セルフレジは、人手不足解消や会計業務の効率化、感染症対策などの課題に大きく貢献するツールです。スーパーや飲食店だけでなく、クリニックや無人店舗などで広く導入されています。
店舗の業務効率化や人件費削減のために、セルフレジの導入を検討している方も多いのではないでしょうか。しかし、セルフレジは対応業種や機能が年々進化しており、どれを選べばいいかわからないという方も少なくありません。
本記事では、2025年時点で注目のセルフレジ11製品を、業種別(飲食・小売・医療機関・汎用型)に比較していきます。各製品の特徴や導入メリット、選び方のポイントも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
【今回のコラムをざっくりまとめると…】
この記事では、最新のセルフレジ11選を比較し、選び方や導入メリットを紹介しています。店舗に合った機能や費用、操作感、サポート体制の充実度を考慮して選ぶことが大切です。セルフレジは業種によっても最適な機種は異なるので、ぜひ本記事を参考にご検討ください。
セルフレジを選ぶ際は、以下の5つのポイントを押さえましょう。
それぞれ解説します。
セルフレジを選ぶ際は、業種ごとに重要な機能があるため、自店舗に合った機能を選ぶことが大切です。以下では、飲食店・小売店・医療機関の業種に分けて必要な機能を解説します。
飲食店では、オーダーから会計までの流れをスムーズに処理できる仕組みが必要です。特にランチタイムなどの混雑する時間帯には、注文処理のスピード感と正確さが求められます。
飲食店におすすめの機能例は以下のとおりです。
スーパーやドラッグストアなどの小売店では、商品点数が多く回転率が重要なため、会計をスムーズに進められる機能が求められます。観光客や外国人利用者が多い店舗なら、多言語対応のセルフレジもおすすめです。
小売店におすすめの機能例は以下のとおりです。
医療機関では患者様のストレスを減らすためにも、非接触かつスムーズな会計が求められます。たとえば、診療費をバーコードで読み取り、スピーディに精算できる機能は多くの医療機関で導入されています。
医療機関におすすめの機能例は以下のとおりです。
セルフレジを導入する際は、初期費用、月額費用、保守費用を検討することが大切です。本体価格や設置費用などの初期費用だけでなく、定期メンテナンス費用やソフトウェアのアップデート費用といったランニングコストも確認しておきましょう。
導入前にコストと運用コストのバランスを考慮し、予算に見合った製品を選ぶことが重要です。
キャッシュレス化の普及により、クレジットカードやQRコード、電子マネーなどの多様な決済手段が求められています。顧客の利便性を高めるためにも、導入するセルフレジの対応決済手段を確認することが大切です。
現金しか使えないセルフレジでは、顧客が他店舗に流れてしまう可能性があります。多様な決済手段に対応すれば、顧客の利便性が高まり、結果的に来店頻度・顧客満足度の向上につながるでしょう。
セルフレジはお客様が会計を行うため、操作のしやすさが重要です。特に高齢者や機械操作に不慣れな顧客でもスムーズに利用できるよう、操作手順が簡潔で、画面表示が見やすい製品を選びましょう。 導入前にデモ機を体験できるメーカーもあるので、実際にセルフレジを操作してみることをおすすめします。
セルフレジの導入においては、不具合やトラブルへの備えが欠かせません。営業中にシステムが停止すれば、会計ができず機会損失や顧客の不満につながる恐れがあります。
そのため、トラブル時に迅速な対応が受けられるかを事前に確認しておくことが重要です。
具体的には、
などをチェックしましょう。
サポートが万全であれば、店舗運営への影響を最小限に抑えられ、安心してセルフレジを活用できます。
ここでは、以下の業種別におすすめセルフレジを紹介します。
自店舗の業態に合ったセルフレジ選びの参考にしてください。
飲食店におすすめのセルフレジは以下のとおりです。
【おすすめポイント】
CASHIERの飲食店向けセルフレジは、混雑時でもスムーズに会計が進む直感的な操作性が魅力です。高齢者や機械操作が苦手な方でも、戸惑うことなく安心して利用できます。
3種類のオーダーエントリーシステムから導入でき、注文から提供までのオペレーションの効率化や人件費の削減にもつながります。
業界最安クラスの価格帯で導入できるため、小規模な飲食店からフードコート、ファストフードまで幅広く対応できるセルフレジです。
【おすすめ事業者】
【おすすめポイント】
POS+ selfregiは、注文から会計までを来店客自身で完結できる、券売機・セルフレジです。多言語表示・マルチ決済に対応しており、インバウンド需要にも対応できます。
POSシステムやキッチンプリンターとの連携にも対応しており、会計業務とオーダー業務などの店舗運営を効率化します。注文と会計の省人化を進めたい飲食店や、接客スタッフの負担を減らしたい店舗にぴったりのセルフレジです。
【おすすめポイント】
blayn POSレジは、飲食店向けに特化したセルフレジで、注文から会計処理までを一括で完了できます。4ヶ国語の音声案内機能を搭載しており、訪日外国人などのインバウンド需要に最適です。
また、VISAやMaster、JCBなどのクレジットカード、PayPayを始めとしたQRコードといったキャッシュレス決済に対応。操作性にも優れており、セルフレジに不慣れなお客様にも安心して使ってもらえる仕様です。
【おすすめ事業者】
小売店におすすめのセルフレジは以下のとおりです。
【おすすめポイント】
CASHIERは、小売業の現場で求められる機能を網羅したセルフレジです。バーコード読み取り、自動釣銭機との連携、キャッシュレス決済、多言語対応など、来店客とスタッフの双方にとって使いやすい機能が充実しています。
CASHIERによって売上高と在庫数を見える化し、データを活用した分析で最適な在庫管理と売上向上を実現。スーパーやコンビニで馴染みのあるシンプルな操作感で、誰でも簡単に利用可能です。
新紙幣にも対応済みなので、導入後も安心して運用できます。
【おすすめ事業者】
【おすすめポイント】
NeoSarf/POSは、小売業に特化したPOSアプリケーションです。シンプルかつ直感的なUIで、小規模から大規模までさまざまな店舗での導入実績があります。
レジは「有人」「フルセルフ」「セミセルフ」の3つの形態に柔軟に対応。ボタン一つで簡単に切り替えられるため、時間帯や混雑状況に応じたスムーズな店舗運営が可能です。
導入後には、365日対応の専用コールセンターによるサポートが受けられるので、安心して利用を続けられます。
【おすすめ事業者】
【おすすめポイント】
WILLPOSは、会計機能とレジを分離した設計で、混雑時のレジ行列を緩和し、スムーズな精算を実現するセルフレジです。現金タイプ・会計機タイプ・キャッシュレスタイプから、店舗に合った運用を実現できます。
キャッシュレスタイプでは、多様な決済手段に対応しており、現金・電子マネー・クレジット・QRコードなどの支払いにも対応可能。コンパクトサイズのセルフレジも取り扱っているので、スペースに余裕のない店舗にもおすすめです。
【おすすめ事業者】
医療機関におすすめのセルフレジは以下のとおりです。
【おすすめポイント】
ハヤレジは、電子カルテとレセコンの連携により、請求金額の入力ミスを未然に防げる点が特長です。電子カルテ・レセコンとデータ連携できない場合は、診察券に印字されたバーコードを読み取ることで、患者情報を簡単に呼び出せる運用が可能です。
耐久性が高く故障が少ないため、安定した運用が期待できます。医療スタッフの事務作業負担を軽減したい医療機関に最適です。
【おすすめ事業者】
【おすすめポイント】
NOMOCa-Standは、電子カルテやレセコンとの連携に加え、診察券やQRコードを使った非接触決済に対応したセルフレジです。高齢の患者様でも使えるかんたん設計で、使う人を選びません。業界最小クラスのコンパクトサイズなので、省スペースのクリニックでも導入できます。
【おすすめ事業者】
汎用型のセルフレジでおすすめの製品は以下のとおりです。
【おすすめポイント】
CASHIERは、業界最安水準の初期費用が特徴のセルフレジです。スーパーや飲食店など多様な業種に対応し、直感的な操作でスムーズな会計を実現します。
リースプランを用意しており、初期費用を抑えて導入できるのも魅力です。さらに、CASHIERは補助金対象製品なので、高額なセルフレジをお得に導入することもできます。
【おすすめ事業者】
【おすすめポイント】
スマレジは、幅広い業種で導入実績を持つ高機能かつシンプルなクラウドPOSレジです。店舗の規模やニーズに合わせて必要な機能を柔軟に追加できます。
プレミアムプラスプラン以上であれば、365日対応のコールセンターを利用できるので、思わぬトラブルが発生しても安心です。ショールームで実際に操作感を試せるため、導入前に具体的な使用イメージを持つことができます。
【おすすめ事業者】
【おすすめポイント】
リアレジは、セミセルフモードを標準装備し、非対面での会計をスムーズに行える高機能レジです。券売機のような直感的な操作感で、初めてセルフレジを触る人も迷わず操作できます。キャッシュレス決済や自動釣銭機とも連動し、衛生的で効率的な会計を実現します。
【おすすめ事業者】
セルフレジとは、お客様自身が商品をスキャンから精算まで行うレジシステムです。業務の一部をお客様に任せられるため、少人数のスタッフで効率的に会計業務を回せるようになります。結果として、人件費の削減や顧客満足度の向上につながるでしょう。
一口にセルフレジといっても、さまざまなタイプがあります。どの種類を導入するかによって、初期費用や日々の業務効率が大きく変わります。以下は、各種セルフレジの特徴です。
種類 | 特徴 | 向いている業態 | 費用相場 |
セルフレジ | 商品のスキャンから精算まで全て顧客が行う | 大型スーパー・量販店など | 100~300万円 |
セミセルフレジ | 店員が商品登録、顧客が支払いのみを行う | 飲食店、小規模店舗、病院受付など | 100~400万円 |
券売機 | 事前にメニュー選択・決済を済ませるスタイル | 飲食店(ラーメン店など)、映画館、交通機関など | 50~200万円 |
セルフレジ市場は、ここ数年で急速に拡大しており、その需要は今後もさらに伸びていくと予想されています。株式会社矢野経済研究所の調査結果によると、2023年のPOSターミナル出荷金額は約452億円に達しており、前年の約376億円から大きく増加しています。
セルフレジの需要が増加した背景は、2020年以降、感染症対策として非接触会計のニーズが高まったことがきっかけです。省人化だけでなく、キャッシュレス化や店舗運営の効率化といった、経営課題の解決策として注目されています。
ここでは、セルフレジを導入するメリット・デメリットを解説します。
セルフレジを導入するメリットは以下のとおりです。
導入メリット | 内容 |
人手不足の緩和に役立つ | 少人数で多くの会計処理が可能になる |
人件費を削減できる | お客様にレジ業務を任せられるので、経営コストの見直しがしやすくなる |
レジ待ち時間が短縮される | お客様自身が会計の一部を行うことで、回転率の向上につながる |
キャッシュレス決済に対応できる | クレジットカードや電子マネー、QRコードなどの多様な決済手段に対応 |
ヒューマンエラーを削減できる | 現金のやり取りがなくなることで、釣銭の渡しミスやレジ締め時のミスがなくなる |
感染症対策が期待できる | 人との接触を減らすことで、衛生面に配慮した運営が可能になる |
セルフレジの導入は、店舗が抱える人件費やヒューマンエラーといった課題を解決します。レジ待ち時間の短縮や感染症対策など、お客様にとってもメリットが大きいものです。セルフレジは店舗側にも顧客側にも、双方にとってメリットを得られるでしょう。
セルフレジを導入するデメリットは以下のとおりです。
導入デメリット | 内容 |
初期費用や月額費用がかかる | 本体価格に加えて設置工事やメンテナンス費用などが発生 |
操作に慣れるまで時間がかかる | トラブル時、すぐに対応できるようにスタッフ教育が必要 |
一部のお客様には使いづらさを感じる | 高齢者や機械操作が苦手な人には使いづらさを感じる可能性があり、フォローが必要 |
会計忘れや万引きなどのリスクがある | 不正を防止するために、顧客の動線や監視カメラの設置、スタッフの配置などの対策が必要 |
設置スペースが必要になる | 導入するセルフレジのサイズを測定し、動線を考慮しながら選ぶ必要がある |
機械の故障や不具合が発生する可能性がある | 小銭や紙幣の詰まり、画面の誤作動などが発生する可能性がある。トラブル対応できるようにスタッフの教育が求められる |
セルフレジの大きなデメリットは、初期費用や月額費用が発生する点です。中には初期費用が100万円を超える高額なセルフレジもあり、導入を諦める店舗も少なくありません。
しかし、リースの活用で初期費用を0にできたり、補助金を活用して導入費用を大幅に抑えたりする方法もあります。自店舗の予算に合わせて、より導入しやすい形でセルフレジの導入を検討してみてください。
セルフレジは、会計をお客様自身に行ってもらうため、店舗側は業務効率化や人手不足対策、人件費の削減など多くのメリットがあります。しかし、初期費用の高さで導入を諦める店舗も多いです。
初期費用を抑えたい方は、リースや補助金の活用がおすすめです。これらを活用することで導入のハードルを大幅に下げられます。
セルフレジの導入を検討している方は、本記事で紹介した内容を参考に、ぜひ自店舗にぴったりなセルフレジを見つけてください。