今回、モバイルPOSレジA920を導入いただいたのは、宮崎県都城市役所様。
「市民の利便性向上と、職員の業務負担軽減を両立させたい」
そう語るのは、デジタル統括課の鳥越様。
都城市様は、現在、市民課など市役所内の窓口や、公立保育所・公立幼稚園、さらには博物館施設など24箇所の窓口や施設にて、多様化するキャッシュレスニーズへの対応と効率的な業務運営の実現をするためにモバイルPOSレジA920を活用いただいております。
宮崎県都城市


宮崎県の南西部に位置する都城市は農業や畜産、農産加工業が盛んなまちです。
そんな市の特産品や取り組みについて、鳥越様にお話しいただきました。
「令和元年から5年連続で全国の市町村別農業産出額の全国1位を記録していて、自然が豊かな都城市は昔から農業や畜産、農産加工業を中心に栄えてきました。」
「中心である農業は、都城市の特徴である広大なシラス台地を活用して行われていて、栽培されたさつまいもや豊富な地下水を使った焼酎の生産も盛んです。全国一位の出荷額を誇る酒造メーカーが立地していることもあり、焼酎は市の名産品として、非常に有名ですね。」
「ふるさと納税の分野でも肉と焼酎をテーマにしておりまして、日本中から注目していただき、寄附金額では通算5回も日本一を達成しました。特に都城産宮崎牛や黒霧島をはじめとする焼酎類は、都城市を代表する人気の返礼品として皆様に選んでいただいています。」
豊かな恵みを活かした産業が盛んな都城市。近年はそうした産業に加え、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進にも積極的に力を入れているそうです。
「DXについては役所内における非効率的な業務を見直し、AIなどの先進技術を活用して、より効率的な働き方を実現することを目標とし、市民の皆さまをお待たせすることなく、満足いただけるような、サービスの提供を目指しています。」
「具体的には、民間の企業と連携して自治体向け生成AIのプラットフォームを開発したり、マイナンバーカードについても、制度開始当初から普及に取り組み、自治体別の普及率では全国トップクラスを維持しています。」
「こうした取り組みは市民の方々だけではなく多方面から高く評価いただいておりまして、『DXを通じて、社会やビジネスの課題を解決し、持続可能な成長とウェルビーイングを実現する取り組みを表彰するアワード』の日本DX大賞では、2年連続で大賞を受賞するなど、自治体としての先進的な取り組みを行っています。」
都城市では、子育て支援や移住促進策にも力を入れており、利便性の高い生活環境の整備を進めることで、「住めば住むほど好きになるまち」を目指したまちづくりを積極的に展開中されています。

決済の多様化と業務効率化を目指して

今回、DXを進める都城市ではモバイルPOSレジA920を新たに採用いただきました。
その背景にはどういった目的があったのでしょうか。
「もともと都城市では、レジスターを中心に会計業務を行ってきましたが、DX推進の一環としてキャッシュレス決済の導入に着手し、まずはQR決済を取り入れました。」
「しかし、実際の運用ではレシートの発行ができないことや、QR決済の際にお客様自身で金額を入力していただく必要がある点など、市民・職員の双方にとって使い勝手に課題がありました。クレジットカードや電子マネー決済がしたいという市民の皆さまのニーズが増えてきたことから、これらに対応した決済端末を探しておりました。」
「さらに、QR決済がレジシステムと連動していないため、決済ブランドごとに日計表や売上集計、入金確認作業をすべて手作業で行う必要があり、各窓口課の担当者に大きな負担がかかっていましたし、会計部門でも、複数の決済事業者に対する入金依頼や管理業務が煩雑になっていて、業務効率化を図るためには、決済と売上データの一元管理が必要だと痛感しました。」
「こうした背景を踏まえて、都城市が目指す市民サービス向上や職員の負担軽減・働きやすさの両立を実現するために、新たな決済端末とPOSシステムの導入に踏み切ることとなりました。」
CASHIERを選んだ理由
都城市がCASHIERのモバイルPOSレジを選んだ決め手は、決済端末のコンパクトさ、多様なキャッシュレス決済への対応力、そして何より会計処理の一元管理が可能になる点だったそうです。
「市役所の窓口で使用しますが、都城市の窓口はやや狭いので、設置スペースを圧迫せずに利用できるコンパクトな端末ながら、クレジットカード・電子マネー・QRなど幅広い決済手段を網羅できる製品を探していました。あわせて、端末上で利用できるPOSレジシステムが理想的だと考えていたところ、ご紹介いただいたのがCASHIERさんです。」
「多様な決済に対応できるという点に加えて、決済端末からレシートの発行が可能なことから、市民の皆さまの利便性を大きく向上できると判断しました。レシートが必要との声は結構多いのです。また、POSレジ機能があることで、従来は手作業で行っていた売上集計や日計表の作成、手数料管理といった業務が、すべてシステム上で完結できる点も大きな魅力でしたね。」
「複数の職員が日常的に使用することや公務員は異動が比較的短期であることを想定して、誰でも直感的に操作できる視覚的にわかりやすいUI設計であったことも重要なポイントです。こうした欲しい機能と要素が揃っていたことから、CASHIERさんの導入を決定いたしました。」
この事例で導入されている
機器

POSレジと決済端末が一体の
最新のモバイル型POSレジ
市民の満足と職員の働きやすさ、POS導入が生んだ好循環
キャッシュレス決済の拡充で、市民の利便性と安心感が向上

市民の満足度向上と、職員の負担軽減。導入される前に目的とされていた両方に効果が現れているそうです。
「CASHIERさんを導入してから、クレジットカード・電子マネー・主要なQR決済に対応できるようになり、決済の選択肢が大きく広がりました。 特に、従来はレシート発行ができなかったQR決済でも、CASHIERさんではレシートが発行が可能で、利用している市民の方からレシートが出るようになって良かったというお声をいただいております。」
「これまでのQR決済では、お客様に操作いただく項目が多く、入力ミスやカメラでの読み取りエラーといった“お客様起因の操作ミス”が頻発していましたが、現在は、POSレジでのスキャン方式が利用できるようになったことから、トラブルが大幅に減少し、窓口の混雑緩和にもつながっています。」
「決済手段の多様化などにより、4月・5月とキャッシュレス決済の利用者数は右肩上がりに増加しています。市民の皆さまが本当に求めていた支払い手段だったんだなと私たちも手応えを感じているところです。」
「現金での支払いが中心だった市内の公立保育所・幼稚園など7施設にも導入しまして、保育料などの支払いもキャッシュレスでスムーズに行えるようになりました。現金を持ち歩かずに済む利便性が評価されているだけでなく、スピードが速いことも子育て世代の方々から好評をいただいています。」
正確な表示と直感的な操作で、ミス防止と業務スピードの向上

窓口業務や会計業務でも、接客の効率化と正確性の向上と、現場でも確かな成果として現れているとのこと。窓口や会計のご担当者様からのフィードバックも鳥越様からお伺いいたしました。
「窓口担当のスタッフからは、精算時の操作画面の遷移が少なく、操作手順がシンプルで誰でも素早く対応できるといった声が寄せられており、これまで非効率だった業務の改善と、担当者一人ひとりの負担軽減が進んでいます。」
「加えて、登録した商品名が画面上にすべて表示される点も非常に便利だと聞いています。特に、証明書関連の書類は省略表記ができず、名前が類似しているものも多いので、一部しか表示されないと、どの書類なのか判断ができず、いちいち確認が必要になり、市民の方をお待たせする原因にもなりえますから。」
市役所の書類は類似しているものが多く、表示の正確さが求められます。以下のように、似た名称の書類が一部しか表示されないと、ご選択や確認の手間が増えるのは避けられません。

「POSレジ端末では、証明書関連の書類も画面上に名称が省略されずにフルで表示されるため、手続きのミスが減り、市民の方をお待たせする時間も短縮しました。結果として、1人の担当者が1日に対応できる件数も増加しています。」

決済・売上情報の一元管理で、煩雑だった月末業務が半分以下に

「従来のQR決済では、決済手数料の管理やブランドごとの入金処理、各課の売上振り分けなど、月末に処理が集中しがちな業務を手作業で行う必要がありました。デジタル統括課では、会計課とのすり合わせや各種申請のとりまとめなど、人的な負担が大きくのしかかっていたのが実情です。」
「CASHIERさんを導入したことで、こうした決済・売上情報がすべてシステム上で一元管理されるようになり、業務効率が大幅にアップしました。特に、複数社の決済処理や請求確認への対応時間が劇的に短縮されたことは、市役所全体の業務効率化において大きな成果と言えますね。これにより、従来はデジタル統括課が担っていた各課の売上データの照合や支払確認などの対応時間は従来の半分以下にまで短縮されました。」「今年度中には、アクセス権限の設定により各課ごとにメールが届き、各部署で管理できる体制を目指しています。
都城市が目指す訪れて、感じて、住みたくなるまち

鳥越様には、都城市の取り組みや市民への想いを語っていただきました。
「都城市は『住めば住むほど、都城。』をキャッチコピーに、移住定住促進にも力を入れています。 雄大な霧島連山のふもとに広がる美しい自然、全国一位の農産品、そして人の温かさ。 最近では中心市街地に図書館を整備するなど、子育て世代にも住みやすい街づくりを進めています。」
「 また『ミートツーリズム』という旅行支援を通じて、お肉を食べに都城へ来てみませんか?という地域発信型の観光施策も実施しています。 いきなり移住はハードルが高く感じられるかもしれませんが、まずは一度都城に足を運び、その魅力を体感していただけたら嬉しいです。 美味しいお肉と焼酎、そして進化する暮らしやすいまちで、皆さまのお越しをお待ちしております。」
「来て、知って、気に入ったら、ぜひ住んでみてください!」
住民にも来訪者にも開かれた行政運営を進める自然豊かな都城市。これからも我々CASHIERは、DX推進の一部である会計環境を整えるサポートを全力でさせていただきます。