ビジネスシーンの変化によって、キャッシュレス決済の重要性が増しています。しかし、コスト面が負担になり、導入に踏み切れないという店舗も多いでしょう。
そこで今回は、キャッシュレス決済の導入に利用できる補助金の特徴や補助対象、金額などを解説します。
【今回のコラムをざっくりまとめると…】
この記事では、キャッシュレス決済導入に関する補助金制度について説明しています。補助金を活用することで、初期投資を軽減し、店舗の業務効率化や顧客満足度の向上が可能になります。申請手続きや条件についての詳細情報も提供されており、計画的な準備が成功の鍵となります。
まず、キャッシュレス決済導入にかかる費用として、初期費用・決済手数料・その他、運用にかかる料金を解説します。
初期費用は導入するキャッシュレス決済の種類によって異なりますが、一般的には無料~5万円程度です。 基本的に、決済端末の設置が必要な場合にコストがかかります。そのため、QRコード決済のうち、ユーザーがスキャンする方式であれば無料です。
決済手数料は、お客様がキャッシュレス決済を利用した場合にかかるお金です。 手数料の相場は3~10%程度で、キャッシュレス決済の種類や契約内容などによって変動します。
その他に、運用にかかる料金相場を以下にまとめました。
キャッシュレス決済導入にかかる費用の詳細は、以下の記事をご覧ください。 関連記事:キャッシュレス決済の導入費用の目安|低コストで利用できる種類は?
IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者をターゲットとした、ITツールの導入にかかる経費を助成する制度です。 具体的には、ソフトウェアやハードウェア機器の購入費、クラウド利用料などが補助対象経費として挙げられます。 IT導入補助金には、「通常枠」「インボイス枠」「セキュリティ対策推進枠」の3つの種類があり、キャッシュレス決済導入に活用できる可能性があるのは、「インボイス枠(インボイス対応類型)」です。 なお、補助対象者には業種や資本金、従業員数などの点で制限が設けられているため、申請前に必ずホームページをご確認ください。
IT導入補助金を申請する場合、以下の流れで申請手順を行います。詳細な手順や申請書類は、ホームページでご確認ください。
補助金の申請を行う際の注意点は2つです。 まず、こちらの制度で導入・選択できるITツールや提供事業者は、あらかじめ登録されたものに限られています。市場で購入できるあらゆるものに適用できるわけではないため注意しましょう。 また、交付申請を行う際、その決定が出る前にITツールの契約などを行ってしまうと、補助金の交付を受けられなくなります。手続きは順を追って進めるように意識しておくと安心です。
小規模事業者持続化補助金とは、事業者が行う持続的な経営に資する取り組みを支援する制度です。 具体的には、業務効率化や販路開拓につながる機械装置費、広報費、ウェブサイト関連費などが対象経費として挙げられています。キャッシュレス決済端末の導入にも利用できる可能性があります。 補助対象者は、小規模事業者もしくは要件を満たした特定非営利法人です。業種ごとに小規模事業者の基準が異なるため、事前にホームページで確認しておきましょう。
小規模事業者持続化補助金には、下記の5つの枠が用意されており、それぞれ補助金の上限が異なります。
参照:小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金を申請する場合、以下の流れで申請手順を行います。詳細な手順や申請書類は、ホームページでご確認ください。
また、申請までに経営計画書と補助事業計画書も用意する必要があります。 商工会議所の指導や助言も受けられるため、不明点がある場合は積極的に活用するのがおすすめです。
ものづくり補助金とは、中小企業や小規模事業者などが行う生産性向上につながる設備投資を支援する制度です。正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」で、飲食店や小売店、農家など幅広い事業者に利用されています。 キャッシュレス決済端末やキャッシュレス決済対応レジの導入にも活用できる可能性があります。
ものづくり補助金には、下記の5つの枠が用意されており、それぞれ補助金額や補助率が異なります。また、この他にも特例があるため、詳細は公式ホームページを確認してください。
ものづくり補助金を申請する場合、以下の流れで申請手順を行います。詳細な手順や申請書類は、ホームページでご確認ください。
申請書類に関は、ホームページに参考様式が用意されているため、ダウンロードして作成するとスムーズです。
業務改善助成金は、中小企業や小規模事業者が実施する、生産性向上に関する取り組みを支援する助成金制度です。厚生労働省が管轄しており、単に設備投資を行うだけでなく、事業所内の最低賃金の引き上げが支給の要件となっているのが特徴です。 設備投資の例としてPOSシステムが挙げられており、同時に導入することで生産性向上に役立つキャッシュレス決済機器も補助対象となる可能性があります。
業務改善助成金の通常コースにおける助成上限額は、引き上げる賃金の額と労働者数によって異なります。
また助成率は、申請を行う事業場の引き上げ前の事業場内最低賃金によって、以下のように変わります。
※()内は生産性要件に該当した場合
業務改善助成金を申請する場合、以下の流れで申請手順を行います。詳細な手順や申請書類は、ホームページでご確認ください。
申請書類に関は、ホームページに参考様式が用意されているため、ダウンロードして作成するとスムーズです。
店舗へのキャッシュレス決済の導入には、各種補助金を利用できる可能性があります。 数ある制度のなかで自社に適したものを選定し、有効活用することでキャッシュレス決済導入の負担を抑えましょう。
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