店舗の会計業務には、釣り銭の渡し間違いなどの人的ミスや手間のかかるレジ締め業務があるなど、さまざまな課題があります。
しかし、自動釣銭機を活用することでこれらの課題を解決できるでしょう。会計業務の課題を解決してよりスムーズな会計業務を行うためにも、業務効率を大幅に向上させられるPOSレジと合わせて自動釣銭機を使うことがおすすめです。
そこで本記事では、POSレジに自動釣銭機をつけるメリットや運用方法、価格相場について解説します。
【今回のコラムをざっくりまとめると…】
この記事では、自動釣銭機付きPOSレジの利点について解説しています。釣銭の自動化により、会計ミスを防ぎ、スタッフの負担を軽減します。特に繁忙時の効率化に効果的で、現金管理も簡単になります。導入コストを考慮しつつ、業務改善の効果を最大化する選定が重要です。
自動釣銭機とは、お金を投入すると自動的にお釣りを計算し、釣銭を払い戻す機械のことです。
導入することで、会計の際にスタッフが金額を入力・計算する必要がなくなるため、スムーズな会計が実現します。そのため、業務効率化や人材不足対策、顧客の会計時の待ち時間の低減などのメリットが期待できるでしょう。
また、新型コロナウイルスの流行により、感染拡大防止を目的とした非接触型の接客へのニーズへの対応も可能です。
結論からいうと、POSレジに自動釣銭機は必要です。 セットで導入しなくてももちろん利用できますが、以下のような目的でPOSレジを導入する場合には、セットでの導入がおすすめです。
POSレジに自動釣銭機をつける詳しいメリットは、のちほど紹介します。最後までご覧いただき、導入を検討する際の参考にしてください。
自動釣銭機付きのPOSレジには主に3つの種類があります。導入を検討している方は、それぞれの特徴や違いを理解したうえで、自店舗に合った機械を導入しましょう。
POSレジとは、「Point Of Sales(販売時点情報管理)」の頭文字を取ったレジのことです。商品をバーコードで読み取るだけで、商品情報や顧客情報などをリアルタイムで収集・蓄積できます。
「POSレジ+自動釣銭機」での運用は、両者を連携させることが必要です。この場合には、会計処理のすべてをスタッフが行います。通常レジと同様の運用にはなりますが、入力や釣銭の取り出しが自動化されるため、ミスの低減や会計時間の短縮につながります。
人手不足への対策よりも、マーケティング施策への活用や業務効率化を目指したい場合には、この運用方法が適しているでしょう。
セミセルフレジとは、店舗スタッフが商品の情報をレジに登録し、顧客が自動精算機で精算するタイプのレジです。セミセルフレジは、以下の2つにわかれます。
バーコード読み取りをスタッフが行い、決済は顧客が行います。年齢確認やお客様への声がけをすぐに行えるため、サポートが必要な業種においておすすめです。
バーコードリーダーやQRコードリーダーに、顧客自身がQRコードやバーコードをかざして決済を行うシステムです。 この場合、モバイルオーダーもあわせて導入することにより、各テーブルから顧客が好きなタイミングで注文を実施できるため、さらに人手不足や業務効率化が期待できます。
モバイルオーダーの詳細は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:モバイルオーダーとは?導入メリットや注意点、導入事例を徹底解説
セミセルフレジの詳細は以下の記事をご覧ください。
関連記事:セミセルフレジとは?メリットやデメリット、利用できる補助金を解説
フルセルフレジは、商品バーコードの読み取りからレジ精算、支払いまですべての会計作業を顧客自身が行うタイプのレジです。
顧客自身がすべての決済作業を行うため、顧客の利便性を向上させるように工夫することが求められます。導入前に、設置スペースは十分に確保できるか、自社の取り扱う商品や顧客層に適しているか確認しましょう。
また、ユニクロやGUなどでは、顧客の利便性を損ねないようにRFIDタグ利用のフルセルフレジが導入されています。商品の入った買い物かごを指定の小型アンテナに格納することで、無線通信により商品情報が自動認識されるため、誰でも簡単に決済できる仕組みといえるでしょう。
フルセルフレジの詳細は以下の記事をご覧ください。
関連記事:セルフレジとは?導入すべき業種やメリット・デメリット、注意点を徹底解説
ここでは、POSレジに自動釣銭機をつけるメリットを詳しく解説します。
自動釣銭機を導入することで、会計がスムーズになるというメリットがあります。請求額が確定した後の業務を機械がすべて自動で行うため、会計にかかる時間の短縮につながります。
店舗スタッフにとって、会計業務は顧客とお金のやりとりをするため、特にミスが許されない負担の大きい業務です。現金の数え間違えや計算間違いがなくなることから、機械による自動計算は店舗スタッフの心理的な負担も低減につながります。
また、会計業務に慣れていない新人スタッフでもスムーズな会計が可能となるため、現場教育における手間や時間も効率化できるでしょう。
顧客にとっても、スムーズな会計はレジに並ぶ時間が短縮されるため、顧客満足度の向上につながります。
このように、自動釣銭機の導入により会計がスムーズになることで、店舗・顧客のどちらの立場においても、良い影響を享受できるでしょう。
レジの会計業務では、現金の受け渡しミスが発生するものです。特にレジに列ができている忙しいタイミングでは、ミスが発生する可能性は高まるでしょう。
しかし、自動釣銭機では機械が計算してくれるため、人的ミスの防止につながります。受け渡しミスが多いと店舗の売上にも影響するため、防止できればムダな支出をカットできます。
レジ業務には、会計業務以外にレジ締めや集計作業があります。レジ内にある現金をカウントし、1日の売上を集計するこの業務は時間と手間がかかるものです。 しかし、自動釣銭機には以下の機能がついているため、レジ締めや集計作業が不要です。
また、閉店時に翌日のつり銭を機械に残しておくことで、翌日の釣り銭準備作業がなくなるというメリットもあります。
会計ミスやシステムによるエラーが発生した際に、自動釣銭機を導入することで履歴をすぐに確認できます。
「いつ会計ミスやエラーが発生したのか」「誰が担当していたのか」などを明確にできるため、レジ担当者が交代の際に、より簡潔に引き継ぎできるでしょう。
自動釣銭機は通常のドロアーと違い、手動で現金を取り出すことができないため、セキュリティ対策を強化できるというメリットがあります。
また、金銭の授受履歴や操作ログが確認できるため、外部のセキュリティ対策だけではなく、内部不正の防止にもつながります。不正が生じた場合でも、セキュリティ機能が作動するため迅速な対応が可能となるのです。
スタッフと顧客が、現金を直接手渡しすることがなくなります。そのため、感染対策や衛生面の向上が期待できます。
特に新型コロナウイルスの感染の流行以降、現金の受け渡しに抵抗を感じる人も多くなっています。機械を使用した会計対応ができれば、衛生面の向上を顧客にアピールできるでしょう。
自動釣銭機本体を一括購入する場合には、価格相場は約30~100万円といわれています。ただし、自動釣銭機だけの価格となるため、POSレジシステムを追加する場合には、約100~150万円はかかります。
そこで、ここでは導入費用を抑える方法を紹介します。
補助金や助成金は、主に国や地方自治体が運営している返済不要な資金調達制度です。補助金は、受給要件を満たしたうえで審査に通過することで受給できる一方、助成金は受給要件を満たせば受給可能です。
さまざまな補助金や助成金があるため、店舗がある地方自治体のホームページを確認することがおすすめです。以下の3つの補助金や助成金は、POSレジや自動釣銭機の導入に活用できる代表的な制度です。
自動釣銭機に活用できる補助金や助成金の詳細は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:【2024】自動釣銭機・自動精算機導入に活用したい補助金・助成金6選!
POSレジ、自動釣銭機のどちらも、購入・レンタル・リースの3つの導入方法があります。以下に、それぞれの導入方法の特徴をまとめました。
それぞれの導入方法の特徴を確認したうえで、「自社にとって最もコストパフォーマンスが良い導入方法」を選びましょう。初期費用を抑えたい場合には、レンタルかリースを利用することがおすすめです。
様々なメーカーの自動釣銭機がありますが、機器の操作方法そのものに大きな違いはありません。ただし、運用方法によって操作の流れが変わってきます。
自動釣銭機には、「入金優先運用」と「釣銭優先運用」という2つの運用方法があります。入金優先運用とは、お客様から受け取った預かり金を自動釣銭機に入金し、機器が自動出金した釣銭をお客様にお渡しする運用方法です。スタッフが金額を入力する必要がなく、計算ミスなどを防げるのがメリットです。釣銭優先運用とは、お客様から受け取った預かり金をスタッフが計算し、機器に入力し、自動出金した釣銭をお客様にお渡しした後、預かり金を入金する運用方法です。スピーディーに釣銭をお渡しでき、お客様の待ち時間を短縮できるのがメリットです。
自動釣銭機は、以下の5つのステップで導入するのが一般的です。
・ステップ1:自動釣銭機の導入目的と予算を明確にする
・ステップ2:自動釣銭機の設置場所を確認する
・ステップ3:自動釣銭機のメーカー・機種を選定する
・ステップ4:自動釣銭機の初期設定、スタッフ教育を行う
・ステップ5:自動釣銭機の運用を開始する
各ステップについて詳しくご説明します。
まずは、自動釣銭機を導入する目的と予算を明確にします。導入目的としては、「人件費削減」「レジ業務の効率化」「顧客満足度の向上」などが考えられるでしょう。もちろん、すべてが目的になる場合もあると思いますが、最適な自動釣銭機を選ぶためには、どの目的を重視するかを明確にしておくことが大切です。
予算に関しては、初期費用とランニングコストを考える必要があります。初期費用は、主に自動釣銭機の本体価格です。新規開業する場合など、初期費用の負担を抑えたいときは、リース・レンタルも検討しましょう。ランニングコストは、自動釣銭機の保守・メンテナンス費用です。POSレジと連携する場合は、POSシステムの利用料やインターネット通信料も必要になります。
次に、自動釣銭機を設置するスペースを確保します。近年は小型の自動釣銭機も登場していますが、狭い通路などに無理に設置すると、店舗スタッフの動線が悪くなったり、作業効率が低下したりするおそれがあります。電源が必要になるため、コンセントとの位置関係も重要です。また、現金を取り扱う場所になるので、セキュリティ対策も考えなければいけません。たとえば、防犯カメラとの位置関係を考えたり、外部からアプローチしにくい設置場所を検討したりする必要があります。既存の店舗に導入する際は、レイアウトを変更しなければならないこともあるでしょう。
自動釣銭機を設置する場所が決まったら、寸法を測っておきましょう。その寸法を参考に、具体的な機種選びをすることになります。
複数のメーカー・機種を比較検討し、自店舗に合った自動釣銭機を選定します。ステップ1で明確にした目的を叶えられるもので、予算の範囲内に収まる機種に絞っていきましょう。当然のことですが、ステップ2で決めた設置場所に収まる機種を選ぶ必要があります。
実際に使ってみないと分からないことも多いため、事前にデモ機を使わせてもらったり、本格導入前にレンタルを利用したりすることも検討しましょう。また、サポート体制を確認することも大切です。格安の自動釣銭機は、サポートが不十分な場合もあります。自動釣銭機が故障すると店舗運営に大きな支障が出るため、故障時のサポート体制は非常に重要なポイントになります。
具体的に導入する機種が決まったら、実際に店舗に設置し、初期設定を行います。加えて、店舗スタッフに操作方法をレクチャーします。
自動釣銭機は文字どおり、釣銭の授受を自動化してくれる機器なので、それほど難しい操作はありません。ですが、釣銭が切れたときの補充や、レジ担当が交代するときの手順などは一度、確認しておく必要があります。また、商品券やクーポンの処理など、特殊な操作が必要になることもあるため、事前のトレーニングが不可欠です。セルフレジにする場合は、お客様が操作に困るケースも想定されます。トラブルを防止し、スムーズな運用ができるよう、お客様案内の方法も再確認しておきましょう。
初期設定やスタッフ教育が終わったら、自動釣銭機の運用をスタートします。運用を開始したら、当初の目的を達成できるかどうか、きちんとモニタリングしていきましょう。
たとえば、目的が「人件費削減」である場合は、自動釣り銭機を導入したことで「レジ締めの時間はどのくらい短縮できたか?」「釣銭が合わなかったときの再計算の時間はどのくらい短縮できたか?」「スタッフの残業時間はどのくらい削減できたか?」といった効果を測定します。期待していた効果を得られていない場合は、運用方法の見直しや、自動釣銭機の機種変更、あるいはオプション機能の追加などが必要になるかもしれません。
最後に、自動釣銭機を選ぶポイントを解説します。
絶対に忘れてはいけないポイントの一つに、新紙幣への対応が挙げられます。2024年7月に、新紙幣が約20年ぶりに発行される予定です。
対応していない機種を購入してしまうと、他の機器もあわせて導入する必要が出てきます。そのため自動釣銭機を導入する際は、新札に対応しているかどうかは必ず確認しましょう。
自動釣銭機にトラブルが発生し、使用できなくなってしまうと、会計・決済業務ができなくなり、店舗運営に大きな損害を与える可能性があります。
そのため、トラブルの発生を防止するためのメンテナンス・保守体制や、トラブル発生時にすぐ対応してもらえるようなサポート体制が整っているかどうかを確認しましょう。
また、無償のサポート内容と有償のサポート内容に分かれている提供メーカーが多くあります。どこまでが無償で、どこからが有償かについても、契約前に押さえておくことがおすすめです。
自動釣銭機を導入することで、現金管理の手間から解放され、レジ業務のスピードアップを実現できます。操作ミスや釣銭の間違いが減少し、スタッフの負担も軽減されます。加えて、正確な現金管理によって不正リスクを低減できるため、店舗の信頼性向上にもつながります。
CASHIER(キャッシャー)では、高性能の自動釣銭機をご提案しています。当社指定の自動釣銭機は「釣銭循環式」を採用しており、お客様が投入した現金がお釣りとして排出されるため、釣銭切れが非常に少ないのが特徴です。加えて、紙幣・硬貨が事前に設定した数になると自動釣銭機からアラートが出るので安心です。自動釣銭機とセルフレジを連動させれば、現金会計の対応が格段にスムーズになるでしょう。