小売店や飲食店など、どの業界・業種でもレジ端末が必要です。
しかし、支払い方法の多様化やコロナ禍の影響でレジ業務が煩雑化しています。
そのような場合は、自動釣銭機の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
今回は、自動釣銭機の概要や導入によるメリット・デメリット、導入価格、利用できる補助金などを解説します。
【今回のコラムをざっくりまとめると…】
この記事では、自動釣銭機の導入による業務改善効果を解説しています。釣銭管理の自動化でスタッフの負担を減らし、会計ミスを防止します。また、現金管理が容易になり、防犯効果も期待できます。特に、繁忙時の効率化に有効で、人件費削減にも寄与します。
自動釣銭機とは、自動精算機やセルフ精算機とも呼ばれ、会計業務で必要となる釣銭の計算や出金を自動で行ってくれる機器のことです。 端末に表示された金額をもとに硬貨や紙幣を投入すると、支払い総額が計算され、釣銭がドロアに排出されます。 自動釣銭機は、小売店や飲食店で必ず行う会計作業をラクにしてくれるアイテムです。ここでは、自動釣銭機の仕組みや種類について解説します。
POSレジに自動釣銭機は必要?メリットや価格、運用方法を解説 自動釣銭機は、主に以下の2つの種類に分類されます。
●入金優先運用 お客様から商品代金を受け取り、自動釣銭機に入金。機器から排出された釣銭をお客様にお渡しするタイプの自動釣銭機です。セミセルフレジに対応が可能で、現金に触れずに会計できることからクリニックや病院でよく運用されています。
●釣銭優先運用 先に釣銭をお客様に支払ったのち、預り金を投入する従来の受付の流れで利用できるタイプの自動釣銭機です。
入金優先運用は、預り金を先に投入するため正確性に優れていますが、会計スピードは釣銭優先運用に劣ります。 一方、釣銭優先運用は、最後に預かり金を投入するため消費者を待たせる時間を減らし、会計スピードが向上しますが、正確性は入金優先運用に劣ります。 どちらの運用が適しているのかを確認したうえで自動釣銭機を選びましょう。
停電時は、以下のような手順で手動対応を行います。
スタッフ向けに「停電時のマニュアル」を用意しておくと、万が一の時にスムーズに対応できるでしょう。 一例として、機種別の対応方法の違いを以下の表にまとめました。
メーカー・機種 | 停電時の対応 |
グローリー製 | 一部機種にUPS搭載。電源遮断時は自動で取引停止。復電後に再接続が必要 |
富士電機製 | 即時停止。復電後はPOS再起動と釣銭機の再接続操作が必要 |
自動釣銭機やセルフレジの設置は、店舗経営に多くの影響を与えます。 ここでは、自動釣銭機を導入することでもたらされるメリットをご紹介します。
自動釣銭機を店舗に設置する最大のメリットは、レジ業務にかかる時間を短縮できる点です。 従来のレジでは店員が行っていた、現金の受け渡しやお釣りの計算などが必要なくなるため、利用客1人あたりの接客時間を減らせます。 特に、スーパーなどレジ業務の能率が求められる店舗では、高い恩恵を受けられるでしょう。
自動釣銭機は、一般的な精算機と比べて内部の現金を取り出すのに手間がかかるため、セキュリティの向上に役立ちます。 防犯カメラの設置が不十分なお店や、過去に内部不正などトラブルが発生したことのある店舗での導入がおすすめです。
自動釣銭機を設置すると、レジ業務における会計の手間を減らせるため、新人スタッフの即戦力化がしやすくなります。 特に、外国人など仕事慣れしていない方を従業員として雇用している店舗で重宝されます。
会計における金銭授受を自動釣銭機に任せることで、レジスタッフがお金に触れる機会を減らせるため、衛生面の向上につながります。 コロナ禍で需要の増した衛生的な接客を実現でき、顧客からの評価も上がりやすくなるでしょう。
支払い金額やお釣りの計算を電卓などで行っている店舗では、たびたび精算ミスが発生します。 自動釣銭機を設置すれば、正確な計算が可能になり、精算ミスの削減に役立ちます。 機械による計算のため、利用客に納得してもらいやすいのもメリットです。 精算ミスがなくなれば、閉店後のレジ締め作業の負担も軽減できるでしょう。
多くの自動釣銭機は、クレジットカードの決済にも対応しています。 そのため、現在キャッシュレス決済に対応していない店舗や、独立した端末でクレジットカード決済を行っている店舗にもおすすめです。 現代では若者を中心にキャッシュレス化が進んでおり、積極的に対応することで客層の幅を広げられます。 このように、自動釣銭機は店舗と顧客の双方にメリットがあります。
自動釣銭機を設置する場合は、メリットだけでなくデメリットも考慮した上で、最適な方法を選択する必要があります。 こちらでは、自動釣銭機の導入によって考えられるデメリットや注意点を解説します。
先に紹介した通り、自動釣銭機の設置には費用がかかります。 購入の場合は初期費用、レンタルやリースの場合はランニングコストが必要です。 その他にも定期点検やメンテナンス費用がかかるケースもあるため、導入前に確認しましょう。
自動釣銭機は、機種によって使用できない硬貨や紙幣がある点もネックです。 例えば、流通量が限られている2000円札や一部の500円硬貨は、端末によっては対応していません。 これらのお金を使用したいお客様がいる場合は、有人レジに案内するか両替を行う必要があります。
自動釣銭機のサイズはさまざまですが、設置には一定の広さが必要です。特に、セミセルフのようにレジと自動釣銭機を分けて設置する場合は、スペースに余裕を持たせましょう。 また、省スペースに設置できる卓上タイプの機種も登場しているため、自動釣銭機メーカーなどに相談してみるのもおすすめです。
自動釣銭機は精密機器であり、使用中にエラーや小銭が詰まるなどのトラブルが発生する可能性があります。 運用時のリスクをゼロにするのは難しいため、定期メンテナンスやトラブル発生時の保守サービスの充実した提供会社を選ぶと良いでしょう。 自動釣銭機を設置する際は、上記の点に注意する必要があります
自動釣銭機によくあるトラブルを解説します。
自動釣銭機に入金する際、紙幣や硬貨を一度に大量に入金したり、折ったままの紙幣を入金したりすると機器が詰まってしまう可能性があります。 万が一、紙幣や硬貨が詰まってしまった場合には、スタッフが対応することが必要です。マニュアルを作成するとともに、詰まりが解消するまでのつなぎとして手動で釣銭を渡せるように予備のキャッシュドロアを用意しておくと安心です。
●「自動釣銭機が接続されていません」というエラー表示が出る場合 【対処法】
●「COMポートが見つかりません」と表示される場合 【対処法】
●「通信タイムアウト」などのエラーが出る場合 【対処法】
従来の会計システムに慣れている方や高齢者は、新しい自動釣銭機を利用した会計に手間取ってしまう可能性があります。スムーズな操作ができるまで、しっかりとサポートすることが顧客満足度にも直結するでしょう。 そのためには、導入前にスタッフのサポート体制を明確にしておくことが必要です。導入直後はサポートスタッフを多めに配置したり、使い方のサポートの仕方をレクチャーしたりしましょう。
自動釣銭機を運用する場合、現金をしっかり準備することが欠かせません。営業日に現金が不足してしまうと、お客様をお待たせしてしまうことになります。店舗に予備の現金があれば両替の対応だけで済みますが、現金が店舗にない場合には銀行に行かないといけないこともあるでしょう。
営業日に両替対応する機会を減らすには、定期的に現金を確認するようにしましょう。また、釣銭が不足した際にアラームで通知してくれる機能を搭載した機器を選ぶことも一つの手です。
2024年7月ごろを目安に千円札、五千円札、一万円札の3種類が改刷され、新紙幣が発行されます。 自動釣銭機は、紙幣を見分けられるようにプログラミングされているため、現在の紙幣のみ投入できるようになっています。そのため、新紙幣に対応した自動釣銭機を導入しないと、新紙幣を使用できなくなってしまうのです。 自動釣銭機を導入する際には、新紙幣に対応しているかどうかを確認することが必要です。 これまで業種や店舗規模を問わず、さまざまな企業にPOSレジを提供している株式会社ユニエイムの「CASHIER」の自動釣銭機や券売機では、2024年7月の新札対応が可能です。気になる企業の方は、ぜひ「CASHIER」のホームページをご覧ください。
本体の価格は、機能や自動釣銭機メーカーに応じて上下します。 新品で購入する場合は、1台あたり30〜100万円が相場です。また、POSレジを併せて導入する場合は、さらに費用が上乗せされます。 ただし、POSレジの導入費用はレンタル・リースにすることで初期費用を大幅に抑えられます。自動釣銭機とPOSレジの両方を取り扱っているメーカーに、導入費用を抑える方法について相談してみると良いでしょう。
自動釣銭機のスムーズな導入を実現するためには、まず以下の3つの観点から準備を進めることが重要です。
●店舗環境の評価
まず、自動釣銭機がスムーズに運用できる環境かどうかを確認しましょう。スペースや電源、POSレジとの設置位置関係を含めた「物理的な条件」が整っていなければ、せっかく導入しても使いづらくなってしまいます。
確認リスト(店舗環境評価)
●必要機能の洗い出し
店舗によって必要な機能は異なります。導入する機種によって対応している機能が変わるため、自店舗にとって本当に必要な機能を整理することが、最適な機種選定の第一歩です。
確認リスト(必要機能の洗い出し)
●スタッフ教育計画
自動釣銭機をスムーズに運用するためには、スタッフの理解とスキルが不可欠です。新人だけでなく、ベテランスタッフも「新しい機器の扱いに不安を感じる」ことがあります。
事前に教育計画を立てておくことで、導入後の混乱を最小限に抑えられます。
確認リスト(スタッフ教育計画)
以下では、さらに自動釣銭機の導入前に確認すべきポイントを振り下げて解説します。
以下では、小規模・中規模・大規模それぞれの店舗に適した選定基準を紹介します。
●小規模店舗(来客数:1日50〜150人/取引量:1日50〜200件程度)
レジ1台体制が中心で、スタッフ数も少ない業態(個人経営の飲食店、雑貨店など)に向いています。コンパクトで操作がシンプルな機種がおすすめです。
選定ポイント
●中規模店舗(来客数:1日150〜500人/取引量:1日200〜800件程度)
複数レジを運用している店舗や、スタッフの入れ替わりが比較的多い業態(ドラッグストア、チェーン飲食店など)に最適です。現金処理スピードとトラブル対応のしやすさが重要となります。
選定ポイント
●大規模店舗(来客数:1日500人以上/取引量:1日800件以上)
会計処理のスピードや耐久性、複数台管理に強いモデルが必要です。スーパーマーケットや大型ホームセンターなどが該当します。
選定ポイント
このように、店舗の規模や業態によって必要な機能は大きく異なります。自社の来客数や会計の頻度を把握したうえで、無駄のないスペックの機種を選ぶことが業務効率の最大化につながるでしょう。
自動釣銭機の導入前には、今使っているPOSレジとの互換性を必ず確認しましょう。連携できない機種を選んでしまうと、正しく動作せず無駄なコストが発生する恐れがあるためです。 たとえば、東芝テックのPOSレジは、多くの自動釣銭機と高い互換性を持っており、導入実績も豊富です。専用のドライバーソフトを使用することで、釣銭の受け渡しから精算までスムーズに連携でき、業務の安定性が確保されます。 連携テストを行う際は、以下の操作を試してみてください。
万が一、互換性が確認できない場合は、いくつかの対処法があります。まずはPOSレジ側のソフトウェアを最新バージョンにアップデートして対応できるかを確認しましょう。 それでも難しい場合は、別の互換性のある自動釣銭機を選び直すか、POSレジと連携せずに自動釣銭機を単独で使用する「手動運用」の方法も検討する必要があります。
以下は、一般的な導入時にかかる初期費用の内訳とその目安です。
項目 | 内容 | 金額の目安(税込) |
本体価格 | 自動釣銭機本体(紙幣・硬貨対応モデル) | 約40万~70万円 |
設置工事費 | 機器の搬入・接続・初期設定 | 約3万~10万円 |
トレーニング費用 | 操作方法やメンテナンスの研修 | 約1万~3万円/1回 |
保守契約費 | 故障時対応や定期点検(年間契約が一般的) | 年間約3万~8万円 |
主なランニングコストの内訳と相場は以下のとおりです。
業種別の月額費用の目安(1台あたり)
業種例 | 月額合計の目安(保守+消耗品) | 費用対効果のポイント |
小規模飲食店 | 約3,000~6,000円 | 現金ミス削減・ワンオペ対応に効果大 |
小売店 | 約4,000~7,000円 | 会計の効率化と混雑緩和に貢献 |
薬局・医療機関 | 約5,000~8,000円 | 正確な会計処理と感染対策(非接触対応)に有効 |
スーパーなど大規模店舗 | 約8,000~12,000円 | 複数台運用で大量処理を安定化 |
自動釣銭機の導入は決して安くない投資です。しかし、人件費削減やミス防止、業務効率化による売上向上といった効果を金額換算すれば、導入にかかる費用をどれくらいの期間で回収できるか(投資回収期間)を具体的に算出できます。 ROI(Return on Investment:投資利益率)は、ROI(%)=(年間効果金額 ÷ 導入コスト)× 100で計算可能です。 回収期間は、回収期間(月)= 導入コスト ÷ 月間効果金額で算出できます。 たとえば、飲食店でレジ1台に自動釣銭機を導入した場合の効果を具体的な金額で見てみましょう。
項目 | 年間効果金額の目安 |
人件費削減(1日30分短縮×時給1,100円) | 約20万円/年(=1,100円×0.5h×365日) |
会計ミスによる損失防止 | 約3万円/年 |
会計効率化による回転率・売上アップ | 約5万円/年(混雑時の離脱防止など) |
合計 | 約28万円/年 |
仮に導入コストが70万円だった場合、ROIは 約40%(=28万円÷70万円×100)投資回収期間は 約30ヶ月(=70万円÷約2.3万円/月) となります。
自動釣銭機は、店舗運営の効率化や現金管理の精度向上に欠かせないツールです。 この章では、主要メーカー4社の製品を比較し、それぞれの特徴や導入メリットを詳しく解説します。
つりペイ君は、コンパクトさと高い実用性を兼ね備えた自動釣銭機です。特に省スペース設計が特徴で、狭いカウンターでも簡単に設置できる点が大きな魅力です。また、硬貨の収納容量が多く、頻繁な補充が不要なため、スタッフの作業負担を軽減します。衛生面でも抗菌素材を使用しており、清潔な環境を維持しながら顧客に安心感を提供します。 この製品は、小規模店舗から大規模チェーンまで幅広く対応可能で、特に飲食店や小売店において効果的です。硬貨と紙幣の両方に対応しており、1円から1万円までの金種を取り扱えるため、幅広い顧客ニーズに応えることができます。操作性もシンプルで、新人スタッフでもスムーズに使用できる点も魅力です。
■おすすめポイント
■対応金種
■価格
ECS-777は、直感的な操作性と多機能性が魅力の自動釣銭機です。このモデルは、特に繁忙期の店舗運営をサポートするための機能が充実しています。LED付きの入出金口により、操作が非常に分かりやすく、顧客やスタッフが迷うことなく現金の受け渡しを行えます。 また、一時保留機能を搭載しているため、顧客が支払いを間違えた場合でも安心して対応できます。さらに、現金の再計数機能により、釣銭不足や過剰入金といった問題を防ぐ設計です。これらの機能は、現金を扱う際のトラブルを大幅に軽減します。
■おすすめポイント
■対応金種
■価格
CR-20シリーズは、効率性を追求した設計で、業界トップクラスの会計スピードを実現したモデルです。この製品は、忙しい店舗での使用に特化しており、硬貨や紙幣が詰まった際にも自動復旧するオートリセット機能を搭載しています。これにより、スタッフが迅速に問題を解決でき、店舗の運営を妨げることがありません。 また、1円から1万円までの幅広い金種に対応し、収納容量も十分に確保されています。さらに、簡単な操作パネルを採用しているため、新人スタッフでもすぐに使いこなせます。特に、飲食店や観光地の売店など、会計処理が頻繁に行われる店舗でその性能を発揮します。
■おすすめポイント
■対応金種
■価格
ACE-100は、シンプルな操作性を重視した自動釣銭機です。このモデルは、特に紙幣の上部投入方式を採用しており、年配のスタッフや初心者でも簡単に使用できる設計となっています。また、直感的に操作できるインターフェースにより、会計ミスを最小限に抑えることが可能です。 さらに、メンテナンスが容易で、内部のクリーニングや詰まり解消も簡単に行えます。この特性により、日常的な運用の負担が少なく、スタッフの負担軽減に寄与します。手頃な価格設定も特徴で、初めて自動釣銭機を導入する店舗にも適しています。
■おすすめポイント
■対応金種
■価格
自動釣銭機の導入は、会計業務の効率化や現金管理の精度向上に大きく寄与します。 ここからは、導入時に考慮すべき3つのポイントとその導入方法を解説します。
自動釣銭機の運用方法は主に「入金優先運用」と「釣銭優先運用」の2種類があります。
【入金優先運用】
顧客が直接現金を投入し、機械が自動で釣銭を計算・返却します。これにより、金額入力の手間が省け、受付による計算ミスを防止できます。また、顧客が現金に直接触れないため、衛生面でも安心です。ただし、処理スピードが若干遅くなる場合があります。
【釣銭優先運用】
受付が預かり金を入力し、先に釣銭を支払い、その後に顧客が現金を投入する方式です。これにより、会計処理のスピードアップが期待でき、顧客の待ち時間を短縮できます。しかし、預かり金の登録ミスが起こる可能性があるため、注意が必要です。 店舗の業態や顧客層に応じて、最適な運用方法を選定することが重要です。
自動釣銭機の導入費用は、機種や機能によって異なりますが、新品の場合、約80万円〜100万円程度が相場とされています。これは本体のみの価格であり、POSレジなどを追加するとさらに費用がかかります。コストを抑える方法として、以下の点が挙げられます。
【補助金・助成金の活用】
自治体や政府が提供する補助金や助成金を利用することで、初期費用を削減できます。最新の情報を収集し、適用可能な制度を確認しましょう。
【レンタル・リース・サブスクリプションの利用】
購入以外の選択肢として、レンタルやリース、サブスクリプションサービスを利用することで、初期投資を抑えつつ最新の機器を導入できます。 これらの方法を検討し、予算に合わせた導入計画を立てることが重要です。
自動釣銭機はメーカーや機種によって、機能や性能、価格が異なります。主要メーカーの製品を比較し、店舗のニーズに合った機種を選定することが重要です。例えば、以下のメーカーが挙げられます。
【東芝テック株式会社|VITESE(ヴィッテス)】
操作性に優れ、トラブル時の対処が容易なモデルです。業界初の電磁ロック機能を搭載し、時間効率の向上が期待できます。
【日本電機株式会社(NEC)|FAL3(ファルスリー)】
業界トップクラスの処理速度を持ち、スピーディーな会計処理が可能です。電磁ロック採用で操作ミスを防止します。
【沖電気工業株式会社|CR-20シリーズ】
オートリセット機能を搭載し、紙幣や硬貨の詰まりを自動復旧します。紙幣部と硬貨部を分離でき、設置スペースに柔軟に対応します。
【富士電機株式会社|ECS-777】
ガイドランプ搭載で操作が簡単。硬貨999円を3秒で引き出し、スムーズな会計を実現します。
各メーカーの製品仕様や価格、アフターサポート体制を比較し、最適な機種を選定しましょう。 以上のポイントを踏まえ、自動釣銭機の導入を検討することで、店舗の業務効率化と顧客満足度の向上が期待できます。
以下のチェックリストをもとに、現場での運用をスムーズに進めましょう。 日常点検の方法チェックリスト
スタッフ教育のコツチェックリスト
トラブル時の対応フローチェックリスト
効果的な清掃・メンテナンス方法は以下のとおりです。
項目 | メンテナンス内容 | 推奨清掃用品 | メーカー別のポイント |
日次 | ・紙幣・硬貨の残量チェック ・投入口・排出口の拭き掃除 ・画面や外装の汚れ確認と清掃 | ・乾いた柔らかい布 ・市販の静電気防止クロス | 【グローリー】:毎日の簡易清掃を推奨 【東芝テック】:日次点検でPOSとの連携確認を推奨 |
週次 | ・紙幣搬送部・センサー周辺の軽い清掃 ・排出部・通気口のホコリ除去 ・ファンの動作確認 | ・綿棒、小型ブラシ ・清掃用エアダスター | 【富士電機】:ファンや吸気口にホコリが溜まりやすいため、週1回のエアダスター使用が効果的 |
月次 | ・内部の清掃(清掃モード利用) ・紙幣・硬貨センサーのクリーニング ・全体の動作テスト | ・メーカー指定のクリーニングカード ・綿棒や専用ブラシ | 【グローリー】:月1のセルフメンテナンスモード推奨 【富士電機】:パネルを開けての内部清掃が簡単に可能 |
店舗にもよりますが、新人教育では以下のような内容を行います。
研修は1〜2日程度で基本操作を身につけられる内容にすると、現場への導入もスムーズです。以下は新人向けの一例です。
日程 | 内容 | 時間目安 |
初日 | 基本操作・会計の流れ確認 | 1時間 |
2日目以降 | 実機練習・エラー対応 | 1時間 |
自動釣銭機を設置する際の最大の課題といえば、コスト面ではないでしょうか。 こちらでは、自動釣銭機の導入時に活用できる補助金をご紹介します。気になるものがある場合は、公式ホームページをご確認ください。
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が販路開拓などにかけるコストの一部を助成する制度です。1年に複数回公募されており、指定の書類に必要事項を記入して提出すると審査を受けられます。補助金の上限額は最大200万円で、取り組みの内容に応じて変動します。
IT導入補助金は、中小企業等がITツールを導入する際に必要となる費用を補助する制度です。業務効率化に資するソフトウェアはもちろん、ハードウェアの導入にも利用できます。具体的には、自動券売機やPOSレジなどが対象となっています。
業務改善助成金は、中小規模事業者の業務効率改善に関する取り組みをサポートする補助金制度です。具体的には、生産性向上に役立つ取り組みを行い、その結果従業員の賃金を引き上げた場合に助成金を受け取れます。自動釣銭機をはじめとした設備の導入はもちろん、人材育成や教育訓練の実施なども支給の対象です。
ものづくり補助金は、生産性向上に役立つ設備投資を支援する仕組みです。取り組みの内容に応じていくつか枠が用意されており、事業者は対応するものに申請を行います。ホームページには利用事例が掲載されており、さまざまな分野で活用されていることがわかります。 自動釣銭機の費用が負担になる場合は、こちらの補助金の利用を検討してみてください。
ここからは、よくある質問について解説します。
国税庁が定める自動釣銭機の法定耐用年数は5年と定められており、どのメーカーでも共通です。ただし、これはあくまで減価償却の基準であり、実際に使用できる年数は大きく異なります。 自動釣銭機を長く使い続ける方法としては、以下のポイントが重要です。
停電時は、以下のような手順で手動対応を行います。
スタッフ向けに「停電時のマニュアル」を用意しておくと、万が一の時にスムーズに対応できるでしょう。 一例として、機種別の対応方法の違いを以下の表にまとめました。
メーカー・機種 | 停電時の対応 |
グローリー製 | 一部機種にUPS搭載。電源遮断時は自動で取引停止。復電後に再接続が必要 |
富士電機製 | 即時停止。復電後はPOS再起動と釣銭機の再接続操作が必要 |
初期費用は高額でも、人件費削減やミス防止によるコストカット効果を考慮すれば、数年で回収できるケースが多くあります。 業種別・規模別でみた、回収期間の目安は以下のとおりです。
業種・規模 | 目安回収期間 | 想定導入コスト | 年間削減効果の目安 |
小規模飲食店 | 約3~4年 | 約60万円 | 約15~20万円(人件費+ミス防止) |
中規模小売(レジ2台) | 約2~3年 | 約120万円 | 約40~50万円(人件費+効率化) |
薬局・クリニック | 約3年 | 約70万円 | 約70万円 |
大型スーパー | 約1~2年 | 約300万円(複数台) | 約150万円以上(人件費+処理時間短縮) |
自動釣銭機は購入するだけでなく、リースやレンタルで導入できます。初期費用を抑えて導入したい場合や、まずは試験的に使ってみたいという店舗にとって有効な選択肢です。 リース契約は3年〜6年の長期契約が一般的で、途中解約はできません。毎月一定額を支払うことで機器を使用し、契約満了時には返却または再リースとなります。 一方でレンタル契約は1ヶ月〜1年単位の短期契約が可能で、イベント利用や短期運用に向いています。購入や長期契約に比べて割高になることもあるので注意が必要です。 CASHIERでは、リース・レンタルの相談が可能です、機種の選定や保守プランの提案も一括で相談できるため、初めて導入する店舗はぜひお問い合わせください。
自動釣銭機の導入は、業務の効率化やコスト削減など店舗にさまざまな恩恵をもたらします。 端末によってはコスト面が課題となりますが、補助金を利用すれば負担を減らせます。 レジ業務が煩雑化して対応に追われている場合は、自動釣銭機の設置を検討しましょう。