セルフレジを導入する目的に「人材不足解消」や「人件費削減」、「業務効率化」などが挙げられる一方、導入により逆効果になるといった声を耳にすることがあります。
セルフレジを導入してみたいものの、「導入により効果を得られるのか」と不安になっている企業も多いでしょう。
そこで、この記事ではセルフレジを導入することが、逆効果になるのかどうかやその理由、効果的に導入するためのポイントについて解説します。
セルフレジは人材不足解消や人件費削減に逆効果なのでしょうか。結論からいうと、セルフレジは「人材不足解消や人件費削減、業務効率化に有効」な機器です。
しかし、逆効果になる場合も存在します。
その大きな理由には、「自店舗に適した形で導入できていない」ことが挙げられます。「セルフレジが普及しているから、自店舗でも導入しよう」とビジョンを決めず、安易に導入してしまうと、セルフレジのデメリットばかりが目立ってしまうのです。
実際には、自店舗に合わせてセルフレジを導入したことで、人材不足解消や人件費削減などの目的を実現している企業の方が多くあります。
この記事をご覧いただき、逆効果になる場合と課題を解決できる場合の違いを理解しましょう。
まずセルフレジの普及率や今後の設置意向のデータから、企業がセルフレジの効果を実感しているかどうかを確認します。
日本スーパーマーケット協会が公表している「2023年スーパーマーケット年次統計調査報告書」から、スーパーにおけるセルフレジの設置企業の割合と今後の設置意向を以下にまとめました。
【フルセルフレジ】
【セミセルフレジ】
このデータからわかるとおり、「セルフレジを設置している企業の割合」や「セルフレジ設置意向」は、2020年から2023年まで増加し続けています。そのためセルフレジ、セミセルフレジのどちらにおいても、設置したことによる効果を感じている企業が多いといえるでしょう
ここでは、セルフレジ導入によるメリット・デメリットを解説します。
セルフレジ導入による主なメリットを以下にまとめました。
セルフレジ導入による主なデメリットを以下にまとめました。
セルフレジ導入においては、メリット・デメリットのどちらも存在します。デメリットを最小限に抑えつつ、メリットを最大限に享受するには、事前の準備が必要になります。
ここでは、セルフレジの導入が逆効果になる理由を解説します。
自店舗に適した機器を導入できていないと、期待した効果が得られない可能性があります。
例えば小規模店舗や個人店舗において、ターミナル型の大型なセルフレジを導入すると、配置スペースを確保できず、従業員や顧客の導線を確保できなくなります。そうなると業務に時間や手間がかかり、思ったような効率化につながらなくなるでしょう。
また、ターミナル型のセルフレジは高性能でカスタマイズできることが強みですが、小規模店舗や個人店舗においては最低限の機能で間に合うケースも多くあります。その場合にはコストがかかりすぎることから、費用対効果が悪化してしまうでしょう。
最近ではスリムなセルフレジもありますが、一般的なセルフレジは十分にスペースを確保することが必要です。セルフレジの導入により商品の陳列スペースを削る必要がある場合には、費用対効果を十分に検討しましょう。
またセルフレジを導入する場合、これまでの有人レジとは従業員の接客オペレーションを変更しなければなりません。特に、すべての会計作業を顧客が行うフルセルフレジの場合には、顧客サポートを重視したオペレーションを検討することが必要です。
例えば「店内を巡回するスタッフが2人」と「レジサポートをするスタッフが1人」と定められている場合でも、「レジサポートをするスタッフ」が顧客のサポートに入ったら速やかに「店内を巡回するスタッフ」をレジエリアに移動させることが必要です。しかし、この連携がうまくいかないと、他の顧客のサポートができなくなってしまいます。
このようにオペレーションが適切でなければ、顧客満足度の低下や従業員の負担増加、会計にかかる時間の増加などの逆効果につながる可能性があります。
セルフレジの導入において、万引きや未払いといった不正への対策は欠かせません。複数のセルフレジを1人のスタッフが確認するのは難しいでしょう。そのため、AI防犯カメラの導入や重量センサー、防犯タグの活用といった対策をすることが必要です。
またセルフレジの故障・不具合といったトラブルが発生した際の対応も事前に決めておかないと、トラブル発生時に顧客からの信頼を失うことにつながります。
ここでは、効果的にセルフレジを導入するためのポイントを解説します。
従業員や顧客が使いやすいシンプルな操作感の機器を導入しましょう。
基本的に、セルフレジはどの機種も使いやすい操作感に設定されていますが、顧客の年齢層が高い場合には、特に注意すべきポイントです。
また、セルフレジの画面をカスタマイズできる場合には、会計時に表示される内容についても精査することがおすすめです。特に高齢者が多い場合には、文字を大きめにしたり、配色を工夫したり、選択肢の数を極力少なくしたりすることも検討しましょう。
セルフレジ導入において、現場で働くスタッフは非常に重要な存在です。スタッフがスムーズに対応できるように、新しいオペレーションを周知しましょう。
その際には、いつでもスタッフが確認できるようにセルフレジにおけるマニュアル・ルールを作成します。日常業務に関することだけでなく、不具合・故障が発生した場合の対処法についても記載しましょう。
セルフレジをはじめて導入する際にはわからないことも多くあるでしょう。そのため、「気軽に相談できる」「信頼できる」「運用後もサポートしてくれる」といった提供メーカーを選定することが大切です。
機器の性能や価格の確認だけでなく、担当者とのコミュニケーションを通して、信頼できる提供メーカーかどうかを見極めましょう。
この記事では人材不足解消や人件費削減を狙ってセルフレジを導入することが、逆効果になるのかどうかやその理由、効果的に導入するためのポイントについて解説しました。
セルフレジにはメリットとデメリットがあり、デメリットへの対策をしっかりと立てることで効果的な導入につながります。
上記に一つでも当てはまる場合には、ぜひ一度お問い合わせください。