mPOS(モバイルPOS)は、スマートフォンやタブレットを使ってPOSレジの機能を利用できるレジです。低コストかつ省スペースで導入できるため、小規模店舗や移動販売など、さまざまなシーンで活躍しています。
しかし、mPOSにもさまざまな製品があり、どれが自店舗に合っているか判断が難しいところです。
本記事では、mPOSの仕組みや従来型POSとの違い、導入メリット・注意点・活用事例に加え、おすすめ製品まで解説します。店舗運営の効率化を図りたい方は、ぜひ参考にしてください。
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【今回のコラムをざっくりまとめると…】
この記事では、mPOSの基本から導入メリット、注意点、おすすめ製品まで解説しています。従来のPOSレジよりも低価格かつ省スペースで設置できるため、小規模店舗や個人経営でも導入可能です。POSレジの見直しやキャッシュレス対応を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
mPOS(エムポス)とは、スマートフォンやタブレット端末をPOSレジとして利用するレジのことです。POSは「Point of Sales(販売時点情報管理)」の略で、商品の販売時に売上情報を記録・管理できる仕組みを指します。
mPOSの「m」は「mobile(モバイル)」を意味し、スマホやタブレットといった端末にPOS機能を組み込める点が最大の特長です。店舗の業務効率化やキャッシュレス対応にも適しており、場所を選ばず柔軟に運用できるレジとして注目されています。
mPOS | 従来POS | |
ハードウェア | タブレットやスマホ | 専用のPOS端末 |
導入費用 | 低価格(数万円~数十万円程度で導入可能) | 高額(100万円以上するケースもある) |
設置スペース | 場所を選ばず設置可能 | 設置スペースが必要 |
操作性 | タッチ操作で直感的に使える | 高機能な分、操作ボタンが多く習得に時間がかかる |
機能性 | 店舗に合わせた機能をカスタマイズできる | 高機能かつ多機能 |
従来のPOSレジは、大型の専用機器を店舗に据え置く必要があり、価格も高い傾向があります。一方のmPOSは、スマートフォンやタブレットを利用することで、低価格かつ省スペースを実現できます。場所や業種を選ばず運用できるのが、従来のPOSレジとの大きな違いです。
近年のキャッシュレス化の普及に伴い、小規模事業者や個人経営の店舗でも多様な決済手段への対応が求められています。mPOSは初期費用が低価格で、直感的な操作が可能なことから、小規模事業者や個人経営の店舗でも導入されているレジなのです。
mPOSには以下のような導入メリットが期待できます。
それぞれ見ていきましょう。
mPOSは、専用のPOSレジ端末を新たに購入する必要がありません。スマートフォンやタブレット端末があれば、そのままレジとして活用できるため、初期費用を大幅に抑えられます。
仮に、スマートフォンやタブレット端末がない場合でも、導入費用は数万円程度。レジの設置工事や特殊な機器の準備も不要なので、コスト面でPOSレジを諦めていた事業者の方でも安心して導入を進められます。
mPOSは、スマートフォンやタブレットのタッチパネルで操作するため、直感的な画面構成とシンプルなデザインが特徴です。難しい操作や専門的な知識が不要で、アイコンを見れば直感的な操作が行えます。
そのため、新人スタッフへの教育時間を短縮でき、導入後すぐに運用できる点もメリットです。操作性の高さは入力ミスの軽減にもつながり、接客や会計の現場でスムーズな運用を実現できます。POSレジを使ったことがない人でも、mPOSなら簡単に使いこなせるでしょう。
省スペースで利用できる点も、mPOSのメリットです。一般的な据え置き型POSとは違い、スマホやタブレットを使うため、設置に広いスペースを必要としません。省スペースのカウンターでも問題なくレジ業務をこなせます。
また、持ち運びも可能なため、移動販売やイベント出店、キッチンカーなど、設置スペースが限られる環境でも柔軟に活用できます。設置場所に制限がある事業者にとっては、特にメリットが大きいといえるでしょう。
mPOSは、クラウドに対応しているシステムが多く、売上や在庫情報をリアルタイムで確認できます。スマホやタブレットから、いつでもどこでも売上や在庫情報を確認できるため、店舗にいない時でも状況を把握できる点はメリットです。
売上動向を分析することで、仕入れの最適化に活用でき、在庫ロスや欠品による機会損失も防げます。特に複数店舗を運営している事業者にとっては、店舗全体の管理を一元化できる点も大きな魅力です。
前述したとおり、mPOSには多くのメリットがあります。一方で、以下のような注意点もあるため、導入前に押さえておきましょう。
mPOSの導入には、安定したネット環境を整える必要があります。クラウド型の製品が多く、リアルタイムで売上や在庫情報を反映・管理するためには、安定したインターネット接続が欠かせません。
通信が不安定な環境では、
といったトラブルが発生するリスクがあります。導入前には、Wi-Fi環境や通信速度、バックアップ手段(モバイルルーターや有線回線など)を含めたネットワーク体制の見直しを行うことが重要です。
スマホやタブレット端末は定期的にOSのバージョンアップが行われます。バージョンアップした際にPOSレジアプリとの互換性を失い、一時的なシステム停止が発生する可能性もあります。
また、クラウド型サービスである以上、サーバー側の障害や不具合によってもサービスが一時停止するリスクはゼロではありません。そのため、レジ業務が停止するリスクに備えて、サポート体制の手厚いmPOSメーカーを選んでおくと安心です。
mPOSは導入の手軽さから、幅広い業種で活用されています。mPOSを導入することで業務効率が向上した導入事例も増えており、小規模事業者から大手まで導入が進んでいます。ここでは、mPOSの活用シーンと実際の導入事例を見ていきましょう。
mPOSは以下のような業種やシチュエーションで活用されています。
キッチンカーや移動販売などでは、大きなレジを置くスペースがないため、持ち運びしやすいmPOSが便利です。また、訪問サービスや飲食店のテーブル会計など、お客様のもとで決済を行う業種にも注目されています。このように、場所を選ばず柔軟に使えるのがmPOSの大きな強みです。
アパレルブランド「&MOSS」では、POP UPイベントにおける販売業務の効率化を目的に、CASHIERのmPOSを導入しています。毎回異なる会場で短期間のみ開催されるイベントの特性上、大型の据え置き型レジの導入はコスト面・スペース面で非現実的でした。
そこで、スマホとカードリーダーだけで決済・売上管理・在庫確認ができるmPOSを採用。売上データの確認や在庫の把握もリアルタイムで行えるため、次回イベントへの分析にも役立っているようです。
誰でも使いやすく、持ち運びが簡単なmPOSは、POP UP販売の現場で非常に重宝されていることがわかります。
mPOSのメリットを最大限引き出すためには、製品選びが重要です。以下のポイントを意識して製品を比較してみてください。
mPOSを選ぶ際は、対応している機能が自社の業種・業務に適しているかを見極めることが重要です。業種によって必要な機能が大きく異なるため、ニーズに合っていなければ、業務効率化が下がる恐れもあります。
たとえば、業種別に必要な機能は以下のとおりです。
業種 | 機能 |
飲食店 | オーダー管理機能、レシート印刷、キッチンプリンター連携、在庫管理機能、顧客管理機能、モバイルオーダー・デリバリー機能、キャッシュレス決済 |
小売店 | 棚卸機能、バーコードスキャン機能、免税対応機能、複数店舗管理機能、セルフレジ機能、ECサイトとの連携機能 |
美容室・サロン | 顧客管理、予約管理、DM配信、スタッフ管理、キャッシュレス決済、売上分析 |
これらはあくまで一例なので、ご自身の店舗の課題を明確にし、課題を解決できる製品を選ぶべきです。導入前に実際の使用シーンを想定して確認することをおすすめします。
mPOSは従来型POSに比べて初期費用を抑えやすいのが魅力ですが、製品によって費用体系が大きく異なります。端末の購入費に加え、月額利用料、決済手数料、オプション機能の追加料金など、ランニングコストも含めた総額で比較しましょう。
たとえば、月額0円から始められるサービスもあれば、高機能なプランでは1万円以上かかることもあります。自社の取引量や業務内容に応じて、必要な機能をカバーしつつ、できるだけコストを抑えられるサービスを選ぶことが重要です。
mPOSでは、顧客のクレジットカード情報や決済データを扱うため、高いセキュリティ水準が求められます。不正利用や情報漏洩などが発生すると、店舗の信頼性が一瞬で失われます。
mPOSを選ぶ際は、以下の項目を確認しておくと安心です。
データ通信の暗号化や、管理画面へのアクセス制限といった基本的なセキュリティ機能の有無も含めて、信頼性の高いサービスを選ぶことが重要です。
ここでは、mPOSに関するよくある質問に答えていきます。
多様な決済手段に対応している製品が多いです。
導入時には、自店舗の顧客層がよく利用する決済サービスに対応しているかを確認しておくと安心です。
既にレシートプリンターやキャッシュドロアなどの周辺機器を使っている場合でも、mPOSによってはそのまま活用できます。ただし、すべての機器が対応しているわけではないため、導入前に対応機器の一覧を確認することが大切です。
互換性があると、初期費用を抑えつつスムーズな移行が可能になるため、コスト面でも効率面でもメリットがあるでしょう。
ここでは、機能性やコスト面で評価の高いおすすめのmPOS製品を3つご紹介します。
CASHIERは、国内企業が開発・提供する高機能Android型クラウドmPOSです。月額0円から導入でき、飲食店や小売店、サービス業など幅広い業種に対応しています。飲食店向けオーダーシステムとの連携やキャッシュレス決済端末との連携など、必要な機能は揃っています。
初期費用が無料で始められるプランもあり、コストを抑えて導入したい店舗にも最適です。また、業種ごとに必要な機能を柔軟にカスタマイズできるため、導入後も自社の業務フローに合わせた運用を実現できます。
初期費用 | 0円~ |
月額費用 | スタータープラン:0円 プロフェッショナルプラン:4,400円 |
Airレジは、株式会社リクルートが提供する無料のmPOSです。専用端末が不要で、iPadやiPhoneがあればすぐに利用を始めることができ、導入ハードルの低さが魅力です。
Airペイや予約管理システム「Airリザーブ」など、リクルートが展開する他サービスとの連携にも優れており、会計業務から予約・決済・顧客管理まで一元化できます。
直感的で操作しやすく、ITに不慣れなスタッフでも扱いやすい設計です。小規模店舗や個人経営者でも、最小限の設備投資で始められるmPOSといえるでしょう。
初期費用 | 0円~ 機器をお持ちでない場合の費用例113,120円~ |
月額費用 | 0円~ |
Squareは、シリコンバレー発のmPOSサービスで、特にモバイル決済に強みを持っています。決済端末は無料で提供されるため、初期費用を抑えて導入したい個人事業主やスタートアップ企業にとって非常に魅力的です。
アプリの操作もシンプルで、売上管理や顧客管理などの基本機能も充実しています。手軽にキャッシュレス決済を導入したい店舗におすすめの製品です。
初期費用 | 0円~ |
月額費用 | 0円~ |
mPOSは「高額で場所を取る」といった従来のPOSのイメージを覆し、スマホ1台からでも手軽に始められるレジシステムです。「キャッシュレス決済に対応したい」「POSレジをもっと手軽に運用したい」と感じている方は、mPOSへの切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。
CASHIERのmPOSなら業界最安水準で導入できる上、コストと機能のバランスが取れており、業種を問わず幅広く対応できます。まずは無料相談で、自社に合った導入方法を確認することから始めてみてください。