ビジネスシーンの変化によって、キャッシュレス決済の重要性が増しています。しかし、コスト面が負担になり、導入に踏み切れないという店舗も多いでしょう。
そこで今回は、キャッシュレス決済の導入に利用できる補助金の特徴や補助対象、金額などを解説します。
【今回のコラムをざっくりまとめると…】
この記事では、キャッシュレス決済導入に関する補助金制度について説明しています。補助金を活用することで、初期投資を軽減し、店舗の業務効率化や顧客満足度の向上が可能になります。申請手続きや条件についての詳細情報も提供されており、計画的な準備が成功の鍵となります。
2018年に策定された「キャッシュレス・ビジョン」により、日本のキャッシュレス決済率は増加傾向にあります。キャッシュレス・ビジョンとは、世界的なキャッシュレス化の動向を踏まえて、日本のキャッシュレス対応の具体的な方策を示したものです。
経済産業省の公表によると、日本のキャッシュレス決済比率は2023年に39.3%(約126.7兆円)に達し、前年の36.0%から増加しました。政府は2025年6月までに40%超を目標としており、現状のペースなら達成が視野に入っています。
将来的な日本のキャッシュレス比率の目標値は、世界最高水準の80%です。キャッシュレス決済の普及により、利便性向上や業務の効率化、売り上げ拡大などが期待されています。
参照:経済産業省|2023年のキャッシュレス決済比率を算出しました
参照:経済産業省|キャッシュレス決済について消費者に知っていただきたいこと2024年2月
まず、キャッシュレス決済導入にかかる費用として、初期費用・決済手数料・その他、運用にかかる料金を解説します。
キャッシュレス決済の導入費用の目安|低コストで利用できる種類は?
キャッシュレス決済端末の導入方法は?メリットや補助金も徹底解説
初期費用は導入するキャッシュレス決済の種類によって異なりますが、一般的には無料~5万円程度です。 基本的に、決済端末の設置が必要な場合にコストがかかります。そのため、QRコード決済のうち、ユーザーがスキャンする方式であれば無料です。
決済手数料は、お客様がキャッシュレス決済を利用した場合にかかるお金です。 手数料の相場は3~10%程度で、キャッシュレス決済の種類や契約内容などによって変動します。
その他に、運用にかかる料金相場を以下にまとめました。
キャッシュレス決済導入にかかる費用の詳細は、以下の記事をご覧ください。
IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者をターゲットとした、ITツールの導入にかかる経費を助成する制度です。 具体的には、ソフトウェアやハードウェア機器の購入費、クラウド利用料などが補助対象経費として挙げられます。
IT導入補助金には、「通常枠」「インボイス枠」「セキュリティ対策推進枠」の3つの種類があり、キャッシュレス決済導入に活用できる可能性があるのは、「インボイス枠(インボイス対応類型)」です。
なお、補助対象者には業種や資本金、従業員数などの点で制限が設けられているため、申請前に必ずホームページをご確認ください。
IT導入補助金を申請する場合、以下の流れで申請手順を行います。詳細な手順や申請書類は、ホームページでご確認ください。
補助金の申請を行う際の注意点は2つです。 まず、こちらの制度で導入・選択できるITツールや提供事業者は、あらかじめ登録されたものに限られています。市場で購入できるあらゆるものに適用できるわけではないため注意しましょう。
また、交付申請を行う際、その決定が出る前にITツールの契約などを行ってしまうと、補助金の交付を受けられなくなります。手続きは順を追って進めるように意識しておくと安心です。
小規模事業者持続化補助金とは、事業者が行う持続的な経営に資する取り組みを支援する制度です。 具体的には、業務効率化や販路開拓につながる機械装置費、広報費、ウェブサイト関連費などが対象経費として挙げられています。
キャッシュレス決済端末の導入にも利用できる可能性があります。 補助対象者は、小規模事業者もしくは要件を満たした特定非営利法人です。業種ごとに小規模事業者の基準が異なるため、事前にホームページで確認しておきましょう。
小規模事業者持続化補助金には、下記の5つの枠が用意されており、それぞれ補助金の上限が異なります。
参照:小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金を申請する場合、以下の流れで申請手順を行います。詳細な手順や申請書類は、ホームページでご確認ください。
また、申請までに経営計画書と補助事業計画書も用意する必要があります。
商工会議所の指導や助言も受けられるため、不明点がある場合は積極的に活用するのがおすすめです。
ものづくり補助金とは、中小企業や小規模事業者などが行う生産性向上につながる設備投資を支援する制度です。正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」で、飲食店や小売店、農家など幅広い事業者に利用されています。
キャッシュレス決済端末やキャッシュレス決済対応レジの導入にも活用できる可能性があります。
ものづくり補助金には、下記の5つの枠が用意されており、それぞれ補助金額や補助率が異なります。また、この他にも特例があるため、詳細は公式ホームページを確認してください。
ものづくり補助金を申請する場合、以下の流れで申請手順を行います。詳細な手順や申請書類は、ホームページでご確認ください。
申請書類に関は、ホームページに参考様式が用意されているため、ダウンロードして作成するとスムーズです。
各自治体で、キャッシュレス決済の導入費用の一部を支援しているケースがあります。市町村が独自で補助金制度を設けているため、内容や補助金額が異なる点は注意が必要です。
たとえば、東京都北区が実施している補助金制度では、北区内の中小企業や個人事業主がキャッシュレス決済端末を導入する費用の一部を補助しています。
補助の対象や条件は自治体によって異なるため、詳細は各自治体の窓口や公式サイトで確認してください。
参照:東京都北区新紙幣・キャッシュレス対応決済機器更新等支援事業補助金
ここでは、各自治体が実施する補助金の上限額を東京都北区と大阪府茨木市を例に紹介します。
【東京都北区新紙幣・キャッシュレス対応決済機器更新等支援事業補助金】
新紙幣のみ対応決済機器 | 新紙幣とキャッシュレス併用決済機器 | キャッシュレス決済端末機器 | |
補助率 | 2分の1 | 3分の2 | 10分の10 |
補助限度額 | 一台につき20万円 | 一台につき50万円 | 一台につき10万円 |
参照:東京都北区新紙幣・キャッシュレス対応決済機器更新等支援事業補助金
【JPQR導入促進給付金】
1店舗につき30,000円(複数の店舗または事業所を有する事業者はそれぞれの店舗について30,000円とする。1事業者の上限額は150,000円)
自治体の補助金を申請する場合は、以下の流れで行います。以下では、東京都北区新紙幣・キャッシュレス対応決済機器更新等支援事業補助金を例に流れを紹介します。
詳細な手順や申請書類は、各自治体のホームページでご確認ください。
訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業費補助金は、観光庁が実施する補助金制度です。訪日外国人患者受入機能強化のための整備にかかる経費の一部を補助します。
この制度は、訪日外国人旅行者が災害などの非常時にも、安全・安心に旅行できる環境を整備する目的があります。キャッシュレス決済環境の整備も、訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業費補助金の対象です。
ほかにも、スタッフの研修費用や無料公衆無線LAN環境の整備、多言語案内機能の整備などが含まれています。
訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業費補助金の補助率は以下のとおりです。
補助対象経費:2分の1以内
ただし、「災害時等における観光危機管理の強化」は、補助対象経費の2分の1以内かつ上限は500万円です。
参照:国土交通省 観光庁
業務改善助成金は、中小企業や小規模事業者が実施する、生産性向上に関する取り組みを支援する助成金制度です。
厚生労働省が管轄しており、単に設備投資を行うだけでなく、事業所内の最低賃金の引き上げが支給の要件となっているのが特徴です。
設備投資の例としてPOSシステムが挙げられており、同時に導入することで生産性向上に役立つキャッシュレス決済機器も補助対象となる可能性があります。
業務改善助成金の通常コースにおける助成上限額は、引き上げる賃金の額と労働者数によって異なります。
また助成率は、申請を行う事業場の引き上げ前の事業場内最低賃金によって、以下のように変わります。
※()内は生産性要件に該当した場合
業務改善助成金を申請する場合、以下の流れで申請手順を行います。
詳細な手順や申請書類は、ホームページでご確認ください。
申請書類に関は、ホームページに参考様式が用意されているため、ダウンロードして作成するとスムーズです。
キャッシュレス決済の補助金を申請する際は、以下の注意点を押さえておきましょう。
補助金を受け取るためには、審査を通る必要があります。補助金は法人税をもとにした公的な予算で実施されるため、厳しい審査が行われるのです。 審査では、以下の点をチェックされます。
これらを満たしていなければ、不採択になる可能性が高いです。補助金の申請が難しい場合は、「行政書士」や「中小企業診断士」「民間のコンサルタント」などに代行してもらうのもおすすめです。
補助金は、交付決定後すぐに振り込まれるわけではなく、申請から入金まで時間がかかります。補助金や助成金は、申請後に事業計画を実施、成果報告をしたうえで支給されるため、2ヶ月以上かかるケースがほとんどです。
たとえば、IT導入補助金の場合であれば、交付決定後から約4か月〜7か月で入金されます。補助金の入金が遅延する場合は、原因の多くが書類の不備です。専門家によるサポートなどを受けることで、書類の質を高められます。
ただし、公募要領にて申請者自身が書類作成を行うことを定めている補助金もあるため、あらかじめ確認は必要です。
補助金には、対象となる事業者や設備の条件が細かく定められており、条件を満たさなければいけません。たとえば、業務改善助成金の場合は、単なる設備投資だけでなく、事業所内の最低賃金の引き上げも条件です。
そのため、「確認不足で申請できなかった」とならないように注意しましょう。自社が対象かどうかを判断できない場合は、商工会議所などに相談するとよいです。自社で活用できる補助金や助成金の案内や、申請に必要な事業計画書の支援を行ってくれます。
店舗へのキャッシュレス決済の導入には、各種補助金を利用できる可能性があります。 数ある制度のなかで自社に適したものを選定し、有効活用することでキャッシュレス決済導入の負担を抑えましょう。
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