免税レジとは?導入のメリットから選び方のポイントまで解説!

免税レジとは?導入のメリットから選び方のポイントまで解説!

免税レジとは、外国人旅行者向けの免税手続きをスムーズに行える機能を備えたレジのことです。従来の手書きによる免税処理では、入力や計算の手間がかかり、ミスや待ち時間の増加が課題でした。

しかし免税対応POSレジなら、パスポート情報の自動読み取りや免税額の自動計算、必要書類の作成を簡単にできます。今後日本を訪れる外国人観光客によるインバウンド需要の高まりは拡大していくと予想されるため、免税システムの導入は必須です。

本記事では、免税レジの概要や導入メリット、選び方のポイントを解説します。

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【今回のコラムをざっくりまとめると…】

免税対応POSレジは、従来の手書き処理で発生していた入力ミスや待ち時間を解消するシステムです。パスポート情報の自動読み取りや免税額の自動計算などの機能により、スタッフの負担を軽減します。インバウンド需要の拡大に備え、正確でスムーズな免税対応を行いたい方はぜひ参考にしてください。

目次
1 免税レジとは?
1.1 そもそも免税制度とは? 1.2 2025年から2026年にかけて予定されている免税制度の変更 1.3 POSレジとは 1.4 免税対応のPOSレジとは 2 免税対応POSレジは何ができる? 2.1 多言語対応
2.2 パスポートの読み取り
2.3 自動的な税抜計算と免税適用
2.4 購買データの保存及び送信の自動化
3 免税対応POSレジを導入するメリット 3.1 外国人観光客への集客力が向上 3.2 業務効率の向上 4 免税対応レジの選び方のポイント 4.1 新免税制度への対応 4.2 対応言語 4.3 スムーズな操作性 4.4 サポート体制が充実しているか 5 まとめ

免税レジとは?

免税レジとは、外国人旅行者などの非居住者に対して行う免税販売の手続きを効率化できるレジのことです。従来は紙の書類に手書きで記入し、免税対象者の情報や購入品を管理していました。

現在は電子化が義務化され、免税レジを利用することでパスポート情報の読み取りから免税額の自動計算、必要書類の作成などをスムーズに行えます。

免税レジについて理解するには、まず免税制度そのものを正しく把握しておくことが重要です。ここでは、免税制度の仕組みや直近の制度改正について解説していきます。

そもそも免税制度とは?

免税制度とは、日本に住んでいない外国人旅行者に対象となる商品を販売する際に、消費税を免除して販売できる制度です。

免税制度の対象物品には、以下が挙げられます。

分類

該当する物品例

一般物品12

・家電製品

・服、着物

・時計、宝飾品

・民芸品

・カバン

消耗品1345

・食品類

・飲料類

・薬品類

・化粧品類

※1 免税購入した物品を国外に持出す必要がある

※2 同一店舗における1日の購入額(税抜)が5000円以上の購入が対象

※3 同一店舗における1日の購入額(税抜)が、5千円以上、50万円以下の購入が対象

※4 消耗品に関しては、指定された方法により包装(袋や段ボール)した上でのお渡し*国内で開封してはいけません

※5 国内で消費もしくは包装を開封されると、出国時に、免税された消費税を徴収される場合がある

出典:国土交通省|免税購入に関する情報はこちら(旅行者向け)

免税制度のおかげで外国人旅行者はお得に買い物ができ、日本の観光業や小売業の活性化にもつながっています。以前は、免税手続きを手書きの書類で行う必要がありましたが、現在は電子化が進み、システムを使って簡単に処理できるようになりました。

さらに20234月には、手続きの簡素化や個人情報確認方法の見直しが行われ、店舗と旅行者双方にとって利便性が大きく向上しています。

2025年から2026年にかけて予定されている免税制度の変更

2025年から2026年にかけて、免税制度は大幅に改正されます。最大の変更点は「購入時免税方式」から「リファンド方式」への移行です。

 

購入時免税(ダイレクトタックスフリー)

リファンド方式(ポストリファンド)

税金の支払い

購入時に消費税を免除

購入時に一旦消費税を支払う

免税適用のタイミング

会計時に免税適用

出国時に物品確認後、消費税を還付

現行では購入時に消費税を免除していました。2026年11月のリファンド方式からは、外国人旅行客が購入時に消費税を支払い、出国時に対象商品が持ち出されたことを確認したうえで還付を受ける仕組みに変わります。

これは、免税制度を悪用して免税で購入した商品を転売するなどの不正行為が頻発したためです。

また、2025年4月から2026年11月1日にかけて以下の措置が適用されます。

  • 消耗品について特殊包装(封印付き半透明袋など)が廃止され、免税店の事務負担が軽減
  • 消耗品について上限額の撤廃(上限額50万円)され、免税店の事務負担が軽減
  • 現状、販売店が免税対象品か判断する必要があったが、今後はその判断が不要となり、税務リスクが軽減される
  • 現状、免税品を海外へ直送する「別送」が可能であったが、今後は制度の対象外となる(2025年4月1日から廃止)

これらの変更は、制度の透明性を高めると同時に、不正利用を防ぎつつ円滑な免税対応を実現するための大きな転換点となります。

出典:国土交通省|令和7年度税制改正概要

POSレジとは

POSレジ(Point of Sale=販売管理時点)とは、商品情報をリアルタイムで記録・集計できるシステムを備えたレジのことです。従来のレジが「会計のみ」に特化していたのに対し、POSレジは「いつ・どの商品が・いくつ売れたのか」といった詳細な販売情報を管理できます。

販売データを活用することで、売れ筋商品の把握や在庫状況の確認が容易になり、効率的な発注や在庫管理にも役立ちます。また、収集した情報を分析することで、季節や曜日ごとの販売傾向をつかみ、キャンペーンや価格戦略などマーケティング施策に活かすことも可能です。

つまりPOSレジは、単なる会計ツールではなく、店舗経営を支える重要な基盤となるシステムといえます。

関連記事:POSレジのメリット・デメリットは?選び方や注意点を解説

免税対応のPOSレジとは

免税対応のPOSレジとは、通常のPOSレジに免税手続きをサポートする機能が搭載されたシステムのことです。免税対応のPOSレジ1台で、これまで時間がかかっていた免税処理を効率的に行えるようになります。

免税対応POSレジの主な機能は以下のとおりです。

  • 旅券情報読み取り機能
  • 販売商品情報の入力機能
  • 電子報告データの自動生成
  • 必要書類の自動作成

これらの機能により、専用カウンターを設けていない小規模店舗でも、POSレジ1台で免税対応が完結します。店舗スタッフの負担を軽減しつつ、外国人旅行者に快適な購買体験を提供できる点が大きなメリットといえるでしょう。

内部リンク設置可能:

2025法改正対応】免税システムの選び方を徹底解説|比較ポイントやおすすめ製品を紹介

免税対応POSレジは何ができる?

免税対応POSレジには、以下のような便利機能が搭載されています。

  • 多言語対応
  • パスポートの読み取り
  • 自動的な税抜計算と免税適用
  • 購買データの保存及び送信の自動化

それぞれ見ていきましょう。

多言語対応

免税対応POSレジは、日本語に加えて英語、中国語、韓国語など複数の言語に対応しているため、幅広い国籍の旅行者とスムーズにやり取りできます。従来のレジではスタッフの語学力に依存する部分が大きく、説明や免税手続きに時間がかかることも少なくありませんでした。

しかし、多言語対応機能を搭載したPOSレジであれば、表示や手続き画面が旅行者の母国語に切り替わるため、誤解やトラブルを防ぎやすくなります。さらに、スタッフ側も言語の壁を意識せずに案内できるため、業務負担が軽減され、接客に集中できるのが大きな利点です。

結果として、外国人観光客の満足度向上と効率的な運営にもつながるでしょう。

パスポートの読み取り

免税対応POSレジには、パスポートに記載された旅券番号や氏名、生年月日などの情報を自動で読み取るスキャナー機能が搭載されています。従来の手入力方式では、入力ミスや漢字・アルファベットの表記揺れといった問題が頻発し、免税手続きに影響を及ぼしていました。

しかし免税対応POSレジの自動読み取り機能を活用すれば、正確なデータを瞬時に取り込めるため、入力ミスを防ぎ、手続き時間を大幅に短縮できます。外国人旅行者の待ち時間短縮にもつながり、快適なショッピング体験を提供できるようになるでしょう。

自動的な税抜計算と免税適用

免税対応POSレジは、免税手続きに必要な面倒な計算を自動で処理できるのが大きな特徴です。

通常、免税販売では「一般物品」と「消耗品」を区分した免税額の計算が必要となります。しかし、手作業では手間がかかり、ミスも起きやすいです。

免税対応POSレジなら、一般物品と消耗品の区分や最低購入金額(合算5,000円以上)などの複雑な計算を自動で行います。さらに、手書きでの書類作成が不要となるため、計算間違いや記録漏れといったリスクを低減し、正確でスピーディーな免税処理を実現します。

購買データの保存及び送信の自動化

免税対応POSレジは、免税販売に関する購買データを自動でクラウドへ保存し、国税庁のシステムへ送信する機能を備えています。これまでは、外国人観光客のパスポート情報をもとに「購入者誓約書」を作成し、サインをもらったうえで7年間の保存が義務付けられていました。

免税対応POSレジは、クラウド上に保存しておくだけでよいので、保存の手間や保管場所の確保の心配もありません。免税対応POSレジで作成した購買データは、自動で国税庁のシステムに送信されます。

特にインバウンド需要が増加する中、短時間で正確に免税処理を行える仕組みは、スタッフの負担軽減と顧客満足度向上の両方に効果的です。

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免税対応POSレジを導入するメリット

免税対応POSレジを導入するメリットは、「外国人観光客の集客力向上」や「業務効率の向上」が挙げられます。それぞれのメリットについて見ていきましょう。

外国人観光客への集客力が向上

免税対応POSレジを導入することで、外国人観光客に安心で快適なショッピング環境を提供できます。パスポートの自動読み取りや免税書類の自動作成などにより、長い待ち時間が発生せず、観光客はストレスなく買い物を楽しめます。

また、日本語以外に英語・中国語・韓国語など多言語に対応していれば、言葉の壁によるトラブルを防ぎ、スムーズな免税手続きの実現も可能です。結果として、顧客満足度を高めるだけでなく、再来店や口コミによる新規顧客の獲得にもつながるでしょう。

業務効率の向上

免税対応POSレジは、パスポート情報の自動読み取りや免税額の自動計算、免税書類の自動作成、購買データの自動送信などの便利機能を備えています。従来の手入力や紙ベースで行っていた業務が省略できるため、会計にかかる時間と手間を大幅に削減できる点はメリットです。

スタッフは複雑な免税処理に追われることなく、接客や販売など付加価値の高い業務に集中できるようになります。さらに、ヒューマンエラーが減ることで業務精度も向上し、顧客対応の質が安定するのもメリットといえるでしょう。

結果として、店舗全体のオペレーションが効率化され、少人数のスタッフでも多くのお客様に対応できる体制を整えられます。

免税対応レジの選び方のポイント

数ある免税対応レジの中から、自店舗に最適な1台を選ぶためには以下のポイントを押さえることが大切です。

  • 新免税制度への対応
  • 対応言語
  • スムーズな操作性
  • サポート体制が充実しているか

それぞれ解説します。

新免税制度への対応

免税対応レジを選ぶ際、重要なのは2025年から順次導入される免税制度に対応しているかどうかです。2026年11月から施行される「リファンド方式」への移行や、消耗品と一般物品の区分撤廃など、従来と大きく異なる仕組みが導入されるため、古いレジでは制度改正後に対応できなくなるリスクがあります。

今後は会計時に税込価格で販売し、空港などでの還付手続きに対応する仕組みが必須です。そのため、現在免税対応POSレジの導入を検討している場合は、最新制度に準拠しアップデート可能な機種を選ぶことが欠かせません。

対応言語

免税対応POSレジを選ぶ際は、対応可能な言語の種類も重要な比較ポイントです。外国人観光客の来店が増える中で、日本語以外の言語に対応していないと、手続きに時間がかかり顧客満足度を下げる原因になります。

たとえば、英語・中国語(繁体字/簡体字)・韓国語など自店舗に必要な言語に対応していれば、スムーズなやり取りが可能です。多言語対応が整っているPOSレジを導入することで、スタッフの負担を軽減し、快適な買い物体験を提供できるようになるでしょう。

スムーズな操作性

免税対応レジを選ぶ際には、誰でも迷わず操作できるシステムであることが重要です。特にタブレット型POSレジのように直感的な操作性を持つ機種であれば、スタッフが短時間で操作を習得できます。

免税手続きは通常の会計業務に比べて複雑さが伴うため、操作が分かりにくいと顧客を待たせてしまい不満につながりかねません。シンプルな画面構成を備えたPOSレジを導入すれば、スタッフは手続きに余計な時間を取られず、接客や販売業務に集中できるでしょう。

サポート体制が充実しているか

免税対応レジの導入では、システムの機能だけでなく、導入後のサポート体制も欠かせないポイントです。免税制度は頻繁に改正されるため、法改正への対応やトラブル時の迅速な支援が求められます。

特に観光シーズンなど外国人観光客が集中する時期は、システムトラブルが発生すると大きな機会損失につながります。年中無休のサポートセンターや迅速な修理・更新対応を備えたシステムを選ぶことが大切です。

初めて免税対応レジを導入する店舗は、操作トレーニングを実施しているメーカーを選ぶとスムーズに導入できます。

CASHIERでは充実したサポート体制を整えています。詳しくはこちらをご覧ください。

関連記事:CASHIERPOSレジによる店舗運営を徹底的にサポート

まとめ

免税対応POSレジは、インバウンド需要が拡大する現代の店舗運営において欠かせない存在です。従来のレジでは複雑だった免税手続きを、自動計算やパスポート読み取り機能によって正確かつスピーディーに行えるため、業務効率が向上します。

多言語対応により、外国人観光客に快適な購買体験を提供できる点も導入メリットです。免税対応POSレジを選ぶ際は、新免税制度への対応や対応言語、操作性、サポート体制の充実度を押さえて自店舗に合った製品を導入しましょう。

CASHIERのPOSレジなら業界最安水準で導入できる上、新免税制度に対応しています。免税対応レジを導入する際は、ぜひCASHIERのPOSレジを検討してみてください。

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記事の投稿者PROFILE

CASHIER カスタマーサクセス

田口 帆夏

2022年12月入社。前職は大手スーパーにて接客や店舗管理を経験。
接客以上にお客様に寄り添ったサービス提供を行いたく、カスタマーサクセスに転職。
持ち前の人柄の良さと丁寧な対応でチームにかかせない存在となっている。

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