医療機関にキャッシュレス決済を導入すると便利?効果や注意点を解説 キャッシュレス決済

医療機関にキャッシュレス決済を導入すると便利?効果や注意点を解説

2022/09/26

病院やクリニックなどの医療機関でも、キャッシュレス決済を利用できる場所が徐々に増えています。しかし、飲食店や小売店と比較するとその数は決して多くないのが実情です。

そこで今回は、医療機関にキャッシュレス決済を導入するメリットについて、医療機関と利用者双方の視点で解説します。

目次
1 医療機関におけるキャッシュレス決済導入の現状 1.1 医療機関のキャッシュレス決済の普及率 1.2 導入が進まない理由 1.3 キャッシュレス化は国も推進している 2 キャッシュレス決済の導入が医療機関に与える効果 2.1 人手不足の解消 2.2 オンライン診療の導入促進 2.3 診察券のデジタル化 2.4 他院との差別化 3 キャッシュレス決済の導入が医療機関の利用者に与える効果 3.1 受付時間や待ち時間の短縮につながる 3.2 急病時の利用のハードルが下がる 3.3 接触の不安を軽減できる 4 医療機関がキャッシュレス決済を導入する際に気をつけるポイントと対策 4.1 導入や運用にコストがかかる 4.2 決済端末のサイズに注意する 4.3 顧客層に合わせたシステムを選ぶ必要がある 4.4 入金までタイムラグが発生する 5 まとめ

医療機関におけるキャッシュレス決済導入の現状

医療機関におけるキャッシュレス決済導入の現状

冒頭でも説明した通り、キャッシュレス決済を導入しているクリニックや医療機関は、飲食店や小売店と比べるとそれほど多くありません。ここでは、医療機関におけるキャッシュレス決済の普及率や導入が進まない理由をお伝えします。

医療機関のキャッシュレス決済の普及率

日本の医療機関におけるキャッシュレス決済の導入率は、2021年の調査によるとクレジットカードで26.2%。そのほかの電子マネー決済やQRコード決済などは、わずか数%であることがわかっています。

キャッシュレス化の流れを受けてクレジットカード決済を導入している医療機関は増えているものの、それ以外の決済方法も含めて充実しているとはいえないのが現状です。

【出典】厚生労働省「医療機関における外国人患者の受入に係る実態調査 結果報告書」

導入が進まない理由

医療機関でキャッシュレス決済の導入が進まないのは、主に2つの理由が考えられます。

1つ目は、来院する患者様があまり必要としていない点です。

近年では「かかりつけ医」という考えが一般化しており、現金を用意した上で来院するため、キャッシュレス決済の必要性がそれほど高くありません。また、かかりつけ医で診療を受ける方の多くが高齢者であることも影響しています。

2つ目は、健康保険証を忘れてしまった場合の診療費の支払いが複雑化する点です。保険証を忘れた場合、病院代は一旦自費診療として利用者に全額負担していただき、後日保険証の提示をもって保険診療に切り替えるのが一般的です。

しかし、クレジットカードで診療代を支払った場合、現金を受け取っていないにもかかわらず会計をし直す際に差額分を返金して良いのか、という問題が発生します。

また、患者様が自費診療費をキャッシュレスで支払った場合、後日来院されないと本来の金額より手数料が高くなるというデメリットもあります。

 

このような理由があり、医療機関では依然としてキャッシュレス決済の導入が十分に進んでいません。

キャッシュレス化は国も推進している

上記のような事情はあるものの、国は医療業界に限らずあらゆる分野でキャッシュレス化を推進しています。実際、2013年に13.2%であったキャッシュレス決済比率は、2021年には32.5%まで上昇しており、徐々に国民に浸透しているといえるでしょう。 そのため、医療機関へのキャッシュレス決済の導入を待ち望んでいる利用者も多くいると考えられます。

【出典】経済産業省「2021年のキャッシュレス決済比率を算出しました」

キャッシュレス決済の導入が医療機関に与える効果

キャッシュレス決済の導入が医療機関に与える効果

次は、キャッシュレス決済を導入することで期待できるメリットや効果を、医療機関の視点で解説します。

人手不足の解消

キャッシュレス決済を導入すれば、レジでの現金の受け渡しなどが必要なくなるため、レジ業務の効率化につながります。一緒にセルフレジを設置することで、患者様自身で支払いを完了してもらうこともでき、人手不足の解消が期待できます。

オンライン診療の導入促進

一部キャッシュレス決済では、オンライン診療をスムーズに行うための機能が提供されています。

医療機関はビデオ通話で診察や服薬指導を行い、画面上にQRコードなどを表示して利用者に診療費を支払ってもらう仕組みです。感染症が疑われる場合など、来院による悪影響を避けながら安全に診察できるメリットがあります。

診察券のデジタル化

キャッシュレス決済サービスの中には、診察券のデジタル化アプリを提供している会社もあり、患者様は手持ちの診察券をスマホに一元化できます。来院時はQRコードを読み取るだけで受付が完了するため、病院側の業務削減効果も見込めます。

他院との差別化

普段から現金をあまり持ち歩かない人の場合、病院選びもキャッシュレスで支払えるかどうかを基準にする可能性があります。特に、急病や突然のケガで来院する場合は、現金以外の支払い方法も用意されていると便利です。

他院との差別化につながり、利用者の獲得にも役立つでしょう。

キャッシュレス決済を導入すると、医療機関には上記のようなメリットがあります。

キャッシュレス決済の導入が医療機関の利用者に与える効果

キャッシュレス決済の導入は、病院側だけでなく患者様にも利点があります。こちらでは、キャッシュレス決済の導入によって医療機関の利用者に与える効果を解説します。

受付時間や待ち時間の短縮につながる

キャッシュレス決済を導入することで、1人あたりの窓口対応の時間を短縮できるのがメリットです。

患者様は、待合室での待ち時間を減らせます。「診察が終わって料金を支払うだけなのに全く呼ばれない」といった事態を防げるでしょう。

急病時の利用のハードルが下がる

キャッシュレス決済に対応することで、現金の持ち合わせがない場合や急病時の利用のハードルが下がるという側面もあります。現金決済しか利用できない場合、手持ちの金額で足りるかわからず、来院を諦めてしまう可能性があります。

接触の不安を軽減できる

新型コロナウイルスの影響により、できる限り人との接触を避けたいと考える方が増えています。

特に医療機関は、さまざまな症状の方が来院しており、現金の受け渡しに抵抗を感じる方もいるでしょう。キャッシュレス決済の導入により、非接触で会計を行えるようになれば、患者様の衛生面の不安を払拭できます。

 

キャッシュレス決済の導入によって、医療機関の利用者は上記のような効果を感じられます。

医療機関がキャッシュレス決済を導入する際に気をつけるポイントと対策

最後に、医療機関がキャッシュレス決済を導入する際の注意点とその対策をお伝えします。

導入や運用にコストがかかる

キャッシュレス決済を導入する場合、設置や運用に一定のコストがかかります。具体的には、設置時の初期費用や月額料金、決済手数料などが必要です。

最近では初期費用や月額料金が無料で、決済手数料のみがかかるサービスも登場しており、料金体系は多様化しています。費用対効果を十分に考慮した上で最適なサービスを選びましょう。

また、費用面に負担を感じる場合は、補助金の利用もおすすめです。

決済端末のサイズに注意する

キャッシュレス化に使用する決済端末には、さまざまなサイズがあります。 レジ周辺にそれほどスペースのないクリニックの場合、サイズによっては利用者の邪魔になる可能性があるため、事前に確認しておくことが重要です。

顧客層に合わせたシステムを選ぶ必要がある

医療機関に設置するキャッシュレス決済システムは、患者様の年齢層やリテラシーに合わせたものを選ぶ必要があります。

例えばお年寄りが多い病院の場合、完全にキャッシュレス化したり受付を無人化したりすると、使いこなすことができずトラブルにつながる可能性があります。病院と患者様の双方にとって負担の少ないシステムを選びましょう。

入金までタイムラグが発生する

キャッシュレス決済を取り扱う場合、入金までのタイムラグにも注意が必要です。

現金決済の場合、売上金はレジに保管されますが、キャッシュレス決済では指定日時まで振り込まれません。一時的ではあるもののキャッシュフローが悪化する可能性があるため、導入直後は手元に一定の資金を残しておくのが良いでしょう。

 

医療機関にキャッシュレス決済を導入する際は、上記の対策を参考にしてください。

まとめ

医療機関へのキャッシュレス決済の導入は、利用者の診療体験を大きく向上させます。

現状の使い勝手を変えずに、誰でも利用しやすい医療機関になるため、まずはクレジットカードからでもキャッシュレス決済を導入してみてはいかがでしょうか。

 

参考記事:「キャッシュレス決済の導入メリットとデメリット、設置の流れを解説

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