【QRコード決済】仕組みから導入のメリット、デメリットまでわかりやすく解説! キャッシュレス決済

【QRコード決済】仕組みから導入のメリット、デメリットまでわかりやすく解説!

2021/08/01

近年、キャッシュレス決済という言葉を耳にする機会が多くなりました。QR決済もキャッシュレス決済の一つとして広く使われるようになりました。これまで国内ではクレジットカードやデビットカード、プリペイドカード、電子マネーなどが主流でしたが、2018年頃から「〇△ペイ」と銘打った数えきれないほどのQR決済が登場し、現在も増え続けています。

2019年9月に株式会社インフキュリオン、株式会社電子決済研究所および山本国際コンサルタンツが発表した「キャッシュレス決済の市場規模に関する調査レポート」によるとQRコード、バーコード決済市場は2025年には9.7兆円まで拡大すると予測されています。

そんなQR決済とは一体どのようなものでクレジットカードや電子マネーとは何が違うのか、QR決済のメリットとお店がQR決済を導入する際に知っておきたい内容について、順番に見ていきたいと思います。

目次
1 QR決済とは?どんな仕組みでできているの? 1.1 クレジット決済や電子マネー決済とは何が違うの? 2 QR決済導入によるお店側のメリット 3 QRコード決済導入による利用者(ユーザー)側のメリット 4 お店でQR決済を導入する際に押さえるべき内容 4.1 QR読み取り端末導入費用や決済手数料が発生する 4.2 店内の通信環境の整備 5 まとめ

QR決済とは?どんな仕組みでできているの?

QRコード決済の画面

QR決済とは、文字通りQRコードを使って決済する仕組みのことを指します。主に正方形の形をした小さな四角形のドットが多数配列された2次元コードを使って様々な情報を扱い、決済を行います。

従来のバーコードは横方向(1次元)にしか情報を持ちませんでしたが、QRコードは縦軸と横軸の平面(2次元)で情報を記録するのでバーコードの数十倍~数百倍の情報量を扱うことが可能です。また数字だけでなく英字、漢字、記号などあらゆるデータを格納することができます。

こうしたQRコード情報は専用のQRコードリーダーのほか、スマートフォン(スマホ)などに搭載されたカメラの画像処理機能で読み取りができ誰でも利用できるため、スマートフォンの普及に伴いQRコードを用いた決済の仕組みが急速に世界中へ浸透していきました。

中国ではALIPAY、WeChatペイの2大QRコード決済がすでに定着しており、公共料金の支払いから屋台に至るまで国内どこでも支払いができる仕組みが整っています。

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クレジット決済や電子マネー決済とは何が違うの?

クレジットカードのイメージ画像

国内で幅広く使われているクレジットカードや電子マネー決済と大きく異なる点は、カードではなくスマートフォンを経由して決済を行うということです。

利用者の側に安定して通信できるスマートフォンがあること、またお店の側にも通信環境が整っていることが利用の前提条件になるため、基本的に通信ができない時や端末のバッテリーが切れているとき、または故障しているときには使うことができません。

利用者はまず自分のスマートフォンにQR決済アプリをインストールし、自分のクレジットカード情報や口座情報を登録、またはアプリの中に現金をチャージしておきます。セキュリティの観点からチャージ上限額や利用上限額が決まっているサービスが多いです。

お店で支払うときには、利用者のスマートフォンアプリにQRコードあるいはバーコードを表示させお店のスマホやタブレット、専用決済端末で読み取る、あるいはお店が提示するQRコードを利用者のスマホアプリで読み取るという大きく分けて2つの方法があり、決済フローは利用するサービスによって異なります。

また単なる決済手段としてだけではなく、その他何かしらのオンラインサービスと連携していることが多く、SNSやオンラインショッピング、スマホ等通信料の支払いや銀行との連携などがある点も大きな特徴です。

利用者それぞれが普段の生活の中で実際に活用している既存のサービスに付随させて決済機能も付け加えることで、お店での支払いが便利になりポイントが貯まったりキャンペーンを受けられるなど様々な特典を受け取ることができます。

さらにはレジを通さない新たなアプリ決済の利用形態として店舗専用のスマホアプリの中で支払いを済ませるサービスや、店舗専用のアプリ内で先に購入する商品を選択しておきレジ会計の時間を短縮するようなQRを用いたサービスも出てきており、レジ業務の削減・業務効率化やOtoOへの活用など次世代の決済ソリューションも出てきています。

QR決済導入によるお店側のメリット

メリットのイメージ画像

QRコード決済をお店で導入するときのメリットには以下のようなものがあります。

  • 決済端末費用が全くかからない(スマホ・タブレットを活用) または導入費用がクレジットの決済端末(6万円~10万円前後)に比べて安く済む(4万円~6万円前後)
  • 決済手数料がクレジット決済に比べて安い
    クレジット決済:4%~5%前後(ブランドや契約形態により異なる)
    QRコード決済:2.5%前後(サービスにより異なる)
    サービス提供開始直後から普及促進のために期間限定で決済手数料を無料とされてきましたが、2021年8月現在、各種QRコード決済サービスは徐々に有料化に踏み切り始めています。
  • 利便性向上による集客
    取扱い可能な決済手段の多さ、支払いの便利さを売りにしてお店の利用者増加に繋げます。
  • 現金管理コスト減少
    あまり意識されないかもしれませんが、現金を管理する際にも盗難・紛失事故防止の警備費、人件費、売上金の振込手数料などコストがかかっています。現金の取扱いを減らすことでそういったコストを削減できる可能性があります。
  • 業務効率化による人件費削減
    取扱うキャッシュレス決済手段をきちんと整理してスタッフへの周知を行い適切なオペレーションを構築することでレジ業務の簡素化など人件費削減につながるほか、接客業務への注力も可能になります。
  • 金銭授受ミス、現金紛失盗難トラブル減少
    スタッフによる金銭授受のミス、金銭紛失や盗難を減らすことができます。完全キャッシュレスな店舗であればもちろんのこと、現金の取扱いを減らした店舗でもトラブルの発生割合を減らす事が可能です。
  • ビックデータの活用
    蓄積された利用者の購買情報を分析して販促やマーケティング、売上予測に基づく人員配置などに活用します。
  • 自社サービス・自社グループのサービスへの囲い込み
    利用者にスマートフォンアプリをインストールしてもらい、その中でポイント付与やキャンペーンの告知、利用者に最適化したおすすめ商品のピックアップなどを行い、自社サービスへの囲い込みを行うこともできます。

QRコード決済導入による利用者(ユーザー)側のメリット

QRコード決済のイメージ

逆に利用者側のQRコード決済のメリットとして下記のようなものがあります。

  • 普段使っているオンラインサービスのポイントが貯まる、ポイントを利用できる
  • QR決済サービス提供元のいろいろなキャンペーンを利用できる
  • 財布を出さずに商品を購入できる
  • 会計にかかる時間を短縮できる
  • コロナウイルス感染対策の観点から接触機会を減らすことができる

といったことが挙げられます。

簡単にいうと「お得で、支払いが早くて便利!」といったところでしょうか。 QR決済各社でサービスを国内に認知・定着させるべく様々なキャンペーンを展開したり利用者への還元を行っていますが、日常的に利用しているサービスに付随・連携したQR決済を選ぶほうが後々貯まったポイントを有効に活用できるなどメリットが大きいでしょう。

「どれが一番便利でお得かわからないし、今お得な特典があるからいろいろ使ってみよう!」というのもアリですが、最終的には利用するQR決済を絞ったほうが使い過ぎの防止や管理のしやすさにつながります。

お店でQR決済を導入する際に押さえるべき内容

QR決済サービスを導入するときには以下のような内容を押さえておく必要があります。

QR決済サービスの契約 QR決済業者と個別に直接契約するか、あるいは決済代行会社を経由して契約するかを検討しましょう。

導入費用と導入後の決済手数料・月額費用の両方を見て判断する必要があります。 直接契約であれば初期費用や決済手数料の割引キャンペーンを受けられる場合があります。

一方、決済代行会社経由の契約であれば複数社のQR決済を同時に契約する場合も売上金の振込サイクルや問合せ対応の窓口が統一され導入後の管理がしやすくなります。

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QR読み取り端末導入費用や決済手数料が発生する

スマホやタブレットを活用できる場合には端末費用がかからないケースも有りますが、端末導入費用がクレジット決済端末(6万円~10万円前後)に比べて安く済む(4万円~6万円前後)とはいえ初期費用がかかることを想定しておく必要があります。

基本的には導入後にも決済手数料が発生します。クレジット決済(4%~5%前後、ブランドや契約形態により異なる)に比べ安く抑えられるものの(2.5%前後、サービスにより異なる)、ランニングコストがかかる点は認識すべき内容です。

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店内の通信環境の整備

インターネット回線のイメージ画像

QR決済は利用者のスマートフォン上のアプリを使って決済を行うため、安定したインターネット環境は必須になります。

特に海外旅行客が多く訪れる店舗であれば、Wi-Fi環境は必須でしょう。 また、店舗側で利用者のQRコードを読み取るときにも必ず通信が発生するので、利用者が使うものとは別の安定したインターネット環境を常に整えておく必要があります。

QRコード決済に限らず店舗で取扱う決済手段を増やす際は、対応や操作方法が変わるなど、スタッフへの周知や教育が必要になり、特に導入直後のタイミングではレジでの対応に時間がかかることが想定されます。 操作に戸惑い時間がかかるとお客様が不安に感じたり不満の原因になるため、オペレーションを整える必要があります。

レジ周りの限られたスペースに決済端末やリーダーを配置できるかどうか、商品の受け渡しをスムーズにできるかどうか、利用者がレジ周りを見たときに見苦しく感じないかどうか確かめておくことが大事になります。

店頭の目につく場所へ掲示するなど、取扱っている決済手段をアピールして来店客数の増加に繋げましょう。 利用者がスムーズにQR決済を使えるよう、お店の設備や通信環境の準備、店舗のオペレーション、利用者への周知など気を付けるべき点がたくさんありますが、一つ一つ対応してお店の利便性向上、売上向上につなげていきましょう。

まとめ

QR決済は、セキュリティーの世界共通規格(EMV)が存在するクレジット決済や同様にICチップを用いた暗号化技術で安全性を保っている電子マネーとは違い、QR決済提供各社で仕様が異なり共通規格が存在しない(整備されていない)サービスになります。

QRコードの複製やなりすましログインなどによる不正利用の事故も発生しており、クレジットや電子マネーに比べ安全性が低いのが現状です。 今後の課題としてQR決済各社がセキュリティー向上に取り組んでいく一方で、利用者側もカード情報や個人情報が意図せず流出するリスクを認識したうえで利用していく事が大切になってきます。

その他、安定した通信環境が前提にあるので災害が発生した時の利用に課題が残るほか、スマートフォンを持ち合わせていない高齢者や若年層への対応や国内各地への普及など、今後の検討・改善の余地が大きく残っています。

またスマートフォンに依存するサービスである為、利用者の側では何かあったときに備えて現金を持ち合わせているほうが安心です。 現在、QR決済をはじめ様々な「〇△ペイ」が乱立し、今後もますます新しい決済サービスが増えることが予想され、その中でどれがメジャーなサービスとして定着していくか予想するのは非常に難しいです。

しかしながら、やみくもにQR決済をはじめとしたキャッシュレス決済を導入すること、取扱う決済手段を増やすことはおすすめできません。 導入費用やランニング費用に限らず、店舗オペレーションの負荷が増しスタッフへの教育コストがかかる事や事務的・管理的業務の複雑化など新たに発生する負担があることもきちんと認識しておきましょう。

お店の商材や立地・地域性、客層といった特徴や今までに耳にした要望などをきちんと整理し、吟味した上で、利用者の利便性・満足度向上や売上向上、業務効率化につながる効果的な決済手段を見極めてみてはいかがでしょうか?

参考:経済産業省 キャッシュレス社会への取組み
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/sankankyougikai/fintech/dai1/siryou2.pdf

参考:PR TIMES キャッシュレス決済の市場規模に関する調査レポート
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000031359.html

参考:インフキュリオン 2025年のキャッシュレス決済市場は128兆円を突破。QRコード/バーコード決済市場は9.7兆円規模と予測
https://infcurion.com/news/news-20190924_611/

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記事の投稿者PROFILE

CASHIER カスタマーサクセス

藤原 貴雄

2014年11月入社。前職はインテリア販売を経験し、接客/営業のスキルを磨く。
前職で培ったスキルをベースにPOSレンタルの営業や各地方の物販運営業務などを経験。
2021年CASHIER事業としてチーム変更し、
現在はカスタマーサクセスのリーダーとしてチームを纏める役割を担っている。

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