個人事業主がクレジット決済を導入することで、売上アップや顧客満足度の向上、業務効率化が期待できます。しかし、「導入のハードルが高そう」「手続きが大変そう」と感じている方も多いのではないでしょうか。
近年は初期費用を抑えて簡単に始められる決済サービスも増えており、個人でもクレジット決済を導入できる時代になっています。手数料や入金サイクル、対応ブランドなどを比較することで、自分のビジネスに合ったサービスを選ぶことが可能です。
本記事では、個人事業主がクレジット決済を導入する方法やメリット・デメリット、注意点、サービスの選び方などを解説します。「クレジット決済を導入したい」「売上を伸ばしたい」と考えている方は、ぜひ参考にしてください。
【今回のコラムをざっくりまとめると…】
この記事では、個人事業主がクレジット決済を導入する方法や注意点を紹介しています。クレジット決済に対応することで、売上アップや顧客満足度の向上、業務効率化が期待できます。今後さらに進むキャッシュレス化に乗り遅れないためにも、ぜひ導入を検討してみてください。
個人がクレジットカード決済を導入するには、大きく分けて「クレジットカード会社と直接契約する方法」と「決済代行会社を利用する方法」があります。結論からいうと、個人事業主の方には「決済代行会社を利用する方法」がおすすめです。
クレジットカード会社と直接契約する方法
カード会社と直接契約する場合、VisaやMastercardなどのブランドごとに個別の契約・審査が必要です。複数のブランドを導入する場合は、利用開始までに時間がかかってしまいます。直接契約は手数料を安く抑えられる一方で、手間やコストがかかり、審査が厳しいという特徴があります。
決済代行会社を利用する方法
決済代行会社を利用して、加盟店申請やシステム処理を代行してもらう方法です。代行会社は複数のカードブランドとの契約を一括して代行してくれるので、導入手続きをスムーズに進められます。キャッシュレス決済端末を提供する代行会社を利用すれば、初期費用や管理コストを抑えることができ、個人にも導入しやすくおすすめです。
個人事業主がクレジットカード決済を導入するメリットには以下の6つが挙げられます。
それぞれのメリットを見ていきましょう。
クレジット決済を導入することで、多様な決済手段に対応できるようになり、売上アップが期待できます。キャッシュレス決済の需要は年々高まっているため、現金しか使えない店舗では、顧客を取りこぼしてしまう可能性があります。
たとえば高額商品を扱っている場合は、現金での支払いに抵抗がある顧客も少なくありません。クレジットカードなら、分割・リボ・ボーナス払いを選べるため、購入のハードルが下がり、売上アップが期待できます。
また、オンライン決済にも対応できるようになり、オンラインショップ経由で流入したお客様の購入機会を逃さず、売上アップにつながるのです。
クレジット決済は現金のやり取りがなくなり、スピーディに会計を済ませられます。レジでの待ち時間が短縮すれば、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
また、会計にかかる時間が短縮されることで、スタッフはその分を接客に充てることが可能になります。より丁寧な対応やサービス品質の向上を図れるため、顧客体験のさらなる向上が期待できます。
クレジットカードは、売上金の入金サイクルがあらかじめ決まっているため、キャッシュフローを管理しやすい点がメリットです。クレジットカード会社によって異なりますが、売上入金が翌月〜翌々月と明確になっています。
現金商売で起こりがちな売掛金の回収漏れや立替金の発生も防げるため、資金計画も立てやすくなるでしょう。現金管理の手間が減ることで、盗難・紛失などのリスクも軽減され、安全性の高い資金管理が可能になります。
また、クレジットカード決済では、利用金額の請求が翌月以降になるため、実際の支払いを先延ばしにできる特徴があります。支払い期限を延長できることで、すぐに現金を用意せずに済み、資金繰りの改善に役立てられるのです。
クレジット決済を導入することで、売上データが自動で電子化され、帳簿への手入力や計算の手間を大幅に削減できます。数字の打ち間違いや入力漏れなど、ヒューマンエラーのリスクを軽減することも可能です。
また、取引データはデジタルで保存されるため、確定申告や税務調査の際にもすぐに参照でき、書類の準備や確認作業の手間を省けます。正確な売上管理を実現しつつ、日々の経理作業がグッと楽になるのは大きなメリットです。
クレジットカードの利用率は9割を超えているとも言われており、個人事業主でもキャッシュレス決済に対応するのは必須です。キャッシュレス決済を好むお客様からは、クレジットカードが使えないことで「不便な店舗」と印象付けることにもなりかねません。
同業他社と同等の決済手段を提供することで、顧客からの信頼も得やすくなります。また、ポイント施策やキャンペーンとの連携もできるため、リピーターの獲得にも有効です。
クレジットカード決済には、現金を扱う際に気になる盗難や紛失といった物理的なリスクがありません。とはいえ、電子決済にも不正利用のリスクやチャージバックへの備えが必要です。
とはいえ、多くの決済サービスには、チャージバックや不正利用への補償・サポートが整備されているので安心して利用できます。手数料や導入費用、サポート内容などは決済会社によって異なるため、複数のサービスを比較しながら最適なプランを選ぶことが大切です。
個人事業主がクレジットカード決済を導入する際は、以下の点に注意してください。
それぞれ解説します。
クレジットカード決済のデメリットのひとつは、端末の購入費用やレンタル費用がかかる点です。決済サービスによっては、初期設定やシステム連携に別途費用が必要になる場合もあります。
費用相場 | 内容 | |
初期費用 | 無料~数十万円 | 端末の購入費用やレンタル費用。初期設定やシステム連携 |
月額費用 | 数千円~数万円 | 決済システムの利用料など |
事前に見積もりを取り、必要なコストを把握しておくことが大切です。また、申し込みから実際の利用開始までには審査や設定があります。利用開始までに時間がかかることを考慮して、早めに導入を検討しておきましょう。
クレジットカード決済では、1回の取引ごとに決済手数料が発生します。これは店舗・個人側が負担するもので、現金払いと比べるとデメリットになります。
決済手数料は一般的に、決済金額の3%前後が差し引かれるケースが多いです。売上が安定していればさほど負担になりませんが、売上が少ない月は手数料の負担が大きいでしょう。
また、手数料率は事業規模・業種・カードブランドごとに異なるため、複数の事業者を比較することが大切です。CASHIER PAYMENTは、業界最低水準の決済手数料を提供しています。個人事業主にも導入しやすいのでおすすめです。
クレジットカードで決済された売上は、現金取引とは異なり即日入金されるわけではありません。一般的には月末締め翌月払い、または翌々月払いといった入金サイクルが設定されています。
そのため、売上金が手元に入るまでにキャッシュフローが滞る可能性があります。急な出費や仕入れ費用などに対応するためにも、入金サイクルを考慮したうえで、資金計画を立てておくことが不可欠です。
クレジットカード決済を導入すると、端末やオンライン決済システムの操作に慣れる必要があります。初めてキャッシュレスを導入する個人事業主は、端末の設置や設定、操作方法の習得に時間がかかるでしょう。
また、安全に運用するためには、定期的にソフトウェアの更新やセキュリティチェックが必要です。メンテナンス作業も事業主自身で対応する必要があるため、日常の業務に加えて負担がかかります。
トラブルが発生した際は、サポートに問い合わせる必要があるため、サポート体制がしっかりしている決済代行会社を選ぶことが重要です。
クレジットカード決済には、カード情報の不正利用や「チャージバック」と呼ばれる決済の取り消し・返金といったリスクもあります。チャージバックが発生すると、売上未回収と商品損失という二重の損失を受ける可能性もあるのです。
個人事業主ができる対処法としては、以下のようなものが挙げられます。
クレジットカードの不正利用やチャージバックによる損失を防ぐためには、事前のセキュリティ対策が欠かせません。万が一のトラブルにも冷静に対応できるよう、仕組みを整えておくことが大切です。
クレジットカード決済を導入するには、まずカード会社や決済代行会社の審査を通過する必要があります。審査では、一定の売上実績を求められるケースがあり、開業間もない個人事業主は審査に落ちることも少なくありません。
また、業種・事業内容によってはリスクが高いと判断され、審査が厳しくなります。たとえば、以下の事業内容は審査に落ちやすい傾向があります。
事前に必要な書類や条件を確認し、準備を整えておくことが重要です。審査に落ちた場合の代替プランも検討しておくと、スムーズな導入につながります。
個人事業主がクレジットカード決済を導入する具体的な手順は以下のとおりです。
ここでは、決済代行会社を利用する場合の流れを解説します。
まずは必要書類を準備しましょう。業種によって必要種類は異なりますが、一般的には以下の書類が求められます。
書類に不備があると、審査に時間がかかったり再提出を求められたりするため、抜け漏れがないように準備しましょう。
次に、決済代行会社や使用する端末を選定します。決済代行会社を選ぶ際は以下の点を押さえましょう。
端末選びでは、スマホ決済やタッチ決済に対応したもの、操作性の高いタブレット型端末などを比較し、自社の運用スタイルに合うものを選びましょう。
必要書類と希望する決済代行会社が決まったら、申込み手続きを行い、審査を受けます。流れとしては、決済代行会社が用意した申込書に記入し提出。その後、書類に不備がなければ、決済代行会社が決済機関に審査を依頼します。
申し込みから審査結果まで1ヶ月以上かかる場合があるため、早めに申し込むのがおすすめです。また、開業間もない個人事業主や審査が厳しい業種の場合は、審査落ちする可能性があります。
審査通過の可能性を高めるために、次のような対策をとっておきましょう。
審査を通過したら、決済端末の設置やオンライン決済システムの設定に進みます。端末は業者が設置してくれることもありますが、自分で設定する場合はマニュアルに沿って作業しなければなりません。
また、スタッフがいる場合は、端末の使い方やトラブル時の対処方法などを共有しておくと安心です。決済テストを行って問題なく動作すれば本格的に運用していきましょう。
運用開始後は、売上確認や入金管理の方法を整理しておくことで、日々の業務負担を軽減できます。
決済サービス選びに迷った際は、以下のポイントを押さえておきましょう。
それぞれ解説していきます。
クレジットカード決済の導入費用は、サービスによって異なります。月額基本料や決済手数料率を各社比較して検討しましょう。
一般的な費用相場は以下のとおりです。
費用相場 | |
初期費用 | 無料~数十万円 |
月額費用 | 数千円~数万円 |
決済手数料率 | 3%前後 |
さらに、入金サイクルやその他の隠れコスト(オプションや端末メンテナンス費など)がないか事前に確認しておきましょう。
また、価格が安い=良いサービスというわけではありません。各社の料金体系を比較し、負担の少ないプランを選ぶことが大切です。
決済サービスによって対応しているカードブランドや決済手段が異なるため、事前の確認が欠かせません。また、最近ではクレジットカードだけでなく、電子マネーやQRコード決済の需要も高まっています。幅広い顧客ニーズに対応するためにも、複数の決済手段に対応したサービスを選ぶことが大切です。
クレジットカード決済を導入する方法は、「対面決済」と「オンライン決済」の2つに分かれます。
特徴 | 導入端末・サービス | |
対面決済 | 顧客が決済端末にクレジットカードを挿入・スワイプなどで即時に支払う方式 | ICカード対応のカードリーダーやターミナルを選ぶ |
オンライン決済 | 顧客がオンラインショップやアプリなどでクレジットカード情報を入力する方式 | ウェブ上で使える決済システム |
店舗での対面販売をメインとする場合は対面決済、オンラインショップを運営する場合はオンライン決済が適しています。また、最近ではモバイル決済やスマホ決済の需要も高まっているため、これらに対応しているかどうかも重要なチェックポイントです。
決済サービスのサポート体制は事前に確認しておきましょう。問い合わせ方法はメール・チャット・電話のどれに対応しているのか、対応時間は何時から何時までかなど、具体的な内容を把握することが大切です。
また、決済端末が故障した場合に備えて、代替機の貸出や修理対応の内容も確認しておくと安心です。あわせて、契約期間の縛りや中途解約の条件、プラン変更に必要な手続きなども事前に確認し、安心して利用できる環境を確保しましょう。
クレジット決済では、個人情報や金融情報を扱うため、セキュリティ対策が非常に重要です。不正アクセスやハッキングによって情報漏洩するリスクがあります。
そのため、以下のようなセキュリティ対策が整っている決済サービスを選ぶと安心です。
導入事業者の実績や利用者の口コミも選ぶうえでの判断材料になります。
クレジットカード決済端末や管理画面は、直感的で使いやすいものを選びましょう。操作が複雑だと、スタッフトレーニングに時間がかかったり業務効率の低下につながったりするからです。
また、売上管理や会計データのエクスポート機能があると管理が楽になり、会計業務がスムーズになります。将来的に多店舗展開やサービスの拡張を考えている場合は、柔軟に対応できる拡張性のあるサービスを選ぶと安心です。
クレジットカード決済を導入する場合は、POSレジとの連携がおすすめです。決済のスピードが上がるだけでなく、販売データを自動で記録・分析できるため、日々の管理作業がスムーズになります。また、API接続のしやすさやサポート体制も含めて確認しておくと安心です。
ここでは、クレジット(オンライン)決済について、よくある質問に答えていきます。
Q.入金サイクルを教えてください。
A.決済方法によって異なりますが、以下の入金サイクルがあります。
Q.申し込みから店舗で使用できるまではどれくらい期間がかかりますか?
A.申し込みから利用開始まで約2ヶ月程度です。決済サービスや業種によって異なります。
Q.インターネット環境は必須でしょうか?
A.はい、基本的にはインターネット環境が必要です。ポータブル型の端末を利用すれば、SIM通信での対応もできます。
Q.今使っているPOSレジとの連携は可能でしょうか?
使用中のPOSレジが対応していれば連携可能ですが、すべてのPOSレジが対応しているわけではありません。連携できない場合でも、決済端末を単独で使用することは可能です。
Q.トラブル時のサポートはありますか?
A.決済サービスによって異なりますが、メールや電話、チャットサポートなどがあります。
Q.個人(法人ではない)でも申し込みはできますか?
A.はい、個人事業主でも申し込み可能です。
クレジットカード決済の導入により、売上アップや顧客満足度の向上が期待できます。一方で、端末購入費用や手数料負担、入金サイクルの遅れなどのデメリットもあります。
導入前には、決済サービスの手数料率・初期費用・入金サイクル・対応ブランド・POSレジ連携の可否を比較し、自社にとって最適なプランを選ぶことが重要です。
まずは小規模で試験導入し、現場での負担や顧客の反応を見たうえで、本格的な導入を検討しましょう。
少しでも端末の導入費用を抑えたい場合は、CASHIER PAYMENTがおすすめです。端末購入費、月額費用0円で導入できます。POSレジも同時に導入したい方は、「POSレジ費用見積もりシミュレーション」も可能です。
今後進むキャッシュレス化に乗り遅れないために、個人事業主の方はぜひ導入を検討してみてください。