店舗型ビジネスを運営する上で欠かせないのがPOSレジです。しかし、導入費用が高く、購入する際には慎重に検討したいのが本音でしょう。
そこで本記事では、これから新規店舗ビジネスを起業する経営者向けに無料で利用できるPOSレジの概要や機能、メリットについて解説。また、無料POSレジが向いている事業者の特徴について紹介します。
▶︎POSレジ導入のメリットと効果:店舗運営を効率化する最新トレンド
【今回のコラムをざっくりまとめると…】
この記事では、無料で利用できるPOSレジの特徴や選び方について解説しています。無料版は導入コストを抑えられる一方、機能制限がある場合も多いため、自店舗のニーズに合ったものを選ぶことが重要です。追加機能の有無やサポート体制も考慮し、効率的な運用を目指すことが推奨されています。
会計機能以外にも顧客管理や売上集計などができるシステムを備えたPOSレジですが、近年ではiPadなどのタブレット端末にアプリをインストールするだけで無料で活用できるものもあります。
POSレジアプリはタブレットで活用できる無料レジアプリで、サブスクリプションモデルで月額課金制が一般的。最低限の機能は無料プランで利用できるケースがほとんどです。
これまでのPOSレジはレジスターにシステムを搭載しているものが多かったのですが、今では手軽さや費用面でもタブレット端末にPOSレジアプリをインストールして使用する店舗が多くなってきています。
無料POSレジで使える主な機能を紹介します。ただし、すべての無料POSレジで以下の機能を使用できるわけではありませんので、契約前に使用可能な機能について担当者に確認してください。
レジ機能は、レジとして使用するための最も基本的な機能です。
商品・サービスの代金の支払い計算やバーコード読み取り、レシート印刷などを行う際に必要となります。
販売する商品・サービスをレジに登録し、管理する機能です。
商品をカテゴリごとに分けたり、商品リストを登録したりすることで、販売中の商品や売り切れ中の商品などを一目でわかるように設定できます。
売上金額を集計し、記録する機能です。
POSレジでは、当日の売上をリアルタイムで確認できます。客層別の売上を把握できることで、スピーディーなマーケティング施策の実行が可能になります。
売上を日付別・客層別・店舗別・カテゴリ別などの区分ごとに集計し、画面上で閲覧もしくはCSVデータとしてダウンロードできる機能です。
売上分析することで、長期・中期・短期的なマーケティング施策の計画立てに貢献します。
軽減税率機能とは、販売する商品・サービスによって消費税を切り替える機能です。
2019年以降、消費税率は8%と10%の二種類が混在しています。そのため、現状POSレジを選ぶに必須な機能といえるでしょう。
キャッシュレス連携機能とは、クレジットカードや電子マネー、QRコード決済などの支払い方法と連動できる機能です。
多くの企業が数多くのキャッシュレス決済端末に連携できるようにしており、消費者の利便性を高めるためには欠かせない機能といえるでしょう。
POSレジ導入の際には、当然初期費用やランニングコストを見て選ぶ人が多いですが、それぞれにどのような特長があるのかをしっかりと理解しておくことが重要です。
ここでは、無料POSレジのメリットについて解説します。
POSレジアプリの最大のメリットは、導入や運用にかかるコストが安いということです。アプリにはさまざまな種類がありますが、中には無料で導入できるものもあり、大幅なコスト削減につながります。
従来型の高額なレジスターを導入する必要がなく、タブレットとアプリさえあればPOSレジを導入可能です。タブレットがない場合でも、1万円〜購入できるため、初期導入費用はかなり抑えられます。
また、レジの周辺機器も店舗に必要なもののみを用意すれば良いので、無駄なコストが発生することはありません。
POSレジアプリは、タブレット端末にインストールして使用することが多いため、高い操作性を実現しています。タブレットは、普段使っているスマートフォンと同じような感覚で操作できるため、直感的な操作で誰でも簡単に使用できます。
従来型のレジスターは、操作ボタンや機能が多く使い慣れるのに時間がかかることが多いため、新人スタッフもすぐにレジ業務をすることが可能です。
タブレットを使用するため、自由に持ち運びができ場所を選ばず利用できるというメリットもあります。インターネット環境さえあれば利用できるため、イベントや出張販売などといった場面でも使えるようになります。
また、店舗外への持ち運びだけではなく、店内でも自由に移動可能です。例えば、お客様の席で会計すれば、レジスペースに追加席や待合席を作るなど、空間を有効活用できるようになります。
無料POSレジはコスト削減ができる一方で、デメリットもあります。導入前には、メリットだけではなくデメリットも理解したうえで判断しましょう。
ここでは、無料POSレジのデメリットについて解説します。
無料POSレジでは、レジ機能などの最低限の機能は無料で使用することができますが、レジ機能以外の機能を拡張する際には有料となります。
どこまでの機能を無料で使用できるかはアプリの種類によって異なりますが、たとえば商品の登録数の追加、PL管理、外部システムとの連携などを行いたい場合は追加費用がかかる場合がほとんどです。
機能拡張により予算を超えてしまうことがないように、POSレジの導入前にどのような機能が必要となるのかをしっかりと整理しておくことが重要です。
使用する店舗や用途によっては、周辺機器が必要となることもあります。周辺機器には、レシートプリンターやバーコードリーダーなどが挙げられます。これらの機器は別途購入する必要があるため、必要なものが多く高額な初期コストがかかってしまうことになりかねません。
必要な機能を事前に整理しておくのと同じように、どのような周辺機器が必要になるのかを確認しておきましょう。
POSレジアプリを活用したPOSレジの導入では、各機器を個別に用意しなければいけないため、手間がかかるというのもデメリットの一つとなるのです。
タブレット端末を使用したPOSレジは、インターネット環境がなければ使用できません。そのため、インターネット導入から始める場合は、ネット工事費や機器の購入、設備の設置に時間とコストがかかります。
また、電波障害や災害などの外的要因でインターネットが接続できなくなったときに、使用できなくなるというリスクもあります。
このような原因で、突然データが消えてしまう可能性もあることは把握しておきましょう。普段からバックアップを行ったり、別の場所にもデータを移しておいたりするなどの対策を行うことが重要です。
無料で使えるPOSレジは、導入コストがかからず手軽に始められる点が魅力ですが、利用できる機能にはどうしても制限があります。たとえば、以下のような機能は無料POSレジでは利用できないことが多いです。
それぞれの機能について解説します。
無料のPOSレジでは、基本的な在庫数の確認や販売数の反映程度しか対応できないことが多く、本格的な在庫管理はできません。
本格的な在庫管理とはたとえば、
といった発注・仕入・棚卸業務に直結する詳細な管理機能です。
本格的な在庫管理機能が使えなければ、人手による管理作業が増えてしまいます。そのため、飲食業や小売業にとっては、必須の機能といえるでしょう。
無料のPOSレジでは、多店舗展開している事業者にとって重要な「本部一元管理機能」が使えないことが多いです。有料のPOSレジであれば、全店舗の売上・在庫・スタッフの勤怠データなどをリアルタイムで集約し、経営判断に活かせる仕組みが整っています。
しかし、無料版では店舗ごとに別々の管理が必要になり、情報を取りまとめるためにExcelや手作業で集計しなければなりません。結果としてデータの更新が遅れたり、スタッフの負担が増えたりします。
複数店舗を運営する事業者にとっては、必須の機能といえるでしょう。
飲食店に特化したハンディ端末やモバイルオーダー機能、テーブルオーダー機能といった専門機能は、無料POSレジでは基本的に利用できません。
飲食店向けの専門機能 | 概要 |
ハンディ端末 | ホールスタッフが持ち歩く小型端末で、注文をその場で入力できる機能 |
モバイルオーダー機能 | お客様自身のスマホから注文できる機能 |
テーブルオーダー機能 | 各テーブルに設置された専用タブレットから、お客様が直接注文を入力できる機能 |
これらの機能がない場合、スタッフが直接注文を取って厨房に伝達する必要があり、繁忙時には注文漏れや提供の遅れが発生しやすくなります。一方、有料の飲食店向けPOSでは、注文情報が自動的にキッチンへ送信されるため、効率的かつ正確なオペレーションが可能です。
業務効率化や人件費削減を図りたい飲食店にとっては、有料の飲食店向け専門機能は必須といえるでしょう。
無料POSレジでは、顧客ごとの年齢層や性別、来店履歴、購入履歴といった情報を体系的に管理することは難しい場合が多いです。そのため「どの顧客がどんな商品を買いやすいのか」といった傾向を把握できず、リピーター獲得やターゲットに合わせた販売促進が難しくなります。
有料プランであれば、顧客情報を活用したポイント付与、会員ランク別のサービス提供などが可能です。無料版では基本的な会計処理の範囲にとどまるため、顧客データを活かしたマーケティング施策を展開したい事業者は有料プランが必須です。
無料POSレジは単体での利用を前提としているため、外部システムとの連携機能は使えません。有料プランであれば、以下のような外部システムとの連携が可能です。
外部システムとの連携ができなければ、毎回手作業で入力しなければならず、作業負担が大きくなるうえに入力ミスのリスクも増えます。より効率的に業務を進めたい店舗は、外部システムとの高度な連携機能が必要です。
無料プランではデータ保存期間が設けられていることが多く、古い売上情報や顧客履歴が自動で削除されてしまうケースがあります。そのため、長期的な売上推移を分析したり、前年同月との比較を行ったりすることが難しく、戦略的な経営に必要な情報が不足しがちです。
一方、有料プランでは売上や顧客データを無期限に保存できるため、長期的なマーケティング戦略や複数年にわたる事業計画の策定に活用できます。無料プランはあくまで「お試しプラン」として考え、本格的に運用する場合は有料プランへの加入を検討しましょう。
ここまで無料POSレジのメリットやデメリットについて解説してきましたが、具体的にはどのような店舗や事業者に向いているのでしょうか?
無料POSレジアプリは、使用する機能によってプランや料金が異なるため、必要な機能を整理した上で導入を検討する必要があります。
POSレジの導入を検討しているものの、「自店舗に本当に必要なのか」「機能性を確認してみたい」などお試ししたい場合に無料POSレジが適しています。
他の機能も導入する前提で無料POSレジを使用する場合には、どのようにプラン移行が可能なのかは事前に確認することがおすすめです。移行もスムーズに対応してもらえる会社を選べれば、時間や手間を抑えられるでしょう。
単純に会計業務と売上の集計ができれば良い事業者は、初期導入費用の安いタブレットを使用した無料POSレジがおすすめです。
すでに顧客管理システムや在庫管理システムなどがある場合には、POSレジの使用に慣れるために最低限のレジ機能でスタートすることも考えられます。ただし、POSレジの種類によっては、既存のシステムと連携させられるものもあるため、一度POSレジ提供メーカーに相談してみると良いでしょう。
会計業務は実際にお客様のお会計を行なう以外にも、毎日の売上集計などの業務があり意外と時間のかかるものです。
特に小規模な飲食店であれば従業員も少ないため、接客やメニュー開発などの売上につながる業務以外の業務を効率的に行なうことが求められます。そのため、会計業務の手間が省けるPOSレジを活用するべきです。
また、小規模な飲食店では十分な資金が用意できない場合もあるため、最初は無料POSレジの導入がおすすめです。事業規模が大きくなってきたタイミングで、さらにビジネスを拡大していくためのマーケティングに役立つ機能を拡張していくと良いでしょう。
それでは、最後に無料POSレジを選ぶ際のポイントを解説します。失敗しないように、以下の点も確認しましょう。
多くのPOSレジ提供メーカーが「無料」を謳って商品を展開していますが、メーカーによって無料の意味が異なります。
例えば、初期費用無料や月額利用料無料などが挙げられます。期間限定や機能制限があることが一般的であるため、各種条件と併せて確認しましょう。
利用できる機能は無料POSレジにより異なります。そのため、店舗運営に必要な機能があるかどうかを確認しましょう。
無料POSレジはもちろんコストを考えると魅力的ですが、「店舗運営をスムーズにできる」「自店舗の売上向上に役立てたい」といった希望がある場合には、有料プランに移行することがおすすめです。
有料プランであれば、経営戦略を立てる際に貢献できる機能を使用できるようになります。
初期設定や運用時のサポート体制を確認しましょう。電話やメールによるサポートがあれば、トラブルが発生した際にも安心して対応できます。
保守・メンテナンスにかかる費用が別途必要になることもあります。どこまでがプランに含まれているのかについて、事前に担当者に確認してください。
ここでは代表的な無料POSレジを取り上げ、それぞれ無料・有料で「できること」を比較できるようにまとめました。自店舗の規模や業種、将来的な店舗拡大を考える際の参考にしてください。
製品名 | 無料プランの有無 | 無料プランでできること | 有料プランでできること |
CASHIER | あり (スタータープラン) | 【基本的なレジ・売上管理】 ・会計(レジ)機能 ・基本的な売上データの管理・分析 ・基本的な商品管理 | 【高度な店舗運営・効率化】 ・本格的な在庫管理(発注・仕入・棚卸) ・本部管理機能 ・飲食店向けの専門機能(ハンディ、テーブルオーダーなど) ・ECサイト機能 ・顧客管理(ポイント付与など) ・会員システム連携 ・会計ソフトとの連携 |
Square | あり (フリープラン) | 【充実した基本機能】 ・基本的なPOSレジ機能 ・細かいデータ分析 ・請求書の発行 ・基本的なスタッフ管理 ・連携サービス | 【より専門的な業種特化機能】 ・飲食店向けの高度な機能(テーブル管理、コース管理等) ・小売店向けの高度な在庫管理や売上レポート ・予約管理機能との高度な連携 ※これらは「SquareレストランPOSレジ」「SquareリテールPOSレジ」「Square 予約」といった有料プランで提供 |
スマレジ | あり (スタンダードプラン) | 【基本的なレジ・店舗管理】 ・基本的なレジ機能 ・売上分析 ・在庫調整 | 【高度な店舗運営・分析】 ・詳細な顧客管理(ポイント管理、DM配信等) ・飲食店向け機能(ハンディ連携、テーブル管理) ・小売・アパレル向けの機能(高度な在庫管理) ・複数店舗の一元管理 ・外部システム連携 |
Airレジ | あり | 【基本的なレジ・売上管理】 ・注文入力・会計の機能 ・商品管理 ・顧客管理 ・売上分析 ・席管理・予約管理 ・Airペイとの決済連携 | 【飲食店・小売店の専門機能】 ・飲食店向けのオーダーシステム(ハンディ機能、モバイルオーダーなど) ・順番待ち管理システム(Airウェイト連携) ・予約管理システム(Airリザーブ連携) ※これらはAirレジ単体ではなく、関連する有料サービスとの連携が必要 |
POSレジは、売上や顧客情報などあらゆるデータを管理できるため、店舗や企業の成長には欠かせないものです。
費用面で導入をためらっている企業は、無料で使えるPOSレジアプリを試してみてはいかがでしょうか。
無料の範囲内で賄えない機能がある場合には、用途はもちろん比較的安価に導入できるPOSレジの導入を検討してみましょう。
▶︎POSレジ導入のメリットと効果:店舗運営を効率化する最新トレンド