飲食店の損益分岐点計算!固定費・変動費から知る赤字と黒字のボーダーライン 開業/店舗経営

飲食店の損益分岐点計算!固定費・変動費から知る赤字と黒字のボーダーライン

飲食店を開業・運営するうえで欠かせないのが、「自店はどれくらい売上を上げれば黒字になるのか」を把握することです。その答えとなるのが損益分岐点。固定費と変動費を正しく区分し、計算すれば、赤字と黒字のボーダーラインが明確になります。

数字に苦手意識がある方でもあなたの店の必要売上高が具体化し、開業計画や日々の判断にそのまま使える“道しるべ”が手に入ります。

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【今回のコラムをざっくりまとめると…】

本記事では、損益分岐点の基本、固定費・変動費の具体例、計算式、シミュレーションまでをステップで解説。さらに損益分岐点比率・安全余裕率を用いて経営の安定性を数値で把握する方法も紹介します。

目次
1 損益分岐点の基礎:定義・式・固定費と変動費 1.1 固定費と変動費の区分(飲食店の例) 1.2 変動費率の出し方と入力チェック(固定費 変動費 区分) 1.3 損益分岐点の計算:式と考え方 2 具体例でわかる:必要売上・必要客数の逆算(飲食店) 2.1 固定費100万円・変動費率43%の小型店の例 2.2 損益分岐点比率と安全余裕率の読み方 2.3 目標の落とし込み:客数×単価×回転の設計 3 損益分岐点を下げる3つの方法:固定費・変動費・売上設計 3.1 固定費の見直し(物件・通信・サブスク・減価償却) 3.2 変動費の最適化(FLコスト・仕入れ・歩留まり・手数料) 3.3 売上を上げる設計(セット化・MD・回転率・再来店) 4 よくある誤解と注意点 4.1 分類のブレと季節・時間帯の差 4.2 原価率だけでは危険:全体収益とキャッシュの視点 4.3 POSで効率的な運用を:月次→週次→日次の型 5 まとめ

損益分岐点の基礎:定義・式・固定費と変動費

損益分岐点は、店舗の売上=費用となり利益がゼロになる境界線です。ここを超えれば黒字、下回れば赤字となります。

実務ではまず費用を固定費変動費に分け、変動費率(変動費 ÷ 売上)を算出します。そして、以下の式で損益分岐点売上高を求めます。

損益分岐点売上高 = 固定費 ÷(1 − 変動費率)

この式の意味は、売上 ×(1 − 変動費率)=限界利益が固定費をちょうど回収できる点を導き出すものです限界利益率を高める(原価・手数料の最適化、メニューMIX調整)ほど必要な売上は下がります。

光熱費や人件費の一部の扱いは迷いやすいので、売上ゼロでも払うか?という基準で判定し、基本的に支払う分は固定費に、増減した分は変動費に分類すると運用でブレにくくなります。

具体例でわかる:必要売上・必要客数の逆算(飲食店)

理論だけでなく、実際に数字を当てはめると損益分岐点の重要性が一気に理解できます。ここでは、固定費・変動費率・客単価を設定して、必要売上や必要客数をステップごとに逆算してみましょう。

このシミュレーションを通じて「黒字ラインまであとどれくらい売上が必要なのか」「1日あたり何人の来客が必要なのか」が具体的に見えるようになります。

また、算出後は「安全余裕率」を見ることで、売上が落ちても赤字に転落しない余裕の範囲を把握できます。これらの数値は、開業計画や融資説明、日々の営業改善の指針として使える実践的な指標なので確認しておきましょう。

損益分岐点を下げる3つの方法:固定費・変動費・売上設計

 

損益分岐点売上高は固定費 ÷(1−変動費率)で決まります。よって、固定費を減らす/変動費率を下げる/売上を増やす の3つが基本方針になります。

実際に飲食店が行える改善アプローチを「固定費」「変動費」「売上設計」の3つの方法ごとに整理しましょう。

大切なのは方法を明確にし、店舗の実情に合わせて優先順位をつけることです。すべてを一度に変えようとするのではなく、費用対効果の大きい順に一歩ずつ進めてみてください。

よくある誤解と注意点

まとめ

損益分岐点は、経営者だけが知っておくべき数字ではありません。

シフト設計や原価管理を担うスタッフと共有し、「今月はこのラインを超えよう」「材料ロスを1%下げよう」といった現場レベルの行動目標に落とし込むことで、店舗全体が同じ方向に動けるようになります。

こうした“数字の共有”を支えるのが、CASHIER POSのような売上データ管理ツールです。

CASHIERでは、日・週・月単位での売上や時間帯別・商品別データを自動で可視化できるため、固定費や変動費の分析、損益分岐点の把握が格段にスムーズになります。

さらに、商品登録やメニューごとの売上推移を確認することで、「どの商品が利益を押し上げているのか」「どの時間帯に人員を集中すべきか」といった損益分岐点を下げるための具体策まで見えてきます。

数字を“現場の共通言語”にし、POSデータから日々の行動へ落とし込むこと。

それが、損益分岐点を超えるための最も確実で、継続可能な経営改善の第一歩です。

記事の投稿者PROFILE

CASHIER カスタマーサクセス

藤原 貴雄

2014年11月入社。前職はインテリア販売を経験し、接客/営業のスキルを磨く。
前職で培ったスキルをベースにPOSレンタルの営業や各地方の物販運営業務などを経験。
2021年CASHIER事業としてチーム変更し、
現在はカスタマーサクセスのリーダーとしてチームを纏める役割を担っている。

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