
POSの基礎知識 近年、多くの飲食店でiPadレジの導入が進んでいます。その背景には、従来のレジ専用機に比べて導入コストが安く、見た目もスタイリッシュであるというメリットがあるためです。
しかし、特に売上が集中するランチタイムや週末のディナータイムに、iPadレジが突然フリーズしたり、周辺機器との接続が切れたりするトラブルに悩まされている店舗も少なくありません。
iPadはあくまで「民生機」であり、飲食店の過酷な利用環境に耐えられない潜在的なリスクが存在します。本記事では、このリスクを回避し、「安定稼働」を最優先したPOSレジ選びの基準を提示してまいります。
【今回のコラムをざっくりまとめると…】
「飲食店 iPad」で検索された経営者様へ。本記事は、人気のiPadレジ6選を徹底比較しつつ、繁忙店が陥るシステムダウンの「落とし穴」を専門家が指摘します。iPadのデメリットを避け、安定稼働を実現する「有線LAN接続対応」のPOSレジ選びの正解と、業務用Android POSの優位性を解説いたします。

iPadレジは、専用レジと比較して本体価格が安価であり、既存のiPadを流用できるため、初期導入ハードルが低いことが最大の魅力です。また、省スペース設計なので、カウンターの限られたスペースを有効活用できます。
スタッフの多くが普段からスマートフォンやiPadに慣れ親しんでいるため、iPadレジの操作は非常に直感的です。これにより、新しいスタッフへの操作説明にかかる教育コストをほぼゼロに抑え、即戦力化できるメリットがございます。
iPadレジはクラウド連携を前提としているため、オーナー様や店長様は、店舗にいなくてもスマートフォンなどでリアルタイムの売上確認が可能です。これにより、急な売上変動や人気メニューの分析を迅速に行え、経営判断のスピードアップにつながります。

iPadレジは便利ですが、特に売上が集中する繁忙店や厨房併設の店舗では、以下のような「民生機の限界」によるシステムダウンのリスクを抱えています。
iPadは家庭用のタブレット端末であり、厨房の熱気や長時間の連続稼働を想定した設計ではございません。そのため、特に夏季や調理場の近くで使用すると「高温注意」の警告が表示され、最悪の場合、突然シャットダウンする「熱暴走」のリスクがあります。このシステムダウンは、ピークタイムの会計停止を意味します。
iPadレジの周辺機器(レシートプリンター、キャッシュドロアなど)はBluetooth接続が主流です。しかし、飲食店内では電子レンジの使用時や、お客様のスマートフォンでWi-Fiが混雑している際に、これらのBluetooth接続が頻繁に切れやすくなります。結果、プリンターが動かない、会計データが飛ばされるなどのトラブルが発生しやすくなります。
Apple社のiOSがアップデートされた際、POSレジアプリがその新しいOSに対応できず、突然動かなくなるリスクがあります。飲食店側でOSアップデートを制御することが難しいため、予期せぬシステムダウンを引き起こす原因となり得ます。

特に売上が多く、システムダウンが許されない繁忙店ほど、Wi-FiやBluetoothといった無線通信に依存することは危険です。安定稼働を確保するためには、レジ本体とプリンターなどの周辺機器を有線LAN接続できるPOSレジを最優先すべきでございます。
iPadレジは本体価格が安いですが、選定時には本体代だけでなく、決済手数料、周辺機器(プリンター等)、そして5年間使い続けた場合の月額費用を含めた総額「トータルコスト」を見る必要があります。安いからと飛びつくのではなく、隠れたコストがないか透明性を確認することが大切です。
iPadの操作性の良さに魅力を感じる方は多いですが、iPadにこだわらず、「操作性はスマホと同じで、中身は業務用」であるAndroid POSも視野に入れるべきです。Android POSは、業務用ハードウェアを採用しているため熱暴走のリスクが低く、基幹システムとのカスタマイズ連携にも柔軟に対応できる拡張性を持っています。

ここでは、人気の飲食店iPadレジ6選に加え、iPadの弱点を克服した「プロ向け代替案」としてCASHIERをご紹介します。
サービス名 | 初期費用 | 月額費用 | 特徴 | 向いている店舗 |
CASHIER | 要見積 | 0円〜 | Android業務用機。熱に強く、有線接続で止まらない。自由なカスタマイズ。 | 中規模〜大規模、繁忙店、安定重視 |
Airレジ | 0円〜 | 0円 | 圧倒的シェア。シンプルで導入しやすい。 | 小規模、個人カフェ |
スマレジ | 0円〜 | 0円〜 | 機能拡張性が高い。アパレル・小売にも強い。 | 小売併設店、中規模 |
POS+ | 要問合 | 1.4万円〜 | 飲食店特化。多機能だがコストはやや高め。 | 多店舗展開、レストラン |
ユビレジ | 0円〜 | 6,900円〜 | iPadレジのパイオニア。継続率が高い。 | 小〜中規模飲食 |
Square | 0円〜 | 0円 | 決済端末一体型。デザイン性が高い。 | カフェ、イベント出店 |
CASHIERは、「iPadのように使いやすいが、iPadより止まらないレジが欲しい」という潜在ニーズに応えるPOSレジでございます。Android POSベースの専用ハードウェアを採用しているため、iPad特有の「熱暴走」「OS更新による不具合」といったシステムダウンリスクがありません。また、独自開発により基幹システム連携やハードウェアのカスタマイズが柔軟に行える拡張性の高さも強みです。
無料スタートが可能であり、圧倒的なシェアを誇っています。リクルート経済圏(Airペイなど)との連携が強みで、コストを抑えたい小規模の個人店に最適な選択肢です。
POSレジとして機能拡張性が高く、アプリマーケットによる機能拡張が可能です。飲食だけでなく、アパレルや小売にも強い多機能性を持つため、小売併設店など幅広い業態に対応できます。

実際にiPadレジのデメリットに直面し、より安定稼働するPOSレジに乗り換えた事例をご紹介します。
以前のiPadレジはBluetooth接続のプリンターが頻繁に切れ、ピークタイムにレジが止まってしまうという課題がありました。そこで、CASHIERのAndroid専用機に変更し、プリンターとレジ本体を有線LAN接続で実現いたしました。結果として、「止まらないレジ」が実現し、スタッフのストレスもゼロになったという事例です。
iPadアプリでは、既存の基幹システムとの連携ができず、売上データの二重入力の手間が発生していました。しかし、開発柔軟性の高いAndroid POSベースのCASHIERを採用したことで、在庫・売上データが自動連携され、本部業務が激減した成功事例もございます。