近年、買い物に行って会計しようとすると「レジがiPad」というシーンを見かけることも多いのではないでしょうか?
日本では2010年頃から少しずつiPadを利用したPOSレジが普及し始め、最近ではカフェや飲食店、アパレルショップなど多種多様な店舗でiPadレジを見かけるようになりました。
iPadレジはレジアプリをインストールしたiPadと周辺機器を揃えることで本格的なレジ環境を整えられますが、その一方で汎用タブレットをベースにしたシステムでもあるためデメリットや運用上知っておかなければならないリスクもあります。
そこでこの記事では、iPadレジの基本的な概要や特徴、メリット・デメリット、導入時に注意したいポイントについて解説します。
【今回のコラムをざっくりまとめると…】
この記事では、iPadを利用したレジシステムの利点について説明しています。操作の簡便さや持ち運びのしやすさが強調され、店舗運営の効率化に寄与することが述べられています。また、各種アプリとの連携やデータ分析機能が強化されており、ビジネスの成長をサポートする重要なツールとしての役割が示されています。
iPadレジとは、iPadにレジ機能のあるアプリを入れて、実際の店舗でも本格的なレジとして使えるようにしたiPadのことです。POSレジの形態の中では、タブレット型POSレジの一種になります。
日本国内ではiPadに入れるレジアプリを開発して、お店向けにサービス提供している会社は複数あり、アパレルショップに特化したものや飲食店、各種サービス、業態に特化したものなど多様なレジアプリ・システムが展開されています。 iPadを使ったレジは、国内でのiPad普及とともに2010年頃から徐々に広がりを見せ、年々シェアを拡大してきました。
iPadにアプリを入れるだけでレジになるという手軽さからiPadレジが流行し、認知度も高くなってきています。 これまでPOSレジやPOSシステムというと高額で小規模な事業者にとって導入のハードルが高いものとして扱われてきましたが、iPadレジの普及によって小規模のお店であっても、売上管理や在庫管理、予約管理やマーケティングなど、費用をかけずにさまざまな要望を叶えてくれるようになりました。
POSレジの種類や機能、選び方の詳細は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:POSレジとは?種類や機能、選び方を徹底解説
ここではiPadレジの基本的な特徴を解説します。
基本的にクラウドサービスであるため、SimカードもしくはWi-Fiを使ってインターネットの常時接続が必要になります。ただし、機能を制限することでオフラインでの利用もできるようになります。
iPadレジを使用する際には、レジとして機能させるために以下の周辺機器と連動させて導入することが一般的です。
iPadとレシートプリンターはBluetoothで無線接続されており、iPadで決済ボタンをタッチするとレシートが出てきます。
キャッシュドロアーとレシートプリンターが有線でつながっている構成が一般的でお会計の際、iPadレジからレシートプリンターに無線でデータが飛び、レシートを印刷するときに有線を経由してドロアーへ信号行って開くという仕組みです。
iPadにはイヤホンジャックや充電コネクタ以外のポートが付いていないため、バーコードスキャナーを使う場合、Bluetooth接続スキャナーが必要になります。
iPadレジを導入するメリットを解説します。
iPadレジは、従来のレジ専用機と比較すると占有スペースが格段に少ないため、レジ周辺やカウンター周りをコンパクトにまとめられます。
そのため販促品を置いたり、お客様の動線を確保したりといったスペースの有効活用が可能になります。
最新バージョンにアップデートすることで機能追加や法改正などの変化にも素早く柔軟に対応できます。
従来のPOSシステムの場合にはソフトウェアの更新に一定の費用がかかりますが、iPadにおけるレジアプリでは追加費用がかからないという点も大きな魅力です。
iPadレジでは会計業務だけでなく、在庫管理や顧客管理、発注・仕入管理、予約管理さらには勤怠管理や年末調整、給与計算に至るまで、アプリで機能を追加できます。
外部システムとの連動も可能であるため、自社の事業活動に必要な機能をカスタムできるため、さまざまな業務に活用可能です。
そのため、一般的なターミナルPOSレジよりも安定性や耐久性は下回っていることを考慮して、常に予備機を準備しておくことがおすすめです。
タブレットやスマートフォンを使い慣れていれば、新入社員であっても簡単に操作できます。
また、iPadは基本的に持ち運ぶことを前提に設計されているデバイスであるため持ち運びやすく、移動販売や期間限定のイベントのような場面にも適しています。
iPadの洗練されたデザインはレジ周辺をスマートかつオシャレに見せたいという企業にはピッタリです。
またiPadは他機種と比べて周辺機器のラインナップが充実しているため、さまざまな形状のスタンドやケーブル、カバーなどを好みに合わせて選べます。
ここではiPadレジの導入に際して、あらかじめ知っておきたいリスクやデメリットについてまとめています。
BluetoothやWi-Fiなど無線通信を多用するため通信が不安定な際に、エラーや不具合が発生しやすくなります。 レジ待ちの列ができている状況やお客様が急いでいる状況で動作が不安定になると、従業員も混乱してしまうでしょう。そのため、事前にそうしたトラブルの際のマニュアルを定めおくことが必要です。
iOSのアップデートは基本的に予告なしに行われるため、レジアプリ側が最新iOSに対応できずレジ動作ができなくなる場合があります。そのため、iPadのOSアップデート実施後、レジアプリ側が対応できるまでの間、プリンターやドロアーが一時的に動作しなくなる可能性があります。。 タブレットという汎用的な端末をプラットホームとしている以上、仕方ありませんがこのような可能性をはらんでいることは把握しておきましょう。
iPadのスマートな見た目や利便性はメリットになりますが、金銭を扱うレジにとって「動作の安定性」は最も重要な要素です。しかし、iPadは一般家庭用で使用することを想定して作られていることから、水濡れや衝撃、落下などに強くありません。また充電コネクタ部分の耐久性なども業務用に作られているものと比較して弱いといえます。 そのため、一般的なターミナルPOSレジよりも安定性や耐久性は下回っていることを考慮して、常に予備機を準備しておくことがおすすめです。
ここからは導入前に知っておきたいポイントを見ていきます。
サポート体制を比較検討する際には、以下の3つの点について注意するようにしましょう。
iPadレジの導入費用の相場は、レシートプリンター、キャッシュドロアーなど一般的なレジ環境もあわせて購入した場合には16万円〜18万円となっています。 iPadレジは運用開始前に店舗設定や販売商品登録の設定をユーザー自身が自分で行う必要があります。ただし、メーカー側で代行サービスを用意している場合がありますので、事前に確認することがおすすめです。
月額利用料の場合、無料~月額1万円以上の高機能なサービスまでさまざまです。 無料の場合、レジとしての必要最低限の機能こそ無料となっていますが、登録できる商品点数やPOSデータの保存期間に制限があります。 また、複数店舗の管理、電話サポート、自動釣銭機対応など必要なサービスや機能を追加しようとすると有料のプラン契約が必要になることが一般的です。
一般的にレジの導入に際してはレジの仕様や機能のほかにメーカーのサポート運営体制やサービスクオリティーが重要だといわれています。もちろんサポートも重要ですが、そもそもトラブルや不具合が起きにくいレジ環境を選択することも重要です。 そのため、安定性について確認することは欠かせません。各メーカーの安定性や耐久性については事前に担当者に話を聞いてみましょう。 また、あわせてトラブルや不具合が発生した際にどのように対応してもらえるのかも把握したうえで導入機器を検討することがおすすめです。
基本的に、常設店舗でiPadレジを導入する場合は、iPad本体から周辺機器まで一式購入し、レジアプリやシステムの利用料などの費用を毎月払うスタイルが基本となります。
フリーマーケットや物産展などの催事出店やアーティストのライブ物販など、短期のイベント向けにレンタルサービスを提供している会社はある一方で、常設店舗の向けに展開されているiPadレジのレンタルはほぼありません。
株式会社ユニエイムのCASHIER POSサービスでは「フリープラン」というサービス名で、iPadではなく自社開発したAndroid POSレジ専用端末をキャッシュドロアー、バーコードスキャナーをセットにして1ヶ月1台あたり12,800円(税別、初期費用無料)で提供しています。
店舗向けにポスレジのレンタルを展開している会社は珍しく、初期費用が理由でPOSレジ導入を悩んでいる方には選択肢の一つとしておすすめです。
iPadをPOSレジとして使用する場合に必要な機器は以下の通りです。
現在ではiPadにもmini、pro、Airといったそれぞれ特徴を持った機種が販売されていますが、どれもiPadレジを運用するために必要な機能は備わっています。店頭の環境や使い方に合わせて選ぶのが良いでしょう。
お店ごとに使いやすいもの、好きなものを選んで大丈夫です。
定置型やバッテリー付きモバイルタイプなど、サービスごとに推奨・指定のものがあります。
サイズなどさまざまな種類があり、サービスごとに推奨・指定のものがあるケースが多くあります。
基本的にはiPadとBluetooth接続できるものとなります。
スタンド型の専用機もあれば、iPadやiPhone、iPodに表示させる客用画面もあります。
売上、在庫、顧客管理などレジ以外の機能を使うために必須です。
iPadをレジとして活用するには通信環境が必須になります。POSデータと呼ばれる売上、在庫などの情報を全てクラウドで管理するため、Simカードを挿して4Gや5Gといった通信回線を利用するかWi-fiを経由してインターネットに接続する必要があります。
導入時の使用方法の説明や初期設定などで料金が発生する場合があります。 iPadレジを検討する際、使っていないiPadをレジに使いたいからという話がありますが、現行モデルを導入することがおすすめです。 それは、古い世代のモデルなどの場合はそのままレジとして使えないことがあるためです。また、導入時点では使えたとしてもOSのアップデートで使えなくなってしまうケースもあるため一番長く使うという視点では導入時の現行モデルを購入するのが良いでしょう。
iPadレジは拡張機能として外部サービスや外部のシステムと連携できる仕組みなどが用意されています。 しかし、例えば以下のような自社の運用体制や組織に合わせた独自のカスタマイズはできません。
昨今、注目されつつある店舗のDX、または店舗の効率化を目指そうとした際にPOSレジは重要な交差点の役割を果たします。 そのため、自社に必要な外部システムとの連携によるカスタマイズの可否は非常に大きなポイントになるでしょう。
iPadレジの特徴や導入前に知っておくべきポイントなどを紹介してきました。iPadレジはハードウェア一式を揃えた後にさまざまな設定や登録作業をする必要があります。
また汎用端末であるという点から一定のリスクやデメリット、費用の発生なども予想されます。iPadレジを導入してはみたものの、思ったように運用できず、途中でやめてしまうケースも少なくありません。 これらの懸念点を解決する手段としてiPadレジ以外にレジ専用に開発、設計された専用端末を検討するのも一つです。
株式会社ユニエイムの販売、レンタルするCASHIER POSは、安定性を最優先にトラブルが起きないレジを追求しながら開発、設計されたPOSレジですので、POSレジ導入でお困りの企業の方は、まずはお気軽にお問い合わせください。