POSレジを導入したいけれど、そもそもどのような仕組みでどのように導入すればいいのかいまいちわかっていない方は多いのではないでしょうか。事前に仕組みを理解しておくことで、自社のビジネスにとって必要かどうかを理解したうえで導入できるようになります。
そこで本記事では、POSレジの仕組みや最低限の機能、そして導入の流れについて詳しく解説していきます。
この記事でわかること
【今回のコラムをざっくりまとめると…】
この記事では、POSレジの基本的な仕組みとその機能について解説されています。POSレジは、売上管理、在庫管理、顧客管理など、多くの業務を一元化するツールです。特に、データ分析を通じて経営判断を支援し、業務効率化を促進します。また、導入時にはシステム選定やカスタマイズの重要性についても言及されています。
POSレジとは「販売時点情報管理(Point Of Sales)」の機能を保有した金銭登録機(レジスター)です
決済機能だけでなく、商品情報とバーコードを紐づけることで販売数量や時間といったデータの集計、顧客の年代、性別といった属性も会計時に登録可能となっています。
集計後はストアコントローラーなどのコンピュータにて自動保管されて、商品名などが整理された状態で個別のPOS端末へ送信される仕組みです。
これらの仕組みをまとめてPOSシステムと呼び、このシステムが搭載されたPOSレジを導入すれば、特定店舗内やグループ間での売上管理、施策立案などに役立つ上に、返品処理などで混乱しがちな在庫管理も効率化できるでしょう。
ここからは、以下4つのPOSレジの種類について確認していきましょう。
いずれも異なる特徴を持っているため、ぜひ参考にしてください。
ターミナル型POSレジは最も導入件数の多いタイプであり、業種や顧客情報に応じてPOSレジシステムをカスタマイズできる特徴があります。
そして、導入コストは1台あたり数万~10万円程度と比較的高価ですが、現在は初期費用不要のレンタルを提供している企業も増加傾向です。
また、サポート体制が充実したサービスを選べば、よりスムーズにPOSレジ導入が行えるでしょう。
パソコン型はターミナルPOSシステムとは異なり、既存の端末に専用ソフトをインストールする形となります。
スキャナーやプリンターなどを別途用意する手間はありますが、メインのコストはソフト代金のみであり、使い慣れたパソコンでPOS機能が利用できる点は大きなメリットです。
片手で持ち運べるハンディターミナル型は、コンパクトな端末の中にPOSレジ機能が搭載された取り回しやすいツールです。
実際にPOSデータを集計、分析するにはパソコンPOSシステムや後述するタブレット型POSレジと併用する必要がある一方、会計やスキャンは1台あれば十分行えます。
そのため、売店などの小規模な店舗を運営する方には、最適といえるでしょう。
スマートデバイス型は、タブレットなどにアプリとして導入するタイプであり、手軽さが人気の要因です。
ターミナル型ほどのカスタマイズ性は備わっていないものの、売上情報や在庫管理はクラウド上で行われるため、容量を気にせず使えるメリットがあります。
もちろん、端末代金も比較的安価で済むことから、低コストなPOSシステム導入を目指す方に向いているでしょう。
POSレジの種類については、コチラの記事でも解説しています。
様々なPOSレジの種類を解説したところで、次は具体的な機能について解説していきます。
それぞれきちんと押さえておきましょう。
売上管理機能は、どのような端末にも搭載されている基本仕様であり、バーコードをスキャンして会計を処理するだけで、メインコンピュータに情報が蓄積されていきます。
また、当日の合計値だけでなく、1ヶ月などの特定期間やこれまでの総額に関しても手早く集計できるため、紙媒体で帳簿をつけるよりも格段に効率的な分析が行えるでしょう。
バーコードに紐づけて商品のジャンルや価格、固有名を登録すれば、会計と同時に売上計上と全体の残数なども差し引かれるため、煩雑になりがちな商品管理も容易となります
POSシステムによっては、在庫数が一定以下となった際の自動発注機能も搭載しており、棚卸しや発注業務に要される労力と人件費の削減効果も期待できるでしょう。
複数店舗を運営している場合は、店舗間の在庫移動記録に加えて全体の一元管理も行えることから、運営の規模を問わず利便性の高い機能といえます。
POSレジは「売上」と「商品」だけでなく、勤怠管理機能も搭載しており、日常的な集計作業の合間に従業員の労働状況までチェックできるのです。
加えて、システムによっては給与計算まで自動で行えるため、残業や欠勤によって発生する計算などもすべてワンストップで完結するでしょう。
さらに、シフト表のサポート機能を保有していれば、最大限効率的な人員管理が行えます。
POSレジの機能については、コチラの記事でも解説しています。
ここからは、POSシステム導入の具体的な流れを解説します。
現在導入を検討している方は、きちんと把握しておきましょう。
最初に、現状抱えている課題の洗い出しや、POSシステムで解決したい問題を明確にしていきましょう。
たとえば、単純に会計の手間を削減したいならターミナル型のセルフ・セミセルフレジが適切ですが、小規模な店舗であればタブレットPOSシステムもおすすめです。
ただし、マーケティングを重視する場合はさらにタイプを熟考しなければならないため、従業員の意見も聴取しつつ、できる限り詳細に課題を整理してみてください。
POSレジを導入する上では、予算の設定も大変重要なポイントであり、できる限り策定した課題に対して最適なコスパを備えたPOSシステムを選ぶ必要があります。
具体的に、ターミナル型は一台10万円程度と比較的高価ですが、パソコン型のように外部機器を揃える手間がなく、スマートデバイス型よりもカスタマイズ性が高水準です。
ただし、手軽さだけを求めるならハンディターミナル型とソフトウェアを組み合わせるのも効果的であるため、きちんとトータルバランスを見極めましょう。
参考までに、現在は初期費用やサポート料金がかからないレンタル形式のターミナルPOSレジも提供されています。自社のニーズをベースにしつつ、様々なサービスを比較検討してみてください。
機能の概要と予算からPOSシステムを選定したら、さっそく複数の導入企業と打ち合わせを行い、見積りを提示してもらいましょう。
また、導入後は不明点やトラブル時の問合せを頻繁に行うケースもあるため、きちんとコミュニケーションが取れるかも大変重要なポイントです。
そして、これまでの実績を確認しつつ、コスト面でも調整がついた企業と契約手続きに進みます。
無事に契約が済んだ後は、店舗の販売スペースにPOSシステムを導入していきましょう。
初期設定までパッケージに含まれている場合は別ですが、パソコン型などは自身でソフトウェアをセットアップしなければならないケースが多い傾向です。最後に、従業員へ操作方法のトレーニングを実施すれば、POSシステム導入は完了となります。
どのタイプでも基本的な流れは変わらないため、現在検討している方は1つずつ手順を確認しながら、着実に進めてみてください。
本記事では、POSレジの仕組みや導入前に知っておくべき最低限の機能について解説しました。これからPOSレジを導入する場合には、POSレジの機能や特徴を理解した上で、導入することが大切です。