人手不足の解消や業務効率化、人件費削減のために券売機を導入する飲食店は増えています。また券売機においても、さまざまなニーズに合わせて豊富な種類が提供されています。
数多くある券売機の中から、自店舗に適した券売機を選ぶことが大切です。
そこで、この記事では券売機の種類をさまざまな観点から解説したうえで、券売機の選び方を紹介します。
券売機とは、お客様自身が会計・決済作業を行うための機器のことです。セルフレジとは、前払いである点と食券や入場券などが発行される点が異なります。
また券売機には飲食店内で使用する製品の他に、自動販売機や入場券などを取り扱う券売機も含まれますが、この記事では飲食店内で使用する製品について解説します。
2021年の経済産業省の調査によると、券売機の普及台数は約270万台が普及しています。そのうち「食券・入場券他」の占める割合は1.8%と小規模です。
しかし、飲料用自動販売機は2018年~2021年まで普及台数は減少傾向にある一方、「食券・入場券他」の普及台数は増加傾向です。このデータからもわかるように飲食店における券売機の需要は高く、今後も導入を進める店舗は増えるでしょう。
ここでは、形態で分類した券売機の種類を解説します。
小型券売機とは、その名の通りサイズがコンパクトであるため、省スペースでの設置が可能な券売機です。幅30cm、奥行き30cm、高さ60cm程度の大きさであるため、テーブルやカウンター上に設置できます。
通常の券売機と比較すると軽量であるため、持ち運ぶことも可能です。店内のレイアウト変更時も柔軟に場所の変更ができるでしょう。
ただし、釣銭の収納枚数や口座数(ボタンの数)は通常の券売機よりも少なくなっているため、釣銭切れに注意が必要です。
そのため、ラーメン店や牛丼店などにおける小規模な個人店舗におすすめのタイプです。
スタンダード券売機とは、高さが1m60cm程度ある据え置きタイプの券売機です。飲食店の入り口や待合スペースに多く導入されているのは、この形態の券売機でしょう。
小型券売機と比較すると、釣銭の収納枚数や口座数を十分に用意できるため、店舗運営中に両替に行く心配を低減できます。また食券用のロール紙の装填も2巻までできるものが多くあります。
ただし、小型券売機と比較すると導入費用が高額になることが一般的です。
ここでは、対応できる貨幣別で分類した券売機の種類を解説します。
低額紙幣対応券売機とは、1,000円札(または2,000円札)と小銭のみの支払いに対応している券売機のことです。
高額紙幣に対応しないことで、導入費用を抑えるとともに準備する釣銭の種類を低減できます。
ただし、顧客が利用できる紙幣が少ないことで、顧客満足度の低下につながる可能性があります。そのため低額紙幣対応券売機を導入する際は、商品・メニューの単価が2,000円未満の場合にすることがおすすめです。
高額紙幣対応券売機とは、1,000円札~1万円札まですべての紙幣に対応できる券売機のことです。
大口の紙幣しかもっていないお客様が来店された際にも対応できるため、機会損失を防止し、顧客満足度の低下を防ぎます。低額紙幣対応券売機よりも高額である点や用意する釣銭が多いことは留意しておきましょう。
キャッシュレス決済対応券売機とは、QRコード決済や電子マネー決済などのキャッシュレス決済に対応した券売機のことです。
キャッシュレス決済のみに対応した券売機もあれば、「現金+キャッシュレス決済」に対応した券売機もあります。最近はキャッシュレス決済のみに特化した店舗も増えてきていますが、自店舗の顧客層を検討したうえで決定すると良いでしょう。
以下に、完全キャッシュレス決済化に成功した券売機の導入事例を紹介していますので、参考にしてください。
ここでは、機能別で分類した券売機の種類を解説します。
ボタン式券売機とは、商品名・メニュー名がボタン一つずつに記載されており、ボタンを押すことで注文を選ぶタイプの券売機です。
ボタン一つ押すだけで注文を完了できるため、わかりやすくお客様が行う工程も最小限に抑えることが可能です。ただし、はじめて来店されたお客様の場合、おすすめの商品がわからず、注文までに時間がかかってしまう場合があります。
タッチパネル式券売機とは、券売機の上部に液晶が搭載されており、画面上に表示された商品・メニューをタップすることで注文を選ぶタイプの券売機です。
商品のビジュアルを液晶上に映すことが可能であるため、どのような商品なのかが一目でわかるようになります。またタブレットやスマートフォンの扱いに慣れた世代であれば、操作も簡単に実施できるでしょう。
ただし、選択肢が多すぎる場合には、注文に時間がかかり回転率が悪化する可能性があります。見やすさや操作感を意識して、表示内容を検討しましょう。
さまざまな種類の券売機があるため、ここでは自店舗に適した券売機の選び方を解説します。
店舗の顧客層を分析したうえで、券売機の種類を選定しましょう。
例えば「高齢層が多いから、現金対応かつボタン式券売機が向いている」、「若年層が多いから、キャッシュレス決済に対応したタッチパネル式券売機が向いている」などのように、顧客層により適した券売機の種類をある程度絞ることが可能です。
その場合、実際に働いている従業員の意見も確認することで、より正確な顧客層を割り出せるでしょう。
券売機での会計・決済業は顧客が自分一人で行うことが求められます。そのため、顧客目線で使いやすいかどうかを重視することが必要です。
店員は使いやすいと思っても、顧客にとっては使いにくい可能性があります。はじめて来店されるお客様でも迷わずに使用できるような操作感かどうか確認しましょう。
券売機の導入は、思っているよりもスペースが必要です。そのため、店内の導線の邪魔になっていないかどうか確認しましょう。
小規模店舗であれば小型券売機やキャッシュレス決済対応券売機のように、スリムな機器の方が適しています。
券売機の導入により、会計・決済業務を自動化できるため、省人化につながります。
しかし、券売機が故障・不具合を起こしてしまうと、人手不足に陥って店舗運営が立ち行かなくなる可能性があります。
そのため、こうしたトラブルが発生した場合に、スピーディーかつ手厚いサポートが可能な提供メーカーの製品を導入することがおすすめです。代替品の発送やオンサイト保守が可能かどうかを事前に確認しましょう。
この記事では、券売機の種類をさまざまな観点から解説し、券売機の選び方を紹介しました。
券売機には多様な種類がありますが、店舗の状況や顧客層を分析することで、自店舗に適した機器が見えてきます。従業員や顧客の満足度向上につながるような機器を選定しましょう。
上記に一つでも当てはまる場合には、ぜひ一度お問い合わせください。