地域に根ざしたビジネスであるクリーニング店は、客数や客単価の減少、他店との価格競争など、さまざまな経営課題に直面しています。こうしたなか、業務効率の改善や顧客対応力の強化を図る手段として、POSレジの導入が注目されています。
本記事では、POSレジの基本的な概要から導入メリット、選び方のポイント、注意点などを解説。クリーニング店におすすめのPOSレジも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
【今回のコラムをざっくりまとめると…】
この記事では、クリーニング店向けPOSレジの基本から、導入のメリット・注意点・おすすめ製品まで解説しています。単価の低い業種だからこそ、業務効率化や売上分析ができるタブレット型POSレジの導入が効果的です。業務の見直しを考えている方は、ぜひ参考にしてください。
POSレジとは、「販売時点情報管理(Point of Sale)」の略で、商品やサービスの販売時に売上データを記録・管理するレジのことです。販売履歴や顧客情報をリアルタイムで集計・分析できるため、業務効率化や適切な経営判断に役立ちます。
なかでもクリーニング店には、iPadなどを活用した「タブレット型POSレジ」がおすすめです。タブレット型POSレジは導入コストが低く、預かり票の発行やタグ管理、顧客データの蓄積など、クリーニング業務に必要な機能を手軽に活用できる点が特長です。
中小規模の店舗でも無理なく導入できることから、現在多くのクリーニング店で導入が進んでいます。以下は、従来型レジ・POSレジ・タブレット型POSレジの違いを比較した表です。
従来型レジ | POSレジ | タブレット型POSレジ | |
導入費用 | 数万円~ | 数十万~数百万円 | 数万円~ |
特徴 | 会計と売上集計に特化したシンプルなレジ。細かな商品登録や売上分析には不向き | 販売情報・売上情報・販売情報を瞬時に収集・分析することが可能。高機能だが高価格。 | iPadなどを活用したPOSレジ。低価格で導入しやすく、機能も豊富。最もバランスの取れたタイプ |
最適な店舗 | 小規模で商品管理が不要な店舗向け | 高度な機能が必要な中規模~大規模向け | 小規模~中規模店舗向け |
近年、クリーニング店でもタブレット型POSレジを採用する店舗が増えています。低コストで導入できる点に加え、業務に特化した機能や操作のしやすさなど、現場の課題を解決するメリットが豊富です。
ここでは、クリーニング店にタブレット型POSレジがおすすめな理由を3つ解説します。
タブレット型POSレジの大きな魅力は、初期費用を大幅に抑えられる点です。手持ちのiPadなどのタブレット端末があれば、アプリをインストールするだけでレジ業務を始められます。従来のPOSレジのように、高価な専用端末を必要としません。
なかには無料プランを提供しているサービスもあり、必要な機能だけを選んで低コストで運用できるのも特長です。さらに、IT導入補助金などの制度を活用すれば、初期投資の負担を軽減しながら導入できます。
タブレット型POSレジなら、小規模店舗でも無理なくレジ環境を整えることが可能です。
タブレット型POSレジは、クリーニング店の業務に特化したオプション機能が充実しています。
たとえば、以下のような機能がタブレット型POSレジに搭載されています。
これまで手作業で対応していた業務を一括で管理できる点は、タブレット型POSレジの大きなメリットです。そのため、伝票の紛失や記入ミスなど、さまざまな業務課題を抱えるクリーニング店におすすめといえるでしょう。
タブレット型POSレジは、普段使っているスマホやタブレットと同じような感覚で操作できます。機械操作が苦手なパート・アルバイトの方や高齢者の方でも、スムーズに扱えるのが大きな強みです。
また、タブレット型POSレジの中には、操作トレーニング機能を搭載した製品もあります。IT機器に不慣れな方でもしっかりトレーニングを積んだ上で現場に立てる点が、タブレット型POSレジをおすすめする理由です。
クリーニング店にとって、POSレジの選定は業務効率に直結する重要なポイントです。ここでは、クリーニング店におすすめのタブレット型POSレジ5製品をご紹介します。
CASHIER | スマレジ | POS+(ポスタス) | クリポ | StarPOS | |
初期費用 | 0円~ | 0円~ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
月額料金 | 0円~ | 0円~15,400円 | 14,000円 | 0円~(お試しプラン) | 要問い合わせ |
預かり票発行 | 要問い合わせ | ◯ | 要問い合わせ | ◯ | ◯ |
オフライン対応 | ◯ | △ (一部対応) | ◯ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
顧客管理機能 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
複数店舗管理機能 | ◯ | ◯ | ◯ | 要問い合わせ | ◯ |
持ち運び | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
サポート体制 | 電話・メールサポート(無料)、全国駆けつけオンサイト保守など | 電話・メール | 365日電話サポート、無制限駆けつけサポート | メール、コールセンター問い合わせ | 電話・メール |
補助金 | ◯ | ◯ | ◯ | 要問い合わせ | ◯ |
引用元:CASHIER
CASHIERは、レジ未経験の方やアナログレジからの移行を検討している店舗に最適なタブレット型POSレジです。月額0円から導入可能なため、コストを抑えつつ高機能なPOSシステムを導入できます。
また、CASHIER PAYMENTと連携することで、主要なキャッシュレス決済にも対応。低水準の決済手数料でスムーズなキャッシュレス運用を実現し、販売機会の損失を防ぎます。
シンプルな操作性と高い安定性を兼ね備えたCASHIERは、これからの店舗経営に欠かせないPOSレジといえるでしょう。
引用元:スマレジ
スマレジは、高機能・使いやすさ・低価格を兼ね備えたクラウド型のタブレットPOSレジです。クリーニング店に必要な売上分析や在庫管理、顧客属性別のデータ集計などを備えており、直感的な操作で現場の誰でもスムーズに扱えます。
さらに、外部システムとの連携やアプリによる機能拡張も可能で、業種や規模を問わず柔軟に対応可能です。サポート体制も充実しているため、初めてPOSレジを導入するクリーニングにも最適です。
引用元:POS+
POS+(ポスタス)は、基本的な売上・顧客管理機能に加え、キャッシュレス決済やセルフレジ機能、多言語対応、複数店舗の一括管理など、業種や店舗規模を問わず活用できる高機能なPOSレジです。
業務内容や店舗の成長に応じて、必要な機能を低コストで柔軟に追加できます。さらに、365日電話対応や全国対応の駆けつけサポートなど、サポート体制が整っている点もPOS+(ポスタス)の魅力です。
引用元:クリポ
クリポは、iPad一台で利用できるクリーニング店専用のタブレット型POSレジです。アプリをダウンロードするだけですぐに使い始められ、マニュアルなしでも直感的に操作できます。
顧客管理や預かり履歴、会計処理など、クリーニング業務に必要な機能を網羅しており、実用性に優れています。コードレスでスッキリとした外観も魅力で、店舗の雰囲気を損なわず設置可能です。
お試しプランから有料プランまで料金体系も幅広く、店舗の規模やニーズに応じて選べるのも利点です。
引用元:StarPOS
StarPOSは、iPadで利用できるクリーニング店専用のタブレットPOSレジです。直感的な画面操作で受付業務を効率化できるだけでなく、注文管理・会員登録・宅配機能など、クリーニング業務に必要な機能を幅広くカバーしています。
顧客の分布を地図で把握できる「売上分析機能」や、ターゲットを絞ってDMを送付できる「販促機能」など、売上アップにつながる機能が充実している点も特長です。
クリーニング店には、以下のような課題があります。
• 手書きの預かり票や伝票の紛失・記入ミス • IT化や自動化の遅れ • レジ締め作業での現金計算ミス・入力ミス • 顧客からの「引換券を無くした」といったトラブル • 人手不足での受付混雑 |
このような課題を解決し、効率的な店舗運営を実現するためには、自店舗に適したPOSレジ選びが欠かせません。ここでは、クリーニング店の課題を解決するうえで押さえておきたいPOSレジ選びのポイントを解説します。
クリーニング店では、衣類や品物の預かり時に発行する「預かり票」や「タグ管理」、配達や集荷といった外交営業など、他業種にはない独自の業務が発生します。こうした業務に対応できないPOSレジでは運用が難しく、現場に負担をかけることになりかねません。
クリーニング店向けのタブレットPOSレジを選ぶことで、預かり票の発行や納品管理、顧客ごとの履歴照会などをスムーズに行えるようになります。コンパクトかつ軽量なタブレット型POSレジなら、設置場所に困らないため、小規模なクリーニング店にもおすすめです。
クリーニング店にPOSレジを導入する際は、使いやすさもチェックしましょう。クリーニング店では、受付時に複数の商品情報を登録したり、会員番号を照合したりと、細かな入力作業が求められます。
そのため、操作画面がわかりにくかったり、入力手順が複雑だったりすると、ミスの原因になりかねません。特に高齢のスタッフが多い店舗では、ボタンの大きさや配置がわかりやすい製品を選ぶとよいでしょう。
導入前に実機を試せるメーカーも多いので、使用するスタッフと確認することが大切です。
POSレジを選ぶ際には、導入時の初期費用とランニングコストもしっかり確認しておきましょう。
導入時にかかる費用として以下の項目が挙げられます。
項目 | 内訳 |
初期費用 | ・端末本体代 ・ソフトウェア代 ・設置・設定費用 |
ランニングコスト | ・システム利用料 ・保守費用 ・サポート費用 |
ただし、クリーニング店は客単価が低いため、導入コストが利益を圧迫しないように製品を選ぶことが大切です。IT導入補助金などの補助金制度を活用すれば、初期費用を大幅に抑えられるため、導入の際に検討してみてください。
POSレジを導入する際は、トラブル発生時やシステムのアップデートに迅速かつ丁寧に対応してくれる製品を選ぶことが重要です。サポートの内容はメーカーごとに異なりますが、以下のような対応が用意されています。
中には、365日対応のヘルプデスクや、全国どこでも駆けつけ対応してくれるサービスを提供している製品もあります。操作に不安があるスタッフがいても安心して導入できるよう、アフターサポートの内容を事前に確認しておきましょう。
タブレット型POSレジは、インターネット接続が前提となるものが多いです。そのため、通信が不安定な場所や回線障害が発生した場合、業務に支障をきたすことがあります。
クリーニング店の場合、オフライン中でも受付や預かり票発行、会計処理ができる製品を選びましょう。また、オンライン復旧後にデータが自動で同期される製品なら、業務への影響を最小限に抑えられます。
トラブル時のリスク対策として、オフライン対応の有無は必ずチェックすべきポイントです。
クリーニング店にPOSレジを導入することで、以下のようなメリットが期待できます。
それぞれのメリットについてみていきましょう。
POSレジを導入することで、受付から会計までの一連の作業が自動化され、業務効率が大幅に向上します。従来のように、手作業で商品登録や金額を入力する必要がありません。タグのバーコードをスキャンするだけで登録された料金が反映されるため、手作業による金額入力や確認の時間が削減できます。
また、レジ業務の効率化により、料金設定ミスや入力ミスなどのヒューマンエラーも防げるため、忙しい時間帯でもスムーズに対応可能です。特に商品点数が多いクリーニング業務にとって、POSレジによる省力化はスタッフの負担軽減にもつながるでしょう。
POSレジには、顧客の氏名・電話番号・利用履歴などを登録・管理できる機能があり、情報をすぐに確認できる点が大きな特長です。顧客情報を一元管理することで、再来店時の受付対応や預かり品の照会、引換券を紛失した際の対応などもスムーズに行えるようになります。
紙の台帳や記憶に頼る運用から脱却することで、サービスの質と信頼性が大きく向上するでしょう。
POSレジを使えば、日々の売上データが自動で集計され、曜日や時間帯、商品ごとの売上を細かく分析できます。たとえば「いつ来店が多いのか」「どのサービスがよく利用されているのか」といった傾向が把握できるため、営業時間の調整やキャンペーンの企画などにも役立ちます。
これまでスタッフの経験や勘に頼っていた判断も、数字をもとにした具体的な対策ができるようになるのが大きなポイントです。POSレジの導入により、ムダのない経営や効率の良い店舗運営につながります。
手作業による商品管理や計算は、ヒューマンエラーの原因となることが多いです。特に忙しい時間帯やスタッフの慣れに差がある場合は、小さなミスがよくあります。
しかしPOSレジを導入すれば、登録済みの商品を選ぶかバーコードをスキャンするだけで正確な会計処理ができるため、ヒューマンエラーを大幅に減らすことが可能です。レジ締め時に金額が合わずに悩むことも少なくなり、業務のストレス軽減にもつながります。
クリーニング店にPOSレジを導入する際は、以下の点を押さえておきましょう。
それぞれ解説します。
POSレジの導入には、タブレット端末やレシートプリンター、キャッシュドロアなどの機器代に加え、決済手数料や月額利用料といったランニングコストが発生します。特に個人経営のクリーニング店にとっては、導入費用が負担になる可能性があるため、導入前に必要な費用を把握しておくことが重要です。
ただし、タブレット型POSレジの中には、無料プランや初期費用0円で始められるサービスもあります。また、POSレジ導入費用の最大2/3を補助してもらえる「IT導入補助金」や、店舗改装・設備費に活用できる「小規模事業者持続化補助金」などの補助金もおすすめです。
補助金を活用することで、POSレジの導入費用を大幅に軽減できます。ただし、審査に通過しなければ補助金は受け取れません。補助金については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
クラウド型POSレジは、インターネットを通じて売上データの保存や管理を行うため、ネット接続が必須です。安定した通信環境がなければ、レジ機能がうまく動作しなかったり、データの保存に不具合が生じたりするリスクがあります。
導入前には店舗の通信環境を確認し、必要に応じてWi-Fiルーターの見直しや通信回線の強化を検討しましょう。万が一の回線トラブルに備えて、オフライン対応機能を備えたPOSレジを選んでおくと、業務を止めることなく対応できます。
どれほど高機能なPOSレジでも、現場で働くスタッフが使いこなせなければ意味がありません。とくにパート・アルバイトや年配スタッフが多いクリーニング店では、直感的に操作しやすい製品を選ぶことが重要です。
POSレジの中には、導入時の初期設定サポートや、操作方法を説明する研修を提供しているサービスもあります。事前にPOSレジの操作性を確認し、必要に応じてメーカーの導入支援サービスを活用しましょう。
クリーニング店の業務効率化や売上アップには、POSレジの導入が効果的です。なかでも、タブレット型POSレジは低コストかつ操作性に優れており、初めてのレジ入れ替えにも適しています。
導入コストがネックになっているクリーニング店でも、補助金の活用で初期費用を大幅に軽減できます。補助金の活用や無料相談を利用し、店舗に合った無理のない導入を進めましょう。
CASHIERのPOSレジなら業界最安水準で導入できる上、クリーニング店の業務負担を大幅に軽減することができます。POSレジの導入を検討されている方は、ぜひ一度お問合せください。