
店舗運営 【今回のコラムをざっくりまとめると…】
QRコード決済のレジ操作は簡単!店舗が知っておきたい操作方法と、お客様に提示してもらう「顧客提示型」やお店が提示する「店舗提示型」の違い、さらに導入メリットや注意点を解説します。

QRコード決済のレジ操作には、大きく分けて「顧客提示型(ストアスキャン)」と「店舗提示型(ユーザースキャン)」の2種類が存在します。
どちらの方法を採用するかによって、必要な機器やスタッフの動き、お客様のアクションが異なります。それぞれの特徴と操作の流れを見ていきましょう。
「顧客提示型」は、その名の通りお客様が自身のスマートフォンでQRコードを提示し、店舗側がそれを読み取るやり方です。一般的に「ストアスキャン方式」とも呼ばれ、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、ドラッグストアなどの大手チェーン店で多く採用されています。
【基本的な操作フロー】
1.商品の登録:通常通りレジで商品をスキャンし、合計金額を算出します。
2.決済手段の選択:お客様が利用するQRコード決済を申告し、スタッフがレジの決済画面で該当の決済方法を選択します。
3.コードの提示:お客様がスマホアプリ上のバーコード(またはQRコード)を提示します。
4.読み取り:お店のPOSレジなどの端末で、ユーザーが提示したバーコードやQRコードを読み取ります。
5.決済完了:読み取りと同時に決済が完了し、レシートが発行されます。取引金額は加盟店側が入力(POS連携していれば自動連携)します。
【特徴とメリット】
この方式の最大のメリットは、会計スピードの速さです。お客様側で金額を入力する手間がなく、スタッフがスキャンするだけで完了するため、数秒で支払いが終わります。レジ待ちの行列ができやすい店舗や、回転率を重視する店舗に非常に適しています。
ただし、バーコードを読み取るためのスキャナーや、コード決済に対応したPOSレジシステムが必要となるため、導入コストが後述の店舗提示型に比べて高くなる傾向があります。
「店舗提示型」は、店舗がQRコードを提示するやり方です。お客様が店舗のQRコードを自身のスマホアプリで読み取る方法で、「ユーザースキャン方式」とも呼ばれます。
QRコードが印刷されたスタンドをレジ横に置く「静的QRコード」と、決済端末やタブレットに会計ごとのQRコードを表示させる「動的QRコード」の2パターンがあります。
【基本的な操作フロー(金額入力が必要な場合)】
1.合計金額の提示:口頭またはレジ表示で、お客様に支払金額を伝えます。
2.QRコードの読み取り:お客様がレジ横のQRコードをスマホでスキャンします。
3.金額の入力:お客様自身がスマホアプリ上で、請求金額を入力します。
4.画面確認:お客様が入力した金額の画面をスタッフに見せ、スタッフは金額に間違いがないかを目視で確認します。
5.決済実行:確認後、決済アプリでQRコードをその場で作成するなどして支払ってもらいます。取引金額は加盟店側が入力します。
【特徴とメリット】
店舗提示型のメリットは、導入のハードルが低いことです。特に、印刷したQRコードを設置するだけの方法であれば、専用の読み取り端末やPOSレジ改修が不要なため、初期費用を大幅に抑えることができます。
一方で、お客様による金額入力と、スタッフによる画面確認の工程が発生するため、ストアスキャン方式に比べると会計に少し時間がかかります。また、金額の入力ミスや確認漏れが起きないよう、スタッフがしっかりと目視確認を行うオペレーションの徹底が必要です。

具体的な操作方法を理解したところで、その裏側にある「仕組み」についても簡単に触れておきましょう。仕組みを知ることで、万が一のトラブル時にも落ち着いて対応できるようになります。
QRコード決済は、QRコードを利用したキャッシュレス決済のことで、「コード決済」や「スマホ決済」とも呼ばれます。
その核心は、スマホアプリと店舗の決済システムが連携して金銭のやり取りを仲介している点にあります。
初回支払いの際は、ユーザーはQRコードアプリをインストールし、決済に使用する金額を入金しておくか、銀行口座と紐づけておくことで利用できるようになります。
お金の流れのイメージ
1.決済時:QRコードを介して、お客様のアカウント情報と店舗の売上情報が瞬時に照合されます。
2.データ通信:決済代行会社やサービス提供元のサーバーへ情報が送られ、「残高は足りているか」が判定されます。
3.支払い完了:問題なければ決済が承認され、お客様の残高から店舗への支払いが確定します。
この仕組みにより、現金やクレジットカードを使わずに、迅速かつ安全な支払いが可能となります。物理的な現金の受け渡しがないため、衛生的でもあります。

QRコード決済の導入は、単に「支払い方法が増える」だけではありません。店舗運営の効率化や集客において、計り知れないメリットをもたらします。ここでは、具体的な4つのメリットを解説します。
近年、QRコード決済の利用範囲は急速に拡大しています。
日常の買い物だけでなく、自動車税や住民税などの税金、ふるさと納税の寄付金支払いなど、日常の支払い以外にも利用範囲が拡大しています。
これほど生活に密着した決済手段となっているため、お客様にとっては「財布を持たずにスマホだけで外出する」ことが当たり前になりつつあります。
多様な決済手段を導入することで、お店の利便性を高め、顧客増加につなげられるでしょう。
ランチタイムやセールの混雑時、レジ前でお客様をお待たせしてしまうことは、店舗にとって大きな課題です。
QRコード決済は、コードを読み取るだけで決済が完了するため、レジの待ち時間の短縮に繋がります。
現金決済のような小銭の受け渡しやお釣りの計算が不要になるため、物理的な作業時間が大幅に減ります。お客様にとって会計を待つストレスが軽減されるため、良い口コミが広がり新規顧客の獲得に繋がる可能性があります。
現金を管理する際には、紛失防止の警備費、人件費、売上金の振込手数料など、見えないコストが多くかかりますが、キャッシュレス化によってこれらを削減できます。
また、スタッフによる金銭授受のミスを減らし、お釣りの渡し間違いといったトラブルの発生割合を減らすことが可能です。
レジ締め作業の時間短縮にもなり、スタッフの残業削減や働き方改革にも貢献するでしょう。
新型コロナウイルスの影響が落ち着き、再び訪日外国人観光客(インバウンド)が増加しています。
海外では日本よりもキャッシュレス決済が普及しています。特に、中国や韓国でもQRコード決済が日常的に利用されています。
このような外国人観光客にとって、自国で使い慣れた決済手段が使えるかどうかは、店選びの重要なポイントです。
複数の決済ブランドに一括対応できる決済代行サービスを利用することで、インバウンド需要を取りこぼすことなく、購買機会の損失を防ぐことができます。

多くのメリットがあるQRコード決済ですが、導入にあたってはいくつか注意すべきポイントがあります。
まず、スマートフォンやタブレット、専用の決済端末などのデバイスを導入する必要があります。店舗の環境に合わせて、最適なデバイスを選ぶ必要があります。
次にコスト面です。QRコード決済導入の際には、決済手数料や初期費用、入金サイクルなどを事前に確認しておくことが重要です。特に入金サイクルは資金繰りに直結するため、自店のキャッシュフローに合ったサービスを選びましょう。
また、オペレーションの複雑化にも注意が必要です。複数の決済サービスを導入する場合、それぞれの専用端末やQRコードが増え、レジ操作が複雑になる可能性も考慮する必要があります。
最後に、導入後も、トラブル発生時の対応フローや従業員への周知を徹底することが大切です。通信エラーや読み取り不良が起きた際にスムーズに対応できるよう、マニュアルを用意しておきましょう。

本記事では、QRコード決済のレジ操作方法や仕組み、メリット、導入の注意点について解説しました。
QRコード決済は、メリットが大きいことから利用者が増加しているため、需要の拡大に合わせ、導入を検討してみましょう。
店舗の利便性を高め、業務効率化を図るためにも、QRコード決済の導入は非常に効果的です。
しかし、注意点でも触れた通り、「どの端末を使えばいいのか」「操作が複雑にならないか」という悩みもつきものです。
CASHIERではQRコードを含めた豊富な決済手段に対応した決済端末やPOSレジを揃えているので、「QRコード決済を導入したいけどレジが非対応機種で悩んでいる」という事業者におすすめです。
POSレジと決済端末が連動していれば、金額の二度打ちが不要になり、ストアスキャン方式でのスムーズな会計が実現します。ぜひこの機会に検討してみてください。