在庫管理をPOSレジで行うメリットとは?管理方法や注意点を解説 POSの基礎知識

在庫管理をPOSレジで行うメリットとは?管理方法や注意点を解説

2022/04/17

商品販売を行ううえでは欠かせない在庫管理ですが、ヒューマンエラーや在庫を抱えるリスクがあるなどいくつかの課題があります。しかし、これらの課題を解決できる方法としてPOSレジの活用が挙げられます。

そこで本記事では、在庫管理における課題点や在庫管理の方法、POSレジを使用して在庫管理を行うメリット・デメリット、事前に考慮すべき注意点までを詳しく解説いたします。

この記事でわかること

  • 在庫管理の課題
  • 在庫管理にPOSレジを利用するメリット
  • 在庫管理にPOSレジを利用する際の注意点
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【今回のコラムをざっくりまとめると…】

この記事では、POSレジを活用した在庫管理のメリットや管理方法について説明されています。リアルタイムで在庫状況を把握することで、欠品や過剰在庫を防ぎ、効率的な在庫運用が可能になります。また、データ分析を通じて売上予測を行うこともでき、経営戦略の立案に役立ちます。これにより、店舗の収益向上が期待されます。

目次
1 在庫管理の課題 1.1 人的ミスが起こりやすい 1.2 在庫を抱えるリスクがある 1.3 管理コストが発生する 2 在庫管理の方法 2.1 エクセル 2.2 手書きの在庫管理表 2.3 AI 2.4 POSシステム 3 在庫管理にPOSレジを使用するメリット 3.1 業務効率化の実現 3.2 売上データの解析 3.3 在庫管理の一元化 4 POSレジを使った在庫管理の方法とは 4.1 在庫管理機能 4.2 発注・仕入れ管理機能 5 在庫管理にPOSレジを使用する際の注意点 5.1 システムが使用できない事態に備えておく 5.2 導入初期はコストやリソースがかかる 6 まとめ

在庫管理の課題

在庫管理の課題

店舗における在庫管理は、商品数が多ければ多いほど作業が煩雑となります。そのため、さまざまな課題を抱えている方も多いのではないでしょうか?

ここでは、在庫管理の課題を解説します。

人的ミスが起こりやすい

在庫管理は記録作業が多く、日々、数値が変化する業務です。そのため、人的ミスが起こりやすいという課題があります。

近年では、業務効率化ツールを活用して在庫管理を行うケースが増えています。しかし、在庫管理や販売管理、原価管理などの各業務で使用しているツールが異なると、ツールごとに管理された数値を合わせるときなどに人的ミスが発生する可能性はあります。

このような人的ミスは、在庫の過不足などにも影響するため大きなダメージを与えかねません。

在庫を抱えるリスクがある

在庫管理業務においてミスが発生すると、在庫を必要以上に抱えてしまうというリスクが考えられます。

在庫を多く抱えてしまうと、現金化されていない資産が溜まっている状態、つまり動かせないお金があるという状態になり、キャッシュフローの停滞につながります。キャッシュフローが滞ると、経営全体に悪影響を与えかねません。

反対に、在庫が少なすぎる場合にもリスクが発生します。欠品などの機会損失は、獲得できたはずの売上を得られないばかりか、顧客の心も離れてしまう可能性があります。

人的ミスによる、さらなるリスクを避けるために適切な在庫管理が重要となるのです。

管理コストが発生する

在庫管理業務では、商品の在庫を確認するスタッフや、商品保管をする倉庫などのコストが発生します。

そのため、在庫に余剰があれば、その分管理コストが増えるということになります。商品を探したり、ピッキング作業に時間がかかってしまったりなど、生産性が低下することも考えられるでしょう。

また、在庫を必要以上に抱えてしまうことで、管理が行き届かなくなり、商品が経年劣化を起こしてしまう可能性もあるのです。その場合には、商品価値がなくなってしまい、販売することすらできなくなってしまうことも。

管理にかかるさまざまなリソースを最適化することで、余分なコストの発生を防ぐことが必要です。

在庫管理の方法

普段、店舗においてどのような管理をしているでしょうか。ここでは、在庫管理における代表的な方法から注目されている方法まで、さまざまな方法について解説します。在庫管理の方法を変更したいと検討されている企業の方は、ぜひ参考にしてください。

エクセル

まず、一般的な手法として、エクセルが挙げられます。導入が簡単であることや低コストで管理がしやすいことから採用されています。

ただし、導入する店舗ごとに必要な項目が変わることや更新日時を明確にしなければいけないという在庫管理の特性上、こまめに作業しなければならず手間がかかります。 また、エクセルのノウハウがある在庫管理担当者のみが在庫管理の方法を把握している状況になりやすいのも課題といえるでしょう。

手書きの在庫管理表

手書きの在庫管理表は、作成や運用自体は楽に行うことができるでしょう。

しかし、記入ミスが起こったり、紛失したりするリスクがあります。また、現在の在庫数を確認することができないため、発注作業に時間や手間がかかってしまうという課題があります。

AI

最近では、AIを使った在庫管理を実施している大企業が増えています。リアルタイムでの在庫数の確認や適正在庫の確保において必要な情報を集約できるなど、さまざまなメリットが受けられるでしょう。

一方、デメリットとしては、導入・運用において多額なコストがかかることや情報漏えいやトラブルなどのリスクマネジメントの難易度が上昇することなどが挙げられます。

POSシステム

最近では、大企業のみならず中小企業や個人事業主においてもPOSシステムを搭載したPOSレジによる在庫管理が注目されています。POSレジは従来のレジと異なり、商品・サービスの販売時点の情報を記録・集計できるため、在庫管理においても非常に有効です。

また、売上管理や商品管理、顧客管理とさまざまな管理機能があるため、マーケティング施策への活用も可能です。

詳しいメリットや在庫管理の方法については、本記事の続きをご覧ください。

在庫管理にPOSレジを使用するメリット

在庫管理にPOSレジを使用するメリット

在庫管理にはさまざまな課題がありますが、POSレジを活用することでそれらの課題を解決することができます。

業務効率化の実現

POSレジでは、在庫管理や販売管理、原価管理などの各業務をすべてまとめて行うことができます。POSレジに記録された情報はすべての機能と連動しているため、出庫や仕入れ、返品データに基づいて自動で在庫管理ができるようになるのです。

そのため、入力ミスや重複登録などの人的ミスを減らすことができ、より適切な在庫管理が可能となります。

また、POSレジの種類にもよりますが、仕入先への発注情報を登録しておくことで、届く商品の種類や量を前もって通知してくれる機能などもあります。

入荷作業のミスを最小限に抑えられるだけではなく、発注作業の工数も削減できるため、業務の効率化を実現します。

売上データの解析

POSレジでは、在庫管理だけではなく売上データの解析を行うこともできます。

売上データや来店者データを可視化することで、顧客層ごとの購買傾向を把握し、今後どのような商品を揃えておくべきかという戦略を検討できるようになります。

たとえば、シーズンごとに変わる売れ筋商品を予測したり、売れ行きの良い商品を把握したりして入荷に反映させることができるでしょう。

売上データを解析することで、過剰在庫や在庫切れを防ぎ、適正在庫の維持が可能になり、在庫リスクの軽減につながるのです。

在庫管理の一元化

POSレジを使用することで、在庫管理における業務を一元化させることができます。

たとえば、これまでは棚卸し作業のあとに、その記録を見ながら在庫情報を更新する必要がありましたが、POSレジのバーコード読み取りを使用して棚卸しを行うことで、POSレジ内に登録されている商品の在庫状況が自動的に更新されます。

さらに、現在の在庫確認だけでなく、特定の商品がいつ、どのくらい入荷して、どのお店で売れたのかを、時系列に沿って確認することが可能です。万が一、在庫データと実在庫の差異が生じたときには、原因を速やかに特定することも可能となります。

また、他店舗で発生した在庫移動の把握や、販売した商品の在庫更新ができるようになることで、店舗をまたいだ発注などの各業務を一元化することができるようになります。

これまで複数ツール使用して行っていた業務を、POSシステムひとつで対応できるようになるため、業務が効率化されるだけではなく、より正確な情報管理ができるようになるのです。

POSレジを使った在庫管理の方法とは

ここでは、POSレジの在庫管理の方法について、以下の2つの機能から解説します。

在庫管理機能

まずは、扱っている商品をシステム内に登録をする必要があります。登録が漏れてしまうとシステムに情報が反映されなくなってしまうため、注意しましょう。

商品の登録後は、バーコードリーダーを使用して商品のバーコードを読み取り、変動する数を入力することで、在庫数が、自動的に更新されます。また、在庫数アラート機能がある場合には、設定した在庫数を下回った場合に通知で知らせてくれるため、在庫切れ対策として活用できるでしょう。

棚卸処理や在庫調整、在庫管理表としても利用できるため、POSレジ一台で在庫管理におけるデータを一元管理できるのも嬉しい点といえます。

発注・仕入れ管理機能

発注・仕入れ管理機能により、発注・仕入れ先や納品先の情報を登録できます。そのため、利用時には選択するだけで発注操作が可能になり、発注書の作成なども管理画面から行えるようになります。

その他、店舗間の在庫のやり取りもシステム上ですべて可視化されるため、在庫の流れを直感的に把握できるようになります。在庫の移動に関する記録が自動で行われるため、大幅な労力低減につながるでしょう。

在庫管理にPOSレジを使用する際の注意点

在庫管理にPOSレジを使用する際の注意点

POSレジを使用することで、在庫管理業務の負担を大幅に低減してくれますが、いくつかデメリットがあり、その対策について検討しておくことが必要な注意点もあります。

ここでは、在庫管理をPOSレジで行う際の2つのデメリットと注意点を解説します。

システムが使用できない事態に備えておく

停電や故障、インターネット環境の不具合などが起きると、POSシステムが使用できなくなるというデメリットがあります。最悪、業務を行うことができなかったり、データが紛失してしまったりする事態に陥ることも。

メリットだけに目を向けるのでなく、最悪の事態に備えて、緊急時のマニュアルを用意しておくことや提供会社の保守・サポート体制について把握しておくなど、混乱を最小限にとどめる施策を事前に準備しておくことも必要です。

導入初期はコストやリソースがかかる

POSレジを導入する際には、コストが発生するというデメリットがあります。導入するPOSレジの種類や機能によって価格は異なるものの、初期費用及び導入費用が一定金額かかります。

バーコードリーダーなどの周辺機器のコストも予算に見積もっておきましょう。提供会社によっては柔軟な料金プランが用意されているため、相談してみることがおすすめです。

また、導入時には操作方法の習得やスタッフへの共有時間など、慣れるまでに時間や手間などのリソースがかかってしまうことも考えられます。事前に実機デモが可能な提供会社もあるため、なるべく早めに計画を立てるとともに、提供会社に相談してみてください。

まとめ

課題の多い在庫管理業務ですが、企業や店舗の経営に大きく影響する業務のひとつであるため、適切な在庫管理が求められます。そこで、POSレジを活用することで、在庫管理の課題やリスクを最小限に抑えることができます。

ただし、POSレジの導入は業務効率や適切な在庫管理ができる反面、注意点もあります。POSレジによる在庫管理のメリットや注意点を理解したうえで、自社に合ったPOSレジを導入しましょう。

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記事の投稿者PROFILE

CASHIER カスタマーサクセス

田口 帆夏

2022年12月入社。前職は大手スーパーにて接客や店舗管理を経験。
接客以上にお客様に寄り添ったサービス提供を行いたく、カスタマーサクセスに転職。
持ち前の人柄の良さと丁寧な対応でチームにかかせない存在となっている。

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