
POSの基礎知識 決済方法が多様化している現代では、キャッシュレス決済も珍しいものではなく、店舗経営においてもキャッシュレスの需要に応えるべく導入が進んでいます。
そのため、業務効率の実現やデータ収集に優れているPOSレジの導入時に、キャッシュレス決済の導入も検討するべきです。
そこで本記事では、セルフレジの概要やキャッシュレス決済を導入するメリット、注意点について詳しく解説します。
【今回のコラムをざっくりまとめると…】
この記事では、セルフレジとキャッシュレス決済の組み合わせによる業務効率化の効果を解説しています。会計時間の短縮や人件費削減が可能になり、顧客満足度も向上します。また、現金管理の手間が減り、セキュリティ面でもメリットがあります。導入の際には、店舗の運営形態に合ったシステムを選ぶことが重要です。
※関連記事:【2025年最新】セルフレジとは?メリット・デメリットから導入までの種類と選び方

セルフレジは、顧客自身が商品登録から決済までを行う会計システムです。 仕組みは以下の様になっています。
主な構成要素は、商品情報を瞬時に読み取る「バーコードリーダー」、顧客が操作する「タッチパネル」、現金やカード・電子マネー決済を行う「決済端末」などです。
最近では、非接触型で衛生的なキャッシュレス専用機種も増えています。操作が簡単で人手不足の解消にもつながり、多くの店舗で導入されています。
関連記事:セルフレジはどう動く?仕組み・使い方・導入ポイントをわかりやすく解説
店舗スタッフがセルフレジを操作・管理する際の手順は4ステップです。
①【商品登録サポート】 お客様が商品のバーコードを正しくスキャンできているかを確認し、読み取りエラーの場合は手動で商品を登録します。
②【支払い方法案内】 操作が分からず戸惑っているお客様には、タッチパネル画面で支払い方法(現金、カード、電子マネー等)の選択を丁寧にご案内します。
③【決済トラブル対応】 決済端末のエラー(カード読み取り不良、現金詰まり等)が発生した場合は速やかに対応し、決済の完了までサポートします。
④【商品受け取り・退店支援】 支払い完了後、レシート発行や商品のお渡しがスムーズか確認し、お客様がストレスなくショッピングができるか見守ります。 スタッフ側の注意点としては次のようなものが挙げられます。

キャッシュレス決済とは、現金を使用せずに電子的な手段で行う支払い方法を指します。
主な手段として、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済の3つが挙げられます。 クレジットカードは、利用者が商品やサービスを購入し、後日まとめて代金を支払う仕組みです。高額商品の購入やオンラインショッピングなど、幅広い場面で利用されています。 電子マネーは、事前にチャージした金額内で決済を行うプリペイド型の手段です。
交通機関の利用やコンビニエンスストアでの少額決済に適しています。 QRコード決済は、スマートフォンのアプリを使用し、QRコードを読み取ることで即時に支払いが完了する方法です。近年、飲食店や小売店などで導入が進んでいます。 2023年の調査によれば、日本におけるキャッシュレス決済の利用率は約70.6%であり、その内訳は以下の通りです。
参照: NIRA総合研究開発機構
これらのデータから、クレジットカードが最も利用されていることが分かります。しかし、QRコード決済も近年急速に普及しており、今後さらに多様なキャッシュレス手段が広がることが期待されます。

イオンリテール株式会社
イオンは、買い物中に商品をスキャンし、レジでの会計をスムーズに行える「レジゴー」を導入。これにより、客単価が通常レジの1.3倍に向上し、2024年6月までに導入店舗数は300店舗を突破しました。 Bizcan
トライアルカンパニー
トライアルカンパニーは、ショッピングカートに小型モニターとバーコードスキャナーを搭載した「レジカート」を導入。これにより、レジ待ち時間を最短で従来の4分の1に短縮し、顧客満足度の向上を実現しています。 Bizcan+1ローソン+1
ローソン
ローソンでは、一部店舗で非対面のセルフレジを導入。顧客は商品のスキャンから決済までを自身で行うことができ、レジ待ち時間の短縮とスタッフ業務の効率化を図っています。 ローソン
ユニクロ
ユニクロは、全商品にRFIDタグを導入し、セルフレジで商品を置くだけで一括会計が可能なシステムを採用。これにより、会計時間の短縮とレジ業務の効率化を実現しています。 Buddycomマガジン
キャッシュレス決済とセルフレジの導入は、業務効率化と売上向上に大きく貢献しています。
日本スーパーマーケット協会のデータによれば、キャッシュレス導入により客単価が約10〜15%向上し、現金決済に比べて決済時間も約30%短縮されると報告されています。
出典:スーパーマーケット白書
また、セルフレジ導入により、年間770万円以上の人件費削減が可能とされ、複数台を稼働させることで業務の省力化が進みます。大手スーパーではレジ待ちの大幅短縮、コンビニでは無人レジによる省人化、専門店では接客向上と回転率アップといった効果が実証されており、業態を問わず導入価値が高まっています。

キャッシュレス決済の導入によって多くのメリットを得ることができますが、いくつかの注意点も把握しておく必要があります。
これから導入を考えている方は、事前にしっかりと理解しておきましょう。
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