支払い方法の多様化やコロナ禍の影響を受け、セルフレジの需要が高まっています。最近ではセルフレジが普及したことで、セルフレジを好意的に受け取る消費者も増えてきました。
しかし、セルフレジを導入するには初期費用やランニングコストの支払いが必要です。具体的な価格がわからず、導入に踏み切れない店舗も多いでしょう。
そこで、この記事ではセルフレジの価格相場や実際の価格例、費用を抑える方法について解説します。
ここでは、まずセルフレジの種類を解説します。
フルセルフレジとは、顧客が自分で会計・決済業務のすべてを行うタイプのセルフレジです。具体的には、顧客自身が商品のバーコードを読み取り、レジに表示された金額に従って自動釣銭機に投入して会計を行います。
主にコンビニや100円ショップ、アパレル店舗などでの普及が進んでいます。
セミセルフレジとは、商品のバーコードの読み取りは店舗スタッフが行い、会計は顧客が自動釣銭機に投入して自分で行うタイプのセルフレジです。
主にコンビニやスーパー、ドラッグストアなどでの普及が進んでいます。
セルフレジを店舗に導入する必要性や仕組み、使い方、導入事例は以下の記事をご覧ください。
関連記事:【完全版】セルフレジとは?種類や価格相場、導入事例を解説
セルフレジを導入する場合、ネックになりやすいのがコストです。ここでは、初期費用とランニングコストにわけて、フルセルフレジの導入価格の目安を紹介します。
フルセルフレジの初期費用相場は、一台につき約100万円~300万円です。商品を読み取る登録機と精算機が一体化しているため、一台で会計・決済業務が可能です。
インターネット環境の整備ができていない場合には、回線の工事費用もかかるでしょう。
運用かかる費用相場を以下にまとめました。
なお、CASHIERのセルフレジ導入価格については下記ページをご参照ください。
ここでは、初期費用とランニングコストにわけて、セミセルフレジの導入価格の目安を紹介します。
セミセルフレジの初期費用相場は、一台につき約100万円~400万円です。フルセルフレジよりも相場が高額な理由は、登録機と精算機が別々であるためです。
また、フルセルフレジ同様にインターネット通信が整っていない場合には、回線工事の費用もかかります。
運用かかる費用相場を以下にまとめました。
セルフレジ導入にかかる価格の具体例を、セルフレジを提供している「CASHIER」ブランドのプランをもとに紹介します。
フルセルフレジを以下の条件で購入した場合、初期費用は95万8,000円、月額料金は8,400円です。
基本料金プランの「プロフェッショナルプラン」とは、無料プランよりも以下の機能において優れており、利用しすいプランです。
※無料プラン・プロフェッショナルプランのどちらも軽減税率に対応しています。
セミセルフレジを以下の条件で購入した場合、初期費用は92万8,000円、月額料金は6,400円です。
また、セミセルフレジを同様の条件でレンタルした場合、初期費用は80万円、月額料金は14,800円です。
「CASHIER」では、見積もりシミュレーションをホームページ上で簡単に実施できます。「自社の希望条件だといくらになるのか」をすぐに確認できるため、ぜひ参考にしてください。
セルフレジの導入方法は、主に「購入」「リース」「レンタル」の3つに大別できます。先ほど紹介した導入価格相場は、購入した場合の金額です。
購入すると初期費用は高額になる一方、運用後にかかる費用は保守・メンテンナンス費用のみと安く抑えられることが特徴です。ただし、高額な初期費用を支払えないという企業も多いでしょう。
そこで、ここではセルフレジ導入の初期費用を抑える方法として、リース・レンタルの活用について解説します。
セルフレジは、レンタルで導入することも可能です。まとまった初期費用が必要ない代わりに、毎月のレンタル料金がかかります。セルフレジのレンタル会社に問い合わせを行い、設置する機種や台数などを決めてから発注しましょう。
レンタルは短期間の使用を想定した導入方法で、例えばサテライトショップや百貨店の特設売り場など、一時的にレジシステムが必要な場合によく利用されます。
レンタルの場合、セルフレジの所有権はレンタル会社に残っているため、保守や修理にかかる費用もレンタル会社負担となるのが一般的です。
リースも、レンタルと同じく毎月一定の費用を支払い、提供会社からセルフレジを借り受けて店舗に設置する方法です。
レンタルとは異なり、長期間の使用を前提とした導入方法で、短期間の使用では費用が割高になる可能性があります。導入方法は、基本的にレンタルの場合と同様です。
ただし、レンタルとリースは厳密に区別されていないケースもあります。レンタルプランでも長期間の使用を前提としている場合もあるため、ホームページの確認だけでなく一度問い合わせてみるのが確実です。
導入時の値段が原因でセルフレジの導入を悩んでいる場合は、補助金の利用を検討してみてはいかがでしょうか。こちらでは、セルフレジ導入に活用できる補助金を解説します。なお、補助金を受給するための詳細な条件については公式ホームページをご確認ください。
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者が経営課題を解決するためにITツールを導入した場合に利用できる制度です。生産性向上を目的としたITツールの導入に関して、一定の条件を満たしたうえで審査に採択されることで、補助金を受給できます。
レジ本体やセルフ精算機などのハードウェアはもちろん、POSレジに必要なソフトウェア購入費用やクラウド利用費なども対象です。
【IT導入補助金】
IT導入補助金のページ
業務改善助成金は、機械設備の導入によって生産性を向上させつつ、従業員の賃金アップを実現した場合に補助金を受給できる制度です。賃金の引き上げ額や人数によって助成金の上限が決まります。
業務改善助成金の事例集にはPOSレジシステムや自動釣銭機(セミセルフレジの周辺機器の一つ)の導入にした事例も紹介されています。
【業務改善助成金】
業務改善助成金のページ
小規模事業者持続化補助金は、販路開拓や業務効率化を支援する、小規模事業者向けの補助金制度です。
働き方改革や賃上げ、インボイスの導入などに対応するための取り組みにかかる経費を補助してもらえます。明記はされていないものの、セルフレジの導入時にも利用できる可能性があります。
【小規模事業者持続化補助金】
小規模事業者持続化補助金のページ
ものづくり補助金制度は、セルフレジをはじめとした設備投資に必要な費用を支援してもらえる制度です。
「省力化(オーダーメイド)枠」や「製品・サービス高付加価値化枠」など、目的に応じて申請枠がジャンル分けされています。
【ものづくり補助金】
ものづくり補助金のページ
コロナ禍での衛生面への配慮や決済方法の多様化によるレジ業務の複雑化などにより、セルフレジの需要が増しており、さまざまな製品が登場しています。ここでは、セルフレジを導入する際、価格以外で意識すると良いポイントを解説します。
セルフレジは、店舗のスタッフだけでなくお客様も利用します。操作が難しく使い勝手が悪いと、クレームや顧客満足度の低下につながるおそれがあります。そのため、直感的かつシンプルなインターフェースの製品を選ぶのが良いでしょう。
セルフレジでは、どの導入方法を選んだ場合でも定期的にメンテナンスが必要です。そのため、提供会社を選ぶ際は、製品の種類や価格だけでなく、導入後の保守サービスの充実度も確認しましょう。特に、24時間営業の店舗では、夜間や早朝でも対応してもらえる会社を選ぶと安心です。
セルフレジを導入する際は、「どの決済方法に対応するか」も重要な問題です。最新のセルフレジは、基本的にクレジットカード決済に対応しているものの、その他のキャッシュレス決済への対応は機種ごとに異なります。
QRコードや電子マネーなど幅広い決済手段を用意したほうが利用者のメリットは大きくなりますが、その分コストもかかります。顧客の支払い状況などを踏まえた上で、導入すべき決済方法についても検討しましょう。
セルフレジは、出入口付近やお客様の動線となる場所に置くケースが多いため、サイズ感も大切です。店舗スペースにゆとりのあるスーパーなどは大型の機器を設置することも可能ですが、小規模な飲食店やクリニックの場合、サイズが大きすぎるとお客様の迷惑になるおそれがあります。近年では、タブレットタイプのレジや省スペースの製品も登場しているため、動線や使い勝手を考慮してサイズを決めましょう。
セルフレジにはさまざまな機能が搭載されており、高機能な製品ほど価格も高くなる傾向にあります。機能が豊富であれば必ずしも良いというわけではなく、中には自店舗に必要のない機能があるケースも考えられます。
そのため、事前に必要な機能と予算を検討しておき、最小限の構成で運用するのが理想です。例えば、クリニックであれば電子カルテとの連携機能、飲食店や小売店であれば顧客管理や在庫管理システムとの連携機能などがあると便利です。
セルフレジの価格は、導入方法や機能、提供会社などさまざまな要因で変化します。
「高機能な製品が良い」「高いものが良い」というわけではないため、サイズや操作性なども考慮し自社に最適なセルフレジを導入しましょう。また、費用面が気になる場合は、補助金の利用を検討してみるのもおすすめです。
上記に一つでも当てはまる場合には、ぜひ一度お問い合わせください。