小売店においてセルフレジが一般的になりつつある中で、徐々にドラッグストアや薬局においてもセルフレジを導入する動きが活発になっています。
そこで、この記事ではドラッグストアでセルフレジを導入するメリット・デメリットや導入するポイントについて解説します。
【今回のコラムをざっくりまとめると…】
この記事では、ドラッグストアにおけるセルフレジの導入メリットについて述べられています。セルフレジにより、顧客の待ち時間が短縮され、効率的な業務運営が実現されます。また、スタッフが接客に専念できるため、サービス向上にも寄与します。さらに、コスト削減や在庫管理の効率化も期待されるため、ドラッグストアにとって大きな利点となります。
セルフレジとは、顧客が自分で会計作業を行えるレジのことです。また、セルフレジには、フルセルフレジとセミセルフレジという種類があります。それぞれのレジの概要を、ドラッグストア・薬局での運用イメージとともに解説します。
フルセルフレジとは、商品バーコードの読み取りから決済、レジ袋詰めまでのすべてをお客様が行うレジのことです。無人レジとも呼ばれており、商品の登録機と自動精算機の機能が1台にまとめられています。
フルセルフレジをドラッグストアで運用する場合、お客様が自身で商品についているバーコードを読み取ります。その後、表示画面の指示に従い、支払い方法を選択して、会計を済ませます。
また、薬局で運用する場合には、薬とともにバーコード付きの明細書を患者さんにお渡します。その後の流れはドラッグストアと同様です。
セミセルフレジとは、商品の登録機能と会計機能が分離しているセルフレジです。
セミセルフレジをドラッグストア・薬局で運用する場合、商品や薬のバーコード読み取りは従業員が実施します。その後、自動精算機による会計作業は、お客様が自身で行います。
ドラッグストアや薬局において、感染症対策の一環としてセルフレジの導入が進んでいますが、フルセルフレジとセミセルフレジのどちらを導入すべきなのでしょうか。
まず、薬局においては、セミセルフレジの導入がおすすめです。それは、薬局に訪れる方は高齢者が多い傾向にあるため、こうした機器に馴染みがない可能性が高いためです。
次に、ドラッグストアであれば、どちらでも構いません。一般商品の取り扱いも多いため、来店されるお客様の層に合わせて導入すると良いでしょう。薬局向けPOSレジや調剤薬局専用POSレジの提供も始まっているため、自社にあわせたセルフレジを導入してください。
セルフレジの使い方やメリットについての詳細は以下の記事をご覧ください。
ここでは、ドラッグストアにセルフレジを導入するメリットについて解説します。
セルフレジを導入することで、会計業務のすべてあるいは一部をお客様自身で行っていただけるようになります。お金の取り扱いは責任が重いことから、自動での釣銭の計算や受け渡しにより、従業員の負担低減につながります。
また、自動計算により、スピーディーな会計作業が可能になるため、レジ待ちでお客様をお待たせする時間を減らし、回転率の向上にもつながります。
コロナ禍の影響により、感染症対策の一環として非接触での対応が求められるようになりました。セルフレジを導入することで、お客様との対面を極力減らした非接触での会計作業が可能になります。
スーパーやコンビニとは異なり、特にドラッグストアや薬局においては、感染防止におけるニーズは従業員・お客様ともに高い傾向にあるため、セルフレジ導入における大きなメリットといえるでしょう。
セルフレジを導入することで、自動計算による釣銭の受け渡しが可能になることや、会計作業のすべてあるいは一部をお客様自身に行ってもらえるため、業務効率化につながります。
また、計算ミスや渡し間違いがなくなることから、レジ業務やレジ締め作業にかかる時間や手間も大幅に低減できます。POSレジと連動することで、売上データと現金残高の比較も簡単にできるようになるため、従業員の業務量の低下が期待できます。
最近のお客様のニーズとして、多様な支払方法に対応していることが求められるようになっています。例えば、クレジットカードや電子マネー、QRコード決済などのキャッシュレス決済などによる支払方法です。
セルフレジを導入し、キャッシュレス決済機能を取り入れることで対応可能になります。ディスプレイの表示に沿って選択することで、お客様が簡単に会計作業を進められるでしょう。
セルフレジのキャッシュレス決済についてはこちらで解説しています。ご覧ください。
ここまで、ドラッグストアにセルフレジを導入するメリットについて紹介しましたが、考慮すべきデメリットについて解説します。
セルフレジを導入することで、初期費用や運用コストがかかってきます。セルフレジの導入にかかる価格相場は、製品にもよりますが約100万円となっています。サービス内容や機能によって、価格は変わってくるでしょう。
また、運用コストとしては、POSシステムの月額利用料や保守費用がかかってきます。
高額な費用がかかるため、複数のメーカーに予算について見積もりを取り、相談することがおすすめです。
セルフレジの価格やコストを抑える方法を下記で説明していますので、是非ご覧ください。
セルフレジは、本体に自動釣銭機や精算機が付帯している分、従来のレジに比べて場所を取ります。場合によっては、レイアウトの変更が必要になる可能性もあるでしょう。そのため、導入前に必ずセルフレジのサイズを確認するようにしてください。
お客様や患者さんに対して、フォローが必要になります。ディスプレイに表示されるとおりに選択していけば簡単に会計できますが、こういった機器に馴染みがないお客様の場合にはうまく会計できない可能性があります。特に、導入直後ははじめて利用するために、そうしたお客様の対応が必要になるでしょう。
そのため、導入後からの一定期間は、フォローするための人員を配置することが大切です。事前にレジ袋対応や操作方法などのサポート体制におけるマニュアルを作成し、従業員に教育することで、スムーズなフォローが可能になります。
自社に適したセルフレジを選定するポイントを紹介します。
企業側、お客様・患者さん側の双方にとってプラスとなるセルフレジ選定の参考にしてください。また、調剤薬局向けセルフレジやカスタマイズすることもおすすめです。
会計機能や売上管理以外に、在庫管理、顧客管理など、POSシステムと連携することで、さまざまな機能を追加できます。
自店舗の運営を改善するために必要な機能をピックアップしましょう。そのためには、自店舗の状況や課題を明確にすることが大切です。
セルフレジは、お客様が会計作業を行うという特性上、特にわかりやすさや使いやすさが重要な選定ポイントとなります。直感的な使用が可能かどうかを実機デモにより確認することがおすすめです。
また、会計作業以外の機能においても同様に、操作性の高さは業務効率化に影響する要素となるため、確認しましょう。実際に作業を実施する店員の声を聞き、操作性に優れたレジを見つけてください。
セルフレジの導入には、高額な初期費用がかかってきます。そのため、費用対効果について見極めたうえで導入するようにしましょう。例えば、必要な機能を取りそろえることは必要ですが、不要な機能まで追加してしまうと、無駄な費用がかかってきます。
そのため、ある程度カスタマイズできる柔軟性を備えたサービスを提供している会社を選定することがおすすめです。
ドラッグストアや薬局において、セルフレジの導入が進められています。非接触での会計が可能になることから、感染症対策になり、従業員とお客様を守ることにもつながるでしょう。
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