようになり、利用客の利便性が向上するでしょう。
宿泊施設の中には、キャッシュレス決済の導入に併せてフロントの無人化に成功している店舗もあります。
キャッシュレス決済を導入することで現金管理の手間を減らせるため、人的ミスのリスク軽減が期待できます。具体的には、釣銭の計算間違いや紛失などを防止しやすくなります。
また、利用客との現金の受け渡しが減り、衛生面が向上する利点もあります。
キャッシュレス決済は、現金管理に関してセキュリティ面の不安を感じているホテルにおすすめの設備です。キャッシュレス決済を利用した場合、売上金をデータ上で管理できるため、盗難などに遭う心配を減らせます。
ホテルにキャッシュレス決済を導入すると、上記のようなメリットが期待できます。
キャッシュレス決済を導入する場合、メリットを生かしつつデメリットをカバーするのが理想です。ここでは、ホテルにキャッシュレス決済を導入する際に想定されるデメリットを解説します。
キャッシュレス決済を導入する場合、一定のコスト負担を求められます。
具体的には、導入時の初期費用や月額利用料、決済ごとの手数料などが必要です。料金システムはサービスごとに異なるため、事前に確認しておきましょう。
高齢者を中心に、キャッシュレス決済に強い抵抗感を持っている方も一定数います。そのため、顧客層によっては完全キャッシュレス化を進めることで、デジタル格差が生じ、かえって集客力が低下してしまうケースも考えられます。
キャッシュレス決済を導入する際は、利用客の年齢層やリテラシーを踏まえて、現金とキャッシュレスのどちらに比重を置くのか判断しましょう。
キャッシュレス決済は、インターネット通信を前提としたシステムです。そのため、通信障害や災害が発生すると利用できなくなる可能性があります。
完全キャッシュレス化を進める場合は、緊急時の現金決済のオペレーション研修も実施する、予備の通信回線を用意しておくなどの方法で対策しましょう。
キャッシュレス決済では、売上金がカード会社から決済事業者に入り、手数料を引いた金額が店舗の口座に入金されます。
そのため、現金決済の場合と比較して入金サイクルにタイムラグがあり、キャッシュフローが悪化する可能性があります。それを防ぐには、入金スピードが早いサービスを選ぶのが良いでしょう。
ホテルにキャッシュレス決済を導入する場合、上記の点に注意する必要があります。
キャッシュレス決済の効果を高めるには、「導入するだけ」では意味がありません。ここでは、キャッシュレス決済の導入で多くの利用客を獲得するためのコツをご紹介します。
キャッシュレス決済の導入でゲストの利便性を高めるには、対応するキャッシュレス決済の種類をできる限り増やすのが理想です。幅広い決済方法に対応することで、リピーターの獲得や集客につながるでしょう。
ただし、手数料や入金サイクルの問題が発生する可能性もあるため、経営状況や予算に応じて最適な数を判断する必要があります。
ホテルにキャッシュレス決済を導入する場合は、現地でのカード払いだけでなく、オンライン決済に対応することも重要です。
宿泊予約時にキャッシュレス決済を利用できるようになれば、ゲストは現地で支払いを気にする必要がなくなります。
観光地のホテルでは、インバウンド決済への対応も欠かせません。外国人観光客がホテルを予約する際、キャッシュレスで事前決済が可能になれば、利便性が向上し選ばれやすくなります。
ホテルでは日々細かな業務が発生するため、キャッシュレス決済の導入によって会計を効率化するメリットが特に大きいといえます。
また、外国人観光客の集客につなげるためにも、キャッシュレス決済は今後のホテル運営に欠かせない設備となるでしょう。これを機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。
参考記事:「キャッシュレス決済の導入メリットとデメリット、設置の流れを解説」
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