飲食店でデリバリーを提供する際、予約や注文をアナログな方法で管理するのは非常に手間がかかり非効率です。
一方でデリバリーの需要は高まり続けており、各店舗でデリバリー管理の効率化が課題となっています。
このような場合に役立つのが、デリバリー管理ツールです。そこでこの記事ではおすすめのデリバリー管理ツールを20選紹介します。
【今回のコラムをざっくりまとめると…】
飲食業界でますます高まるデリバリー需要。従来のアナログな注文管理は限界を迎えつつあり、効率化を図るために「モバイルオーダーシステム」の導入が注目されています。本記事では、売上向上や業務改善を目指す飲食店向けに、導入方法やシステム選びのポイント、さらにおすすめサービス20選を徹底比較してご紹介します。
①注文ミスの防止
さまざまなデリバリーサービスからの注文が一元的に管理されるため、注文の取り間違いなどによるミスを防止できます。特にピークタイムに重宝するツールです。
②売上管理の効率化
注文履歴などの売上分析が可能であり、リアルタイムな売上状況を把握することで、最適な経営判断が可能です。
③顧客データの活用
よく注文される好みのメニューやターゲットを絞ることで、売上向上に繋がる施策を立案できます。
この章では、デリバリー管理をするためのツール導入の手順とその準備の仕方についてご紹介します。
デリバリー管理ツールの導入をスムーズに進めるための4つのステップをまとめました。
①システム選定(約1~2週間)
②契約手続き(約1週間)
③スタッフ研修(約1週間)
④テスト運用(約2週間)
以下は導入に必要なチェックリストです。
漏れなく準備を進め、トラブルなくスムーズな運用開始を目指しましょう。
ツールの導入には何が必要で、おおよそどのくらいの予算になるのか簡単にまとめました。
費用項目 | 金額目安 | 備考 |
初期設定 | 0~数万円 | 導入サポートが含まれるサービスあり |
機器代 | 数万円~ | POSレジ・プリンター・タブレット端末などが必要 |
研修 | 0円~ | 初期設定費用に含まれる場合がある |
なお、補助金は「IT導入補助金・ものづくり補助金・小規模事業者持続化補助金 」の活用が可能です。それぞれ対象や補助率が異なります。
詳細はこちらの記事を参考にしてみてください。
デリバリー管理ツール導入前に、まず現状の業務フローを明確化しましょう。業務を「注文受付」「キッチン作業」「配達管理」の3段階に分け、それぞれの作業内容、所要時間、人員配置を図示して視覚的に分析します。これにより、業務のボトルネックや非効率な部分が見えやすくなります。
また、課題抽出には以下のチェック一覧をご確認ください。
デリバリー管理ツールの選定時の重要ポイントについて紹介します。
①店舗規模との適合性
店舗の規模に合ったシステム導入がおすすめです。例えば、月間注文数が100件未満の店舗は月額5,000円程度のシステム導入を検討し、月間注文数が200件を超える中規模店舗であれば15,000円程度のシステムを検討するのなどがよいでしょう。
②拡張性
事業の拡大に対して、拡張性があるかも重要です。アカウント追加やデータ連携、多店舗展開した際のコストが抑えられるサービスを選ぶことも検討しておきましょう。
③サポート体制
システムエラーや操作方法などのサポートが充実しているかは、売上の機会損失とならないためにも確認が必要です。自店舗の営業時間から、サポートが何時まで行っているかという点で選ぶことも大切です。
④コスト
サービス導入の初期費用や月額費用を複数社、比較するのがおすすめです。特に店舗規模が大きい場合、高額になる可能性があります。
⑤他システムとの連携
既存のPOSレジやキッチンディスプレイなどとの連携ができるかという点も重要です。互換性があるか確認し、不要なコストがかからないようにするのがよいでしょう。
以上に留意し、導入後につまずくことが無いように準備しておきましょう。
ここでは、デリバリー管理ツールのよくある失敗例についてご紹介します。
①機能過剰による無駄な支出
小規模店舗が高機能かつ高額なサービスを導入し、1注文あたりのコストが増加してしまった。また、高機能のほとんどは使うことがないものばかり、といったことも考えられます。
②スタッフの使いこなし不足
スタッフの平均年齢が高い店舗での導入をした結果、サービスを使いこなせず、業務効率が低下することも考えられます。
③サポート体制の確認不足
サポートの時間が自店舗の営業時間外であったため、緊急対応ができず売上の機会損失も考えられます。
効果的な対策としては以下のようなものです。
こういった状態に陥らないように、あらかじめ想定される問題点をクリアにしておきましょう。
複数のPOS・注文管理システムが提供されていますが、機能や価格帯はさまざまです。
自店舗の運営規模や業態に最適なサービスを選ぶために、各システムの基本料金、注文管理、在庫管理、売上分析といった主要機能を比較してご紹介します。
サービス名 | 基本料金 | 注文管理機能 | 在庫管理機能 | 売上分析機能 |
Camel | 1万円前後~ | 注文一括管理 | 一括品切れ設定 | 日次売上集計 |
テイクイーツ | 0円~2万円 | 注文一括管理 | 時間や曜日ごとの在庫設定 | データ集計 |
くるリピ | 問合せ | 注文一括管理 | 仕入れ管理機能 | 顧客分析機能 |
orderly | 問合せ | 自社注文システムとの連携 | 一括品切れ設定 | データ集計 |
Ordee | 問合せ | 自社や他社との注文連携 | 品切れ管理 | 当日の売上印刷機能 |
tabcent | 0円~ | 注文一括管理 | - | 売上情報一元管理 |
ガルフCSM | 10万円~ | 注文一括管理 | 発注在庫管理 | 業績や予算管理 |
Hubster | 6,900円~ | 注文一括管理 | 注文と在庫情報を自動同期 | 売上データ統合 |
GATEまるっと注文一括管理くん | 要問合せ | 注文一括管理 | ― | 同社サービスとの連携による分析 |
カラーミーショップ | 4,950円~ | 注文情報の確認・編集 | 在庫管理の自動化 | メルマガ配信など |
リピッテ takeout & delivery | 2,980円~ | 注文管理 | ― | セグメント配信など |
どこでも注文くん | 10,000円~ | 販売業務の自動化 | ― | 来店・購入情報管理 |
宅配システム『デリPRO』 | 12,800円~ | 注文一括管理 | 注文データから在庫管理 | メルマガ配信など |
Delivery AI(デリバリーアイ) | 問合せ | 注文内容の自動送信 | 商品ごとに自動計算 | 商品・期間などをグラフで確認 |
YCM宅配システムシリーズ | 問合せ | 注文一括管理 | 各店舗のデータを自動受信 | 各店舗のデータを自動受信 |
デリカート | 0円~ | 注文状況管理 | ― | メルマガ配信など |
eEAT | 要問合せ | 注文一括管理 | 自動管理機能 | 分析機能 |
MotTake-See(もってけし!) | 要問合せ | 注文一括管理 | 店舗内全般を管理 | 顧客利用状況の管理 |
DELI-HOLIC | 0円~ | 注文一括管理 | ― | オプションとして提供 |
open table | 要問合せ | 世界規模で予約、外部連携可能 | 予約管理機能 | 口コミ管理機能を通じた売上分析 |
引用:Camel
「Camel」は複数のデリバリー・テイクアウト サービスをひとつの端末で受発注から集計まで一元管理できるサービスです。導入店舗9,000店舗以上でサービス継続率99%の特徴があります。
プラン | 初期費用 | 月額料金 | 注文手数料 |
スタンダードプラン | 無料(初回メニュー登録を代行する場合は100,000円) | 7,700円/月(税別) | 事前決済の場合:〜6% 店頭決済の場合:〜3% |
プレミアムプラン | 無料(初回メニュー登録を代行する場合は100,000円) | 11,000円/月(税別) | 事前決済の場合:〜6% 店頭決済の場合:〜3% |
エンタープライズプラン | 無料(初回メニュー登録を代行する場合は100,000円) | 個別見積もり(30店舗以上向け) | 事前決済の場合:〜6% 店頭決済の場合:〜3% |
ファストフード店や居酒屋、焼肉屋などの導入実績があります。
引用:テイクイーツ
「テイクイーツ」は24時間ネット受付ができる特徴があります。
料金プラン | 初期費用 | 月額費用 | 対応デリバリーサービス |
ベーシック | 0円 | 0円 | Uber Eats・Wolt・any Carry |
スタンダード | 0円 | 2万円 | 自社デリバリー・Uber Eats・Wolt・any Carry |
エンタープライズ | 0円 | 問合せ | 問合せ |
【導入メリット】
引用:くるリピ
「くるリピ」は、デリバリー専門店向けの店舗システムで豊富な導入実績を持つ、飲食店向けのサービスです。
①料金プラン
②対応デリバリーサービス
③注文管理機能
くるリピは宅配寿司やレストラン、軽食屋、ピザ屋など、さまざまな飲食店で利用されています。
引用:orderly
「orderly」は、UberEatsや出前館などのオンライン注文をタブレット一台で一括管理できます。
①複数店舗一括管理
複数の地域で展開している店舗やさまざまなブランドを1つの店舗で展開している事業者の対応も可能です。また、各店舗の売上や注文履歴といったデータを一画面で確認もできます。
②売上分析機能
すべてのオンライン注文をまとめて管理・閲覧ができるため、分析の情報収集がしやすくなります。また、平均単価やオーダー割合なども確認できるため、経営戦略を立てやすくなります。
引用:Ordee
「Ordee」は、大手企業に導入実績があるデリバリ―管理システムです。
機能 | 詳細 | 活用例 |
注文管理 | 複数のデリバリーサービスと連携が可能 | 複数のデリバリーを利用する飲食店でも、1つのタブレットで注文管理が可能 |
在庫管理 | 品切れ管理 | 在庫切れ商品の注文が自動で不可になり、注文ミスの減少に繋がる |
売上分析 | 当日の売上印刷機能 | 営業終了時に売上確認 |
顧客管理機能 | 注文キャンセル機能 | 素早く柔軟な対応が可能 |
なお、初期費用や月額費用、料金プランの詳細は問い合わせが必要です。
引用:tabcent
「tabcent」は、デリバリー注文を1台の端末で集約できるため、業務効率化に貢献できます。
①料金プラン
②機能の特徴
引用:ガルフCSM
「ガルフCSM」は、吉野家や焼肉きんぐなど有名飲食チェーン店で使用されているデリバリー管理ツールです。
項目 | 詳細 |
初期費用 | ・店舗の王様:問合せ ・店舗の王子:問合せ ・ガルフOne:50万円~ |
月額費用 | ・店舗の王様:問合せ ・店舗の王子:問合せ ・ガルフOne:10万円~ |
導入実績 | ・1,200社 ・70,000店舗以上 |
実績も多く、安心感のあるサービスとなっています。
「Hubster(ハブスター)」は、POSシステムと外部のデリバリーアプリを連携できます。
①複数デリバリーサービスの一括管理機能
②売上レポート機能
③注文管理機能
アプリ連携は、今後の事業の転換期にも便利な機能です。
「GATEまるっと注文一括管理くん」は、複数のデリバリーサービスの注文を一括管理できる特徴があります。
Uber Eats、出前館などの注文情報をリアルタイムで確認できるため、顧客の取りこぼしを防ぐことや、ピーク時の注文が円滑に進みます。
また、業務効率化事例として、飲食店では1店舗あたり月20時間の労働時間削減などのコスト削減ができた事例があります。
引用:カラーミーショップ
「カラーミーショップ」は、デリバリーやテイクアウトサービス用のホームページが無料で作れるという強みがあります。
プラン | 料金 | 主な機能 |
レギュラー | ・初期費用:3,300円 ・月額費用:4,950円 | ・店舗デリバリー機能 ・ローカルデリバリー機能 |
ラージ | ・初期費用:3,300円 ・月額費用:9,595円 | ・受取時間の設定と管理 ・配達可能エリア設定 |
プレミアム | ・初期費用:22,000円 ・月額費用:35,640円 | ・店舗情報の表示 ・受注データの情報取り込み |
安価で始められるため低予算の店舗にもおすすめです。
引用:リピッテ
「リピッテ」はLINE公式アカウントを利用したデリバリー管理ツールです。顧客がLINEから送信した注文情報をシステムが自動で受付・管理するため、店舗スタッフの手間を省き、スピーディな注文処理を可能にします。また、利用客は日常的に使い慣れたLINEアプリを通じて気軽にテイクアウトやデリバリーを注文できるため、店舗と顧客双方の利便性が向上します。
さらに注文手数料は無料で、月額利用料も定額制という明瞭で控えめな料金体系を採用しています。これにより、コスト管理もしやすく、小規模な店舗や初めてデリバリーサービスを始める店舗でも気軽に導入できることが魅力です。店舗運営の負担軽減や売上拡大を考える際には、検討したいツールの一つといえるでしょう。
引用:どこでも注文くん
「どこでも注文くん」も公式LINEアカウントを用いたデリバリー管理ツールです。
ミニアプリ版とチャットボット版の2種類の注文方法が選択できます。
メッセージ機能もあり、注文後に顧客とのやり取りもでき、フォローや集客にも活用可能です。
POSレジやキッチンプリンターとの連動・事前決済などの便利な機能も充実しています。
引用:デリPRO
「デリPRO」は、宅配・デリバリー業務を効率化するためのシステムで、以下の3つの主要なメリットを提供しています。
①複数店舗一括管理
複数店舗一括管理にくわえ、他店から店舗の注文状況や在庫状況が確認できます。
②「売上分析機能」
時間帯別・商品別の売上データ分析が可能なほか、売れ筋商品の特定などから、販売戦略が立てやすくなります。
③「配達員管理機能」
配達員のシフト管理から配送ルート作成など配達業務の効率化が図れます。
項目 | 費用 | 詳細 |
初期費用 | 49,8000円(税別) | 導入ミーティング(電話)、店舗アカウント設定料、マニュアル、導入サポートが含まれます。 |
月額料金 | 12,8000円/店舗(税別) | システム利用料、サーバー利用料、サーバー管理料、サポート、バージョンアップが含まれます。 |
主に日配弁当や給食で導入されているデリバリー管理ツールです。
CIT連動タイプで、顧客からの着信後すぐに受注処理ができます。
一度の入力で請求書・領収書・納品書を作成できるため、いちいち書類を作成する手間がかかりません。
商品ごとの合計を自動計算する機能もあります。受注や商品管理にかかる手間を効率的に軽減したい場合におすすめです。
引用:ユーコム
「ユーコム」が提供する宅配・デリバリーシステム「YCM宅配シリーズ」は、飲食店の宅配業務を効率化する多彩な機能を備えています。主な機能は以下のとおりです。
これらの機能により、店舗の宅配業務をトータルでサポートします。
項目 | 詳細 |
初期費用 | ・ソフトウェア:1,020,000円 ・導入費用:1,080,000円 ・機械費用:8,5000円 |
月額料金 | ・利用料:18,000円 ・拠点追加料金:6,000円 |
具体的な料金プランや初期費用については、ユーコムの公式ウェブサイトにて直接問い合わせてみてください。
引用:デリカート
中食・仕出し・お弁当注文に特化したデリバリー管理ツールです。
簡単な操作性やポイント機能で、顧客が注文しやすい環境を整えられます。
配達エリアや受注・予約管理機能も搭載しており、効率的に顧客へ料理を配達できます。
また、顧客管理機能もあり、マーケティングにも活用可能なツールです。
引用:eEAT
複数店舗で導入されているツールで、自社オンラインショップを作成するタイプです。
テイクアウトやデリバリー・通販に対応しています。
自社デリバリーサイトからの注文をシステムで管理し、自動で配達パートナーを手配する仕組みです。
自社既存顧客からもデリバリーオーダーを受け付けることもできるため、デリバリーの売上を向上したい場合におすすめです。
受注から商品の受け渡しまでを管理できるデリバリー管理ツールで、POSレジと同じ感覚で操作できます。
操作トレーニングが不要なため、導入ハードルもほとんどかかりません。
テイクアウトやデリバリーの管理だけでなく、店舗内の座席や予約管理も可能です。
顧客利用状況の管理・集計もでき、マーケティングに活用できます。
デリバリー管理ツールを導入することで、店舗の業務効率や売上に具体的な改善効果が見込めます。
例えば、「リピッテ」などLINE連携型の注文受付システムを導入した事例では、電話対応の手間が半減し、オーダー処理時間を約40%短縮できたという報告があります(出典:リピッテ導入事例)。これにより、注文受付のために専任スタッフを配置する必要がなくなり、年間でおよそ80~100万円の人件費削減を実現した店舗もあります(時給1,000円×5時間×25日×12か月と仮定)。
また、顧客がLINEやWebで気軽に注文できるようになることで、注文数やリピート率が向上し、売上が導入前より15~20%伸びたという事例も見られます(出典:各ツール提供企業の導入実績ページ、例:ユーコム、デリPROなど)。
導入手順としては、まずシステムを選定し、店舗の規模や業態に合った機能(例:注文自動受付、配達管理、分析機能など)を比較検討します。その後、業者との契約手続きを経て、タブレットやプリンターなどの機材を導入。スタッフ向けに操作研修を行い、テスト運用を経て本格稼働に移行します。
導入にかかるコストは、初期費用として10~15万円程度(機材費・設定費など)、月額利用料は1.5~3万円程度が一般的です(※費用はツール・プラン内容によって異なります)。これらの初期投資を上回る業務改善と収益増加が期待できるため、導入を検討する価値は十分にあると言えるでしょう。
参照:「ユーコム宅配システム」
モバイルオーダーは、業務全般の効率化に最適で、費用は月額0円から始められるサービスもあるため、本記事で紹介したサービスを参考にしてください。
なお、このようなデリバリー管理ツールを使用する場合、POSレジの用意が必要です。当社提供のCASHIER(キャッシャー)であれば、月額0円で始められるほか、さまざまな業態や店舗規模に合った使い方ができます。
気になる方はぜひ、CASHIER ORDERより詳細をチェックしてみてください。