
開業/店舗経営 お店を始める準備をしていると、「仕入れた分はそのまま経費になる」と思ってしまいがちです。
しかし、実際には仕入れた時点ではすべてが“原価”になるわけではありません。
仕入れ原価と売上原価は、費用として計上されるタイミングが異なるため、
この仕組みを理解していないと、実際の利益を見誤ってしまうことがあります。
【今回のコラムをざっくりまとめると…】
この記事では、開業前に知っておきたい「仕入れ原価と売上原価の関係」をわかりやすく整理しながら、 正確な利益率の算出や在庫管理、ムダな仕入れの防止につなげる考え方を解説します。 数字に強くなることで、感覚ではなく“データで経営判断できる店づくり”が可能になります。
仕入れ原価と売上原価は、どちらも“原価”という言葉を使いますが、
指している中身と費用化されるタイミングが異なります。
仕入れ原価は、その名の通り「商品・材料を調達するためにかかったコストの総額」で、
仕入価格に加えて送料・関税・仕入手数料・検品費用などの付随費用を含めます。
一方で売上原価は、ある会計期間の売上に対応するコストだけを取り出したもの。
式で表すと、
売上原価 = 期首在庫 + 当期仕入 - 期末在庫
となります。
ポイントは、お金を払った瞬間=費用ではないということ。
買ったけれどまだ使っていない・売れていない分は在庫(資産)に残し、
売上に対応した分だけを費用化します(対応原則)。
この考え方を押さえると、利益の“見え方のズレ”がなくなり、
価格設定や仕入れ量の判断がブレにくくなります。
仕入れ原価と売上原価の違いは、「会計のルール」と「棚卸」の考え方から生まれます。
多くの人が「買った=費用」と思いがちですが、会計上は“売上に対応する分だけ”を費用として計上するという原則(対応原則)があります。
つまり、仕入れたものがまだ使われていなければ、それは“費用”ではなく“資産”として残す必要があるのです。
その区別を正確につけるために欠かせないのが、棚卸(在庫の確認)です。
仕入れ原価と売上原価の仕組みを理解し、正確に原価を計算できるようになると、
経営の見え方が一気に変わります。
感覚的に「なんとなく儲かっている」「仕入れが多い月は厳しい」と捉えていた数字が、
根拠をもって判断できる指標になります。
ここでは、正しい原価計算によって得られる3つの主な効果を紹介します。
仕入れ原価と売上原価の違いは、会計上の知識にとどまらず、
お店の経営を安定させるための“数字の土台”です。
仕入れた時点ではまだ「費用」ではなく、売れた・使った時に初めて「原価」として計上される。
このタイミングの違いを理解しておくことで、実際の利益が正確に見え、
価格設定や仕入れ、在庫管理の判断を迷いなく行えるようになります。
また、こうした数字の管理は、手作業ではどうしても手間がかかり、誤差も生じやすい部分です。
CASHIERなら、POSレジと在庫データを自動で連携し、
仕入・販売・在庫を一元管理できます。
仕入れや販売のデータから原価率や在庫推移をリアルタイムに把握できるため、
経営判断のスピードと精度が格段に向上します。
原価を“数字”で捉えることは、感覚に頼らない経営への第一歩です。
今日から、売上と費用のタイミングを意識して、数字に強い店づくりを進めていきましょう。