POSレジを導入することで、レジ機能だけでなく在庫管理や顧客管理などの機能により、店舗のさまざまな情報を一元管理できます。そのため業務効率化や人材不足への対策、マーケティング施策などに活用可能です。
しかし、そのためには経営者だけでなく従業員も同様にPOSレジを使いこなすことが欠かせません。従来のレジとはオペレーションが変更されるため、操作マニュアルの作成は必須です。
そこで、この記事ではPOSレジ導入時に作成すべき操作マニュアルについて解説します。
【今回のコラムをざっくりまとめると…】
この記事は、POSシステムのマニュアル作成の重要性について説明しています。明確でわかりやすいマニュアルは、従業員の理解を促進し、業務の効率化とトラブルの防止につながります。また、運用の標準化や教育の手間削減にも寄与しますので、下記の記事を参考にご検討してみてください!
POSレジとは「Point Of Sale(販売時点情報管理)」の略で、商品の販売を記録・管理できるレジをいいます。コンビニやスーパーなどで利用されており「いつ・誰が・何を・いくらで」といった情報の管理が可能です。
売上管理や在庫管理を把握できる機能が備わっているため、売上や日報作成の工数を減らせるほか、店舗間でのデータ共有も可能です。そのため、データに基づいた経営判断を計画しやすくなります。
従来のレジスターは、商品をバーコードで読み取り、代金や釣銭の受け渡しを行うといった会計機能と決済機能に特化していました。
そのため従来のレジスターの場合、1日の締め作業や在庫数の確認や発注作業、マーケティングにおける顧客情報の収集などは別途行う必要があります。 一方POSレジでは会計機能や決済機能だけでなく、在庫管理機能や顧客管理機能などの機能もカスタマイズできます。 そのため、お金や商品の動きをPOSシステム上で一元管理できます。
また、画面に表示されるタッチパネルに従ってタッチするだけで目的の操作ができるといった直感的な操作性も実現しています。 POSレジについては以下の記事で詳しく説明していますので、ぜひご覧ください。
POSレジには大きく分けて、以下の3つの主要タイプが存在します。
ターミナル型POSレジは、一般的な据え置きタイプのレジスターにPOS機能が搭載されたものです。 現金管理やレシート発行など会計業務に必要なすべての機能が一通り実装されているハードウェアのため便利です。
ただ、設置スペースの確保が難しいことや、本体の導入コストが大きいことなどから、導入は、大規模店舗に限定されやすいデメリットがあります。 パソコン型POSレジは、PCにPOSレジソフトをインストールして運用するというものです。
既存のパソコンがあればそれにソフトをインストールするだけなので、初期費用を安く抑えられます。 ただ、パソコン型の場合はキャッシュドロワーやレシート印刷機といった周辺機器を別途用意しなければなりません。 タブレット型POSレジは、パソコン型をより便利にしたような製品です。
スマホやタブレットにPOSレジシステムをインストールし、手軽にPOSレジを利用できます。 PCよりもスペースを取らず、直感的に操作ができることから、気軽に導入を進められる製品です。
【機能別】POSレジの操作マニュアル一覧!使い方をわかりやすく解説
POSレジの基本操作は、主に以下の5つのステップに分かれます。
バーコードの読み取りや商品選択で商品登録を行うと、POSレジ上では小計が表示されます。 支払い金額を確認の上、購入者に支払い方法を選んでもらい、実際に支払う金額を入力しましょう。
すると決済処理が行われるので、会計完了と同時にレシートを発行すれば、操作は完了です。
文字にしてみると複雑なような感じを受けるかもしれませんが、実際に操作をしてみると非常にシンプルであることが実感できるでしょう。 以下で詳細な操作内容を確認します。
POSレジでの商品登録の手順と注意点を紹介します。
①バーコードスキャン
スキャナーでバーコードを読み取るか、手動入力。
注意:読み取れない場合は手動入力に切り替える。
②手動入力
バーコードの数字を手動入力
注意:数字の入力間違いに気を付け、価格などもチェックする。
③複数商品の一括登録
同一商品は個数を確認。
注意:セット商品は単品で登録されないように注意。
商品登録時のよくあるトラブルと対処法は以下を確認しましょう。
商品の登録が終わったら、小計を購入者に提示します。小計を出す際には、POSレジ本体にキーが用意されているか、ソフト上に小計ボタンが用意されているため、これをタップしましょう。
小計を実行することで、登録した商品の金額が自動で合算され、支払い金額が明らかになります。小計を実行する前に、商品の登録忘れがないかを確認します。登録漏れがあった場合は、小計を取り消して商品登録を行いましょう。
①現金決済
【操作手順】
【注意点】
②クレジットカード決済
【操作手順】
【注意点】
③電子マネー決済
【操作手順】
【注意点】
④QRコード決済
【操作手順】
【注意点】
これらの操作手順と注意点を理解し、スムーズな会計処理を行いましょう。
レシート発行までの手順は以下のとおりです。
これらの手順によって正確な会計処理が可能となり、お客様に信頼感を与えることができます。特にレシート内容の確認は、会計ミスやトラブルを防ぐ重要な工程です。最後の手渡しまで丁寧に対応することで、顧客満足度の向上と店舗の信頼性アップにつながります。
POSレジは現金での通常会計から、クレジットカードをはじめとするキャッシュレス決済まで対応しています。
ここでは「通常会計の基本手順」と「キャッシュレス決済の種類と操作手順」を解説します。
POSレジでの通常会計は次の5ステップで行います。
①商品登録:バーコード読み取り
注意点:読み取れない場合は手入力する。
②小計確認:金額の確認
注意点:割引などがある場合は手入力する。
③支払方法選択
注意点:支払方法がしっかり反映されているか確認する。
④金額入力
注意点:合計金額が合っているか確認する。
⑤会計終了
注意点:レシートが必要か伺う
POSレジに関するよくある質問をまとめました。導入前に確認しておきましょう。
Q.レジ打ち間違いの修正方法
A.以下の手順で修正します。
Q.通信エラー時の対処法
A.以下の方法を順番に試してみましょう。
Q.キャッシュレス決済のトラブル対応
A.顧客か店舗側どちらかに原因があります。
初めてレジ業務をする方に不安要素の対処法を解説します。
まず金額計算ですが、POSレジでは自動で行うため、レジ業務の方は顧客との相互確認をすれば問題ありません。また、POSレジ操作で不明な場合は、顧客への声掛けを忘れず行い、すぐにベテランスタッフを呼ぶのがよいです。
レジの混雑時は慌てるとミスに繋がり、さらに時間がかかってしまいます。一つ一つの作業を丁寧に進めていきましょう。
レジ業務では、接客用語や金銭のやり取りに関するマナーがあるため、覚えておきましょう。
接客用語は主に来店時の「いらっしゃいませ」や退店時の「ありがとうございました」などが挙げられます。金銭のやり取りでは、両手で受け渡しをするといったマナーがあります。
また、お年寄りの顧客へは大きな声でゆっくり話すといった配慮も大切です。クレーム時は、起きたことへの謝罪を丁寧にし、すぐにベテランスタッフなどに報告しましょう。
POSレジは業務効率化を図るほかに、日々の売上データを収集し、経営に活かす使い方があります。
ここでは「商品開発と売上分析」と「効果的なマーケティング施策の立案」について解説します。
POSレジの売上分析の具体的な活用方法は以下のとおりです。
【売れ筋商品の分析】
商品販売数を時系列で分析できます。また、ABC分析も行うことで全体の売上向上に貢献できます。
【客層別の購買傾向分析】
POSレジのデータは、顧客をランク付けするRFM分析が可能です。来店頻度や購入金額を分析することで、客層に合った商品を管理ができます。
マーケティング施策として「売上分析・顧客動向分析・在庫回転率分析」の3つから活用例を紹介します。
時間帯・曜日別売上からクーポン配布などの施策を実施するのは効果的です。
ポイント還元施策やチラシなどで再来店を促す施策も有効です。
不良在庫の特定からタイムセールなどの実施や、在庫の適正把握で欠品率を防止することにもつながります。
POSレジは、効率的な人員配置とシフト管理にも活用できます。
例えば、時間帯別の売上データでは、時間帯別の顧客数を算出し、ピーク時に5名体制、アイドルタイム時には2名体制など最適な判断が可能です。
シフト管理システムとPOSレジ連携をすると、売上データの販売予測から毎月のシフト作成がしやすくなります。
POSレジの在庫管理機能は、売上データと同じく重要な項目です。リアルタイムでの在庫把握により、欠品や不良在庫の対策がしやすくなります。結果として、店舗運営を円滑に進めることが可能です。
ここでは「発注・仕入れ業務の効率化」や「マーケティング施策」について解説します。
POSレジを活用すると、発注・仕入れ業務の自動化が可能になり、店舗運営の効率化が進みます。
【在庫数の自動計算】
POSレジは売上と連動して、商品の在庫数をリアルタイムで自動計算します。
【発注点の設定方法】
在庫数が一定以下(発注点)になると自動で発注アラートが表示されます。
【仕入先との連携方法】
POSレジから直接仕入先へ発注データを送信できます。
【業務効率化の具体例】
POSデータを活用したマーケティング分析として「売上トレンド分析・顧客購買行動分析・商品カテゴリー分析」の3つから活用例を紹介します。
時間帯・曜日・季節から最適な販売タイミングの把握が可能です。
同時購入されることの多い商品から、最適な陳列が可能になります。
不良在庫になる恐れのある商品を把握し、クロスセルなどの対策が取れます。
複数の店舗展開をしている事業者向けに、在庫移動の手順を解説します。
①【在庫確認】 POSシステムを使って、各店舗の商品在庫状況をリアルタイムに確認します。在庫が不足している店舗や余剰在庫を抱える店舗を特定し、商品の移動先・移動元を判断します。
②【移動申請】 在庫移動が必要な場合、移動元店舗の担当者がシステムを通じて移動先店舗に対して申請を行います。申請時には商品名や数量、希望納期などの情報を具体的に入力します。
③【承認プロセス】 移動先店舗は申請内容を確認し、商品の受け入れが可能か判断します。店舗の在庫保管スペースや販売状況を考慮し、問題がなければシステム上で承認を行います。承認後、移動作業が可能になります。
④【実際の移動作業】 承認された申請に基づき、配送業者または自社の従業員が商品を梱包・配送します。移動中の商品破損や紛失がないよう、配送中の管理を徹底し、到着後はすぐに内容確認を行います。
⑤【システム更新】 移動が完了したら、POSシステム上で在庫情報を更新します。移動元店舗では在庫数が減少し、移動先店舗では増加します。在庫の正確性を保つため、速やかにシステムへ反映しましょう。
POSレジは売上データや顧客データなどの情報を扱うため、セキュリティ対策が非常に重要です。
例えば不正アクセス対策として、適切なパスワード設定にくわえ定期的な更新が必要になります。
また、データ漏えい管理や従業員による不正対策として、通信の暗号化やデータにアクセスできる人間を絞るといった対策が有効です。
①レジ打ち間違いの修正方法
「修正・取消・修正」ボタンから対応。
②通信エラー時の対処法
ネットワーク接続の確認をする。
③プリンターエラーの解決方法
ランプ点灯からエラーの所在を確認。
④停電時の対応
手書き領収書などへ切り替え。
⑤キャッシュドロワーの不具合対応
再起動やサポートへ問い合わせ。
①バーコードスキャナーの清掃方法
柔らかい布で拭く。エアダスターで埃を取る。
②バーコードラベルの品質確認
破れやかすれなどがあるか確認。角度を変えて読み込み
③手動入力への切り替え手順
バーコード下の数字を手入力。
④エラー時の店長への連絡タイミング
別の商品で読み取れない場合。3回以上スキャンができなかった場合。
⑤代替スキャナーの使用方法
代替スキャナー接続後、テスト商品をスキャン
①レシート発行前の修正方法
対象商品を「訂正」や「取消」ボタンで修正する。
注意点:複数商品の場合、一つ一つ確認する。
②レシート発行後の修正(返金・再計算)方法
「返金」や「返品」からレシートを読込、再度会計処理をする。
注意点:顧客への状況説明と謝罪をする。
③上司への報告・記録方法
管理表などに修正内容や理由を記載する。
注意点:システムエラーによることもあるため、確認する。
エラーコード(例) | 原因 | 対処方法 |
E001 | 通信エラー | ・通信状況の確認 ・Wi-Fi再接続 |
E002 | プリンターエラー | ・エラーランプの確認 ・再起動 |
E003 | 決済エラー | ・決済端末再起動 ・Wi-Fi再接続 |
なお、POSレジを提供している各会社には、電話やメールサポートが設けられているため、エラーが改善されない場合は活用しましょう。
POSレジを活用して、円滑に店舗運営していくためには、導入前の準備が重要です。以下で確認していきましょう。
①レジ打ち機能
商品登録機能の動作確認や支払方法の設定と確認を行いましょう。税率や割引率の設定確認も重要です。
②売上管理機能
日次や週次のレポート出力やデータエクスポート設定を確認します。
③在庫管理機能
棚卸機能の確認や仕入れデータなどの連携設定をする。在庫のアラート設定も行うことをおすすめします。
④顧客管理機能
顧客データ検索や管理内容の確認。ポイント付与率などの設定も行う。
①商品コード設定
独自コードの場合、桁数を統一しましょう。
②商品名・価格入力
商品名は略称も登録しておきましょう。商品単価は税込・税抜きが明確にわかるようにする。
③税率設定
10%か8%かの設定をする。
④商品分類設定
タグ付けをして検索しやすくする。
⑤在庫数設定
初期在庫数の設定やアラート設定を行う。
なお、商品が複数ある場合は、バーコードスキャナーの利用がおすすめです。
①バーコードリーダー
接続・初期設定手順:POSレジに接続→機種選択→テスト読取
②カードリーダー
接続・初期設定手順:ケーブル接続→POSで端末選択→IPアドレス設定→決済会社の初期設定
③キッチンプリンター
接続・初期設定手順:→LANケーブル接続→プリンターIP設定→テスト実施
④自動釣銭機
接続手順:→ケーブル接続→POSで端末選択→動作チェック
従業員教育で習得すべき項目は以下の4つです。
①基本操作の習得
端末起動やログイン・商品登録と変更・訂正や取消などの操作。
②接客マナーの指導
接客業での挨拶や言葉遣い・金銭受け渡しのマナー・高齢者への配慮など。
③トラブル対応訓練
金額ミスなどへの対応・バーコードエラー時の対応・クレーム対応など。
④実践的なロールプレイ
挨拶から会計終了までの流れ・複数商品の登録・トラブル時の対応など。
POSレジの活用事例を「売上分析」「在庫管理」「人員配置の最適化」の3つから紹介します。
①売上分析
売れ筋商品分析により在庫を確保でき、売上傾向の把握ができます。欠品がなくなり、不良在庫を最小限に抑えられています。
②在庫管理
各店舗の在庫状況が一元管理され、データ分析がしやすくなりました。
③人員配置の最適化
レジ会計の効率化から、必要な従業員数を割り出し、最小限に抑えることに成功しています。
POSレジの導入を検討している店舗様には、CASHIER(キャッシャー)がおすすめです。初心者でも直感的に操作でき、会計処理だけでなく在庫管理や顧客分析まで幅広い業務を効率化できます。
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